※本ページ内の情報は2026年3月時点のものです。

親が遺した不動産をめぐり、親族間で争いが泥沼化するケースは後を絶たない。センチュリー21中央プロパティーは、複雑な権利関係が絡む「共有持分」や「借地権」など、難易度の高い分野を専門に取り扱っている。2011年に同社を創業した代表取締役の松原昌洙氏は、「表向きは専門性、中身は人間性」と語る。法律と不動産のプロとして、顧客の人生における重要な意思決定にどう寄り添っているのか。同社の強みや新たに挑む小規模開発事業、自律的な成長を促す組織づくりについてうかがった。

泥沼化しやすい「相続不動産」にあえて挑んだ理由

ーーまずは、キャリアのスタートについてお聞かせください。

松原昌洙:
最初のキャリアとして、不動産担当の融資会社に約9年間勤めました。その後、別の不動産会社に移り、主に仕入れ業務を担当。前職のデベロッパーに勤めていたとき、最もややこしいと感じたのが「相続不動産」の問題でした。相続人がお一人の場合は問題ないのですが、複数名いる場合は状況が異なります。親の介護の度合いや、兄弟間で過ごしてきた何十年もの歴史が絡み合うため、平等に分けることが難しく、揉めるケースが非常に多いのです。

ーートラブルになりやすい「相続不動産」をメインに扱う会社を設立されたのはなぜですか。

松原昌洙:
相続した不動産が共有名義となると、1つの不動産の権利を複数人で所有することになります。そうなると必然的に、共有者(相続人)同士で不動産の活用に関する意向が異なり、トラブルに発展するケースがあります。それをうまく整理して解決に導くのは不動産屋であるべきか、あるいは法律の専門家に任せるべきか。そこを包括的なソリューションとして提案できれば、不動産会社として大きな強みを持てると考えたのが起業のきっかけです。

ーー貴社の強みは、そうした複雑な状況を解決できる体制にあるのでしょうか。

松原昌洙:
通常、不動産絡みのトラブルで弁護士の先生に相談に行くのは、お客様にとって勇気のいることです。弊社では、常駐しているインハウスの弁護士が初回の面談から同席し、不動産と法律の両面からワンストップで相談、スピーディな問題解決ができる体制を整えています。トラブルを回避する不動産売却のノウハウや法律的な権利主張のパターンなどをしっかりお伝えした上で、最善の選択肢を提案できるため、お客様の安心感につながっています。

「表向きは専門性、中身は人間性」未経験から成長できる環境

ーー中途採用を強化されていますが、どのような方が活躍されていますか。

松原昌洙:
業界未経験でも全く問題ありません。活躍しているのは、人の気持ちを汲み取れる人です。弊社では、若いうちからお客様の「人生と幸せの意思決定」に深く携わることができます。単にモノを売買するのではなく、なぜその人が困っているのか、背景を深く知ることが欠かせません。私はよく「表向きは専門性、中身は人間性」とスタッフに伝えています。自社の利益だけを優先するのではなく、お客様の本当の気持ちに寄り添い、すべての選択肢のメリットとデメリットをお伝えする。綺麗事では済まされない領域だからこそ、包み隠さずお話しできる誠実さが求められます。

ーー未経験からそこまでのスキルを身につけるのは大変ではないでしょうか。

松原昌洙:
不動産業界には「俺の背中を見て育て」という個人主義の風潮も残っていますが、弊社ではそれとは対照的に、必ず2名以上のチームで動きます。個々人が頑張るという前提は必要ですが、先輩や同僚がしっかりフォローしてくれる環境が整っているため、異業種から飛び込んできた方でも確実に成長できる仕組みがあります。

顧客ファーストを貫き関わる全員が恩恵を受ける未来へ

ーー既存の複雑な権利関係の整理に加え、現在新たに挑戦されていることはありますか。

松原昌洙:
実は最近、不動産開発事業にも参入しました。たとえば、道路沿いの土地と、その奥にあって単体では建物を建てられない土地があったとします。それぞれが単体で売却するよりも、弊社が間に入って複数の土地をまとめて全体売却することで、土地としての価値が上がり、地権者様にとってメリットが生まれます。近隣の方々と意向を合わせ、同じタイミングで開発に参加していただくことで、関係する全員が高い恩恵を受けられるのです。これも、お客様にとって最適な提案を追求した結果の一つの形です。

ーー最後に、今後の展望をお話いただけますか。

松原昌洙:
将来的には、「相続不動産と言えば中央プロパティー」と思って貰えるような圧倒的な知名度を持った存在になっていたいですね。また、不動産開発事業についても着実に実績を積み上げ、今後さらなる事業拡大を目指していきたいと考えています。会社の規模が大きくなっても、不動産業という軸で、私たちが培ってきた専門性と人間性を武器に、お客様の人生の課題解決に真摯に向き合い続けていきます。

編集後記

親族間の不動産トラブルという、誰もが目を背けたくなるような複雑な課題。松原氏はそこに真っ向から挑み、独自の包括的ソリューションを築き上げた。取材を通じて最も印象的だったのは、「表向きは専門性、中身は人間性」という言葉だ。自社の利益だけでなく、顧客の人生そのものに寄り添う覚悟が、同社の確かな強さの源泉となっている。未経験からでもその信念を学べる環境があり、昨年から新たに不動産開発事業という次なる一手も打ち出した同社。社会問題化する相続不動産の領域で、同社がどのような救いの手を差し伸べ続けていくのか、今後の展開に注目していきたい。

松原昌洙/1970年生まれ、静岡県出身。不動産担保の融資会社、都市開発会社への転職を経て、2011年に独立。「共有持分」「借地権」を専門に扱う不動産会社として株式会社中央プロパティーを設立。翌2012年、センチュリー21に加盟。以来、士業・各分野の専門家との連携体制を構築し、相続不動産のトラブル解決に取り組み続ける。2025年より不動産開発事業も開始。