
株式会社スマートゲートは、株式会社スマートゲートは、電子書籍制作で業界トップクラスの実績を誇る。取引先1800社、制作実績5万冊以上を達成している。同社を牽引する代表取締役の後藤康宏氏は、「クリエイターの作品を世に広めたい」という強い思いで創業。モバイル広告、リアル広告、コンテンツ制作と多岐にわたる経験を活かし、失敗を恐れぬ挑戦を続けてきた。その姿勢が15期連続での増収増益を実現する原動力である。「日本を代表するクリエイティブテックカンパニーになる」というビジョンを掲げる後藤氏に、これまでの軌跡と今後の展望を聞いた。
原体験が紡ぐ起業と事業転換の道
ーーこれまでのご経歴と、現在の事業へつながる経緯についてお聞かせください。
後藤康宏:
大学卒業後、出版社向けのCD・DVDプレス会社に入社しました。当時、デジタル化の波に対応しきれず、良質なコンテンツが埋もれてしまう状況を目の当たりにしました。そこで、「クリエイターの作品を世に広めたい」と強く思うようになったのが、私の原体験です。
その後、モバイル広告とリアル広告の代理店で総合的な広告アプローチを学びました。さらにソーシャルゲーム会社でコンテンツ制作の現場を経験し、クリエイターの作品を世に届けるための知識がそろったと感じ、2011年に起業しました。
当初はiPhoneアプリ開発を手掛けたのですが、競争が激しく軌道に乗せられませんでした。苦しい状況でしたが、転機が訪れます。2013年、Amazon Kindleの日本サービス開始を機に、事業を電子書籍制作へ大きく転換したのです。これが現在の「クリエイティブDX事業」の始まりでした。
2つの柱で広がるクリエイティブDX
ーー改めて、貴社の事業内容について教えてください。
後藤康宏:
事業は大きく分けて「クリエイティブDX事業」と「コンテンツマネジメント事業」の2つです。
クリエイティブDX事業では、法人のお客様向けに多彩なサービスを展開しています。電子書籍やWebtoon(縦読み形式のデジタルコミック)、オーディオブック制作、データ入力などがその一例です。自社開発のシステムとツールを掛け合わせ、「クリエイティブ✕テクノロジー」を軸に業務効率化や自動化を実現しています。この点が他社との大きな違いであり、弊社の強みです。紙媒体をデジタル化して業務を効率化するだけでなく、その先の配信や運用まで一貫してサポートできる体制を整えています。
コンテンツマネジメント事業では、電子書籍やオーディオブックなどのコンテンツをお預かりしたり、クリエイターとともに制作したりして市場に展開しています。クリエイターがつくることに専念し、私たちは売ることに徹するという役割分担を明確にしています。
お客様との共創でビジョンを実現

ーー座右の銘を教えていただけますか。
後藤康宏:
座右の銘は『失敗は成功のもと』です。私たちの行動指針にもある「チャレンジ精神を持つ」ことがすべてだと思います。新しいことに挑戦しなければ、現状維持さえできません。これが私の根本的な考えです。
現在の多様なサービスは、そのほとんどがお客様の「こんなことはできないか」という声から生まれました。お客様のニーズに応えようと挑戦を続けてきた結果、事業が大きく広がりました。電子書籍制作から始まり、オーディオブックやWebtoon、さらにはデジタルカタログ制作やデータ入力業務にまで展開できたのです。
こうした挑戦を続けた結果、創業以来15期連続で売上と利益をしっかりと伸ばせています。事業の成長に伴い、私たちがご一緒するクリエイターの方々の人数や、お支払いする金額も着実に増えており、大きな手応えを感じています。
日本を代表するクリエイティブテックカンパニーへ
ーービションの実現に向けた、今後の展望を教えてください。
後藤康宏:
弊社では「日本を代表するクリエイティブテックカンパニー」というビジョンを掲げています。そのビジョンを実現するために、私たちはデジタルやテクノロジーの領域を担います。それにより、クリエイターにはものづくりに集中してもらい、より良い作品を世の中に届けたいと考えています。作品に関わるプロフェッショナル全員が、制作に集中できる環境を整えることが私たちの使命です。
また、今後の成長のためには、他社との連携が不可欠です。すでにオーディオブック制作スタジオをM&A(企業の合併・買収)で迎え入れました。今後も業務提携やグループ化を通じて、その道のプロと力を合わせていきたいです。
ーー今後、どのような人材を求めていますか。
後藤康宏:
採用では、私たちのビジョンへの共感が最も重要です。「クリエイティブ✕テクノロジーで業界を変えていく」ことにワクワクできる方と、ぜひ一緒に働きたいと考えています。
さらに、弊社が掲げる5つの行動指針に共感していただける方だとなお嬉しく思います。まず、「会社とメンバーはファミリーである」と考え、互いを尊重し支え合う文化があります。次に、個々が「プロフェッショナルとしての自覚を持つ」こと。そして、そのプロ意識に基づき「成果にこだわる」姿勢も重要です。クリエイターやお客様に価値を提供し、結果を出すことにこだわり抜きます。加えて、事業成長の源泉である「チャレンジ精神」。現状に満足せず、新しい領域へ挑戦し続ける姿勢を歓迎します。最後に、最も重要なのが「チームワーク」です。
弊社は未経験からスタートするメンバーも多いです。そのため、一人で抱え込まず、チームで協力して大きな仕事を成し遂げる風土が根付いています。こうしたカルチャーに共感し、一緒に挑戦を楽しめる方をお待ちしています。
編集後記
後藤氏の「クリエイターの作品を世に広めたい」という一貫した情熱。それが、事業のあらゆる局面で原動力となっていることがうかがえる。顧客のニーズに応えてサービスを拡大してきた柔軟性。そして、自社で開発したシステムによる「クリエイティブ✕テクノロジー」の追求。これらは同社の唯一無二の強みだといえるだろう。制作と販売の役割を明確に分け、クリエイターが創作に集中できる環境づくりに注力する姿勢。これは、業界全体の健全な発展に貢献するに違いない。ビジョンに共感する人材を集めながら、さらなる業界変革に期待したい。

後藤康宏/1983年、静岡県生まれ。大学卒業後、出版社向けに出版物の付録CDやDVDをプレスする会社に入社。その後、インターネット広告代理店、リアル広告代理店、ソーシャルゲーム会社を経て、2011年7月に株式会社スマートゲートを設立、代表取締役に就任。