※本ページ内の情報は2026年5月時点のものです。

KDDIグループの一員として、「通信」を軸に"はたらく環境づくり”と"現場の変革”をワンストップでサポートするKDDI Biz Edge株式会社。長年培ってきた地域密着型の「現場目線」というDNAを継承しつつ、AI活用やDX推進など、時代の変化に合わせた組織のアップデートを急速に進めている。2025年にKDDI まとめてオフィス株式会社(現:KDDI Biz Edge株式会社)の代表取締役社長に就任した落合孝之氏に、新社名に込めた思いや今後の事業展望、そして新たな組織づくりについて話をうかがった。

これまでの経験とKDDI入社当時のエピソード

ーーこれまでの経歴と入社当時のエピソードをお聞かせください。

落合孝之:
1996年に第二電電株式会社(現:KDDI)に入社しました。最初は志望とは異なる営業事務からのスタートでしたが、この期間に裏方として基礎を学べたことが、後に営業として成果を出すための大きな土台となりました。事務作業を通じて営業職の動きを客観的に観察し、「自分が営業に出たらどう動くべきか」という指針を明確にすることができたのです。

ーーその後はどのようなキャリアを歩まれたのでしょうか。

落合孝之:
2000年には、3社合併によりKDDIが発足し、2002年にIoT関連事業の立ち上げに参画しました。当時は「IoT(※)」という言葉もまだ一般的に普及しておらず、社内システムや運用フローも確立していなかったため、完全なスタートアップ状態でした。営業はわずか4名。「何もない」中からのスタートでした。

(※)IoT:Internet of Things(モノのインターネット)の略。あらゆるモノがインターネットに接続され、情報交換することで相互に制御する仕組みのこと。

私は理系の知識を活かし、営業からSE、アンテナの設置場所を検討する技術領域まで一人で何役もこなしました。当初は数字が上がらず大変厳しい時期もありましたが、泥臭く現場で価値を伝え続けた結果、ゼロから1,000万契約(現在は6,600万回線※2025年12月末時点)まで事業を拡大させることができました。この「ゼロから全てを作り上げた」という原体験が、現在のKDDI Biz Edgeにおいて、経営判断を支える大きな礎となっています。

KDDI Biz Edge株式会社における社長就任で見えた守るべきものとアップデートすべきもの

ーー社長に就任されてから見えてきた会社の強みと進化のために着手すべき課題について教えてください。

落合孝之:
2025年に社長に就任して痛感したのは、弊社に根付く「現場目線」の強靭さです。地域に密着しお客さまの課題に真摯に向き合う姿勢は、今後も揺るがず守り抜くべき中核的な価値です。一方でお客さまの求めるニーズが多様化する中で、過去の成功体験に留まらず、時代に合わせて組織をアップデートしていく必要性を強く感じました。

ーー組織を運営していく上で特に大切にされている信念とは何でしょうか。

落合孝之:
私が常に重んじているのは「フェアであること」です。固定観念や先入観を排し、常に客観的な事実に基づき判断を下すよう徹底しています。また、弊社の強みは長年培ってきた通信インフラの基盤と、現場における実践力です。お客さまへの通信やオフィス環境のサポートにとどまらず、あらゆる現場の課題に寄り添い、共に解決するパートナーのような存在でありたいと考えています。

新社名「KDDI Biz Edge」に込めた想い

ーー4月からの新しい社名にはどのような思いが込められているのでしょうか。

落合孝之:
新社名「KDDI Biz Edge(ケイディーディーアイビズエッジ)」の「Edge」には、二つの意味が込められています。私たちが強みとする「地域密着の現場力」と「最先端技術」です。

15年親しまれた名を変えるのはリスクも伴いますが、それ以上に「時代に合わせた最先端技術を、当社の強みである現場力によって活かし、ビジネスに革新をもたらすことで、働く人々の幸せと企業の持続的成長を実現する」という私たちの姿勢を社会に示し、さらなる進化を遂げるための強い意思表明でもあります。

ーー世の中で注目されているDX推進やAI技術の活用に関する貴社の具体的な取り組みについてお聞かせください。

落合孝之:
大きく分けて2つの軸があります。1つ目はお客さまのDX推進で、新たに「DX専門部隊」と「プロダクト開発部門」を立ち上げました。DX専門部隊は、現場の営業担当だけでは解決が難しい高度な課題に対し、専門家としてお客さまに伴走し、最適なソリューションを提案しています。一方、プロダクト開発部門は自社独自のサービスを開発する部門です。これまではKDDI本体のサービスを提供することが中心でしたが、中堅・中小企業のニーズに特化したプロダクトを自らの手で創出しています。

2つ目は弊社内でのAI技術の活用で、全社員が日常的にAIを利用できる環境を整備しました。私自身もAIの活用方法を動画で配信するなど積極的に発信し、社員のAIの利用率を約90%まで引き上げました。今後大半の定型業務がAIに変わっていく中で、生まれた「余白」を、人間にしかできないクリエイティブな提案や、お客さまへの細やかな気配りに振り向ける。この最新技術と人間力の両輪こそが、私たちの目指すDXの姿です。

共に新しい会社をつくる仲間と今後のビジョンについて

ーー今後の採用活動や目指す組織像について教えてください。

落合孝之:
現在中途採用は、AI面接なども用いながら幅広く行っており、多様な経歴を持つ人材が参画しています。さらに今後は、新卒採用も開始する予定です。新たな価値観を組織に取り入れると同時に、人材をゼロから育成する文化を社内に深く根付かせることが狙いです。未知の領域に対する知的好奇心を持ち、与えられた環境を楽しみながら成果を出せる前向きな姿勢を重視しています。

ーー最後に、今後の展望と新しいオフィス環境についてお聞かせください。

落合孝之:
社員一人ひとりが主体的に課題に取り組み、「自走する組織」へと進化させていくことが今後の展望です。最近では、社員主導のプロジェクトチームで自社の新オフィスをコンセプトから構築しました。仕事内容に合わせて最適な場所を自律的に選ぶ「ABW(※)」の導入やカフェスペースの設置により偶発的なコミュニケーションを促進。現場の意向を反映し、「自走」を促すための「環境投資」を具現化した空間です。結果として出社率が向上し、お客さまに向けた実践的なショールームとしても機能しています。今後も自らの手で会社を成長させる環境づくりを加速させていきます。

(※)ABW:Activity Based Workingの略。仕事の内容にあわせて、働く場所を自由に選ぶ働き方のこと。

編集後記

通信インフラという強固な基盤に甘んじることなく、常に最前線で新たな価値を模索し続ける同社。落合氏の言葉からは、未開拓の市場を自らの足で切り拓いてきた確かな自信と、社員への深い信頼が感じられた。ボトムアップで進む新オフィスの構築や、いち早いテクノロジーの適応を見るに、個々が自律的に動くための環境整備はすでに実を結びつつある。新社名のもと、同社が中堅・中小企業の変革をさらに力強く牽引していく未来が確信できるインタビューだった。

落合孝之/1973年7月9日生まれ、三重県出身。1996年4月、第二電電株式会社(現KDDI株式会社)に入社。2017年よりビジネスIoT推進本部ビジネスIoT営業部長を務めるなど、法人向けソリューションの最前線でキャリアを積む。社長付上席補佐、ソリューション関西支社長、ビジネスデザイン本部副本部長を歴任し、2025年4月、KDDIまとめてオフィス株式会社(現:KDDI Biz Edge株式会社)の代表取締役社長に就任。