※本ページ内の情報は2025年11月時点のものです。

ホームページやデジタルカタログ、印刷物などの制作を手がける株式会社デジタルベリー。製造業特化型ホームページ制作においては、国内トップクラスの実績を誇っている。

代表取締役を務めるのは、商社で経験を積み、27歳のときに同社を設立した赤羽根康男氏だ。創業から20年間連続で増収する、その成功の背景には何があるのか。詳しい話を聞いた。

会社で学んだのは「社会が必要としている商品をつくる」という考え方

ーー今までの経歴を教えてください。

赤羽根康男:
もともと起業したい気持ちがあったことと、海外での仕事に興味があったことから、その両方を満たす商社に入社しました。

起業に興味を持ったのは、大学時代に旅行先のタイで出会った人から「これからは会社に入るのではなく、会社をつくる時代だ」という話を聞いたことがきっかけです。「そんな生き方もあるのか」と衝撃を受け、それと同時に起業に憧れるようになりました。

入社後は、起業という目標に向かっていろいろなことを経験したいと思い、とにかく何に関しても手を挙げていたことを覚えています。そして、同社で営業・企画職の経験を積んだ後、2004年に株式会社デジタルベリーを設立しました。

ーー商社時代にはどのようなことを学びましたか。

赤羽根康男:
特に大きな学びになったのが、「自分が売りたい商品ではなく、周囲の人や社会が必要としている商品をつくる」という考え方です。

当時、会社の先輩の中に自分で企画した商品をヒットさせた方がいたのですが、この方はいつも「こんな商品を出したら売れると思いますか?」と、周りの人に意見を聞いていたことが印象的でした。

先輩の姿を見て「1人で考えるのではなく、さまざまな意見を取り入れながら、社会が必要としている商品を導き出すことが大切」ということを学びました。この考え方は会社経営をしている現在にも役立っています。

ホームページ・デジタルカタログ・印刷物制作の3本柱で事業を展開

ーー事業の内容や強みを教えていただけますか。

赤羽根康男:
弊社はホームページ制作、デジタルカタログ制作、印刷物制作の3本柱で事業を展開している会社です。売上の7割ほどはホームページ制作事業によるもので、その中でも製造業からの依頼が多く、この分野では国内トップクラスの実績を誇ります。

製造業の技術や部品は、一般の人からするとわかりにくいものです。弊社ではそういった専門的な内容を噛み砕き、製造会社を魅力的にPRする「製造業ドットコム」というホームページ制作サービスを展開しています。

そのほか、印刷・動画・デジタルカタログ・テレビCMなどの企画・制作も手がけており、Webを中心としたクロスメディア総合提案で企業をPRできる点が弊社の大きな特徴です。

製造業の強みを様々なメディアで発信することで、幅広い地域・年代に認知してもらえるのが弊社のクロスメディア総合提案サービス「製造業ドットコム」の強みです。

ーーお客様からはどういった点が評価されていますか。

赤羽根康男:
製造業のお客様の技術・製品の強みをしっかり理解しようとする姿勢を評価いただけています。ホームページ制作の際には、お客様の強みや技術をPRできるよう、丁寧なヒアリングに努めており、これまで私達自身がWeb集客で成果を出してきたノウハウを活かして、ホームページ集客、採用応募数アップ、海外への情報発信などにつなげております。

また、最近ではWebで製造業をPRするバーチャル展示会『製造業ドットコムEXPO』に力を入れており、出展企業数は60社を超えました。日本のモノづくりの素晴らしさを知ってもらうことで、製造業の発展や採用力向上のお手伝いをしたいと思っております。

株式上場を果たし、「製造業ドットコムで圧倒的な日本一」を目指す

ーー今後の目標やビジョンをお聞かせください。

赤羽根康男:
「製造業ドットコム」のサービスを日本中、世界中の方に知ってもらうことが今の目標です。製造業向けの展示会に出展したり、テレビCMでPRすることで、製造業の皆様に「製造業ドットコム」を知ってもらえるように尽力しています。「製造業のPR支援なら製造業ドットコム」と認知いただき、業界ナンバーワンのサービスへと拡大していきたいです。

弊社は先日21期目を終了しましたが、創業から20期連続で増収を続けることができました。今後も地道かつ着実に成長を続け、「100年続くクロスメディア総合提案カンパニー」を目指していきたいです。

編集後記

「売上が伸び悩み大変な時期もあった」と語る赤羽根社長。そういった苦労があったことを感じさせないほどの、穏やかな話しぶりが印象的だった。株式上場という次の目標に向かって、前に進むデジタルベリー。「少しずつ伸びる会社を目指す」という赤羽根社長の言葉からは、静かに燃える情熱が感じられた。

赤羽根康男/1976年栃木県生まれ、埼玉大学を卒業。岩谷産業株式会社に入社し、営業・商品企画を経験。2004年株式会社デジタルベリーを設立し、代表取締役に就任。2024年埼玉大学オープンイノベーションセンター客員教授に就任。