※本ページ内の情報は2026年5月時点のものです。

情報通信機器や印刷機などの販売やメンテナンスを手掛けるデュプロ株式会社。同社を率いる小川正人氏は陸上自衛隊や文具メーカーでの勤務を経て、21歳で入社した異色の経歴を持つ。現場での実績を積み重ねて社長に就任した現在「社員の個性を活かす組織づくり」に注力している。本記事では、小川正人氏に独自のキャリア形成や既存事業の枠を超えた新たな展望、そして求める人材像などについて話をうかがった。

自衛隊で培った規律と反骨精神で駆け抜けた20代

ーーまずは、同社に入社されるまでの経緯を教えていただけますか。

小川正人:
高校卒業後、公務員として陸上自衛隊に入隊し、2年間従事しました。そこでは時間の厳守や礼節など、社会人としての基礎を徹底的に叩き込まれました。その後、成果が可視化される民間企業への挑戦を決意し、文具メーカーで1年間、学校向けの提案営業などを経験しています。デュプロ株式会社への入社は、母が顧客企業の事務員だった縁で声をかけていただいたのがきっかけで、21歳の時に中途で入社しました。

ーー入社当時はどのような目標を抱いていたのですか。

小川正人:
高卒で中途入社という立場から、ハンデを抱えているという葛藤がありました。だからこそ「誰にも負けたくない」という反骨精神が原動力となっていました。「実績を上げて自らの立ち位置を確立させたい」という思いも強かったですね。そこで、単に営業成績を追うだけでなく、他者が着手していない領域を開拓しようと決意しました。その一つが、アフターケアやメンテナンスの徹底です。お客様から要望があれば即座に訪問し、顧客満足を最優先に行動しました。こうした地道な活動が実を結び、入社半年ほどで業績は上がっていきました。がむしゃらに頑張り続けた結果、3年後には営業部門トップの成績を収めることができました。その後、神戸支店から大阪本社へ移り、6年間にわたり営業活動に邁進しました。

抜擢とマネジメントへの挑戦 個性を重んじる組織づくり

ーーその後はどのようなキャリアを歩まれましたか。

小川正人:
34歳の時、京都支店長に抜擢されました。初めてのマネジメント経験でしたが、直面したのは、多様な職種をまとめる難しさです。営業だけでなくメンテナンスサービスなど、異なる役割を持つメンバーが混在していました。そこで重視したのが「対話」です。部下の個性を把握するためにプライベートな話題も含めて自己開示を行い、メンバーとの信頼関係の構築に努めました。

その後、事業部長、取締役、常務を歴任し、現在の社長に就任しました。社長を目指して邁進してきたというより、目の前の課題に真摯に向き合った結果です。周囲の支援により引き上げていただいたと受け止めています。

ーー改めて、貴社が展開されている事業について教えていただけますか。

小川正人:
弊社は1950年の設立以来、デジタル印刷機や紙折り機、裁断機といったオフィスの省力化機械の販売とメンテナンスを一貫して手掛けてきました。現在はハードウェアの提供にとどまらず、コンピュータシステムの開発を含めた総合的なソリューション提案を行い、お客様の業務効率化をサポートしています。

ーー社長に就任されてから、組織づくりの面ではどのようなことに取り組みましたか。

小川正人:
事業の成長に加え、「従業員満足度の向上」を経営の柱に据えました。具体的には、働き方改革を推進し、旧態依然とした労働環境を刷新しました。社員一人ひとりの個性を活かせるように、社内の対話を活性化させています。また、仕事上の充実感だけでなく、帰宅後の家族との時間も大切にしています。人生全体の満足度を高めることが、経営層の責務だと思いますから。私自身、家族に誇れる会社でありたいという信念のもと、環境整備に取り組んでいます。

企業市場への拡大と「One for all All for one」の精神

ーー今後の展望についてお聞かせいただけますか。

小川正人:
弊社はこれまで官公庁や学校関係の顧客を中心に事業を展開してきました。今後は、確固たる基盤を活かしつつ、民間企業市場への進出を加速させます。具体的には、国内大手メーカーのインクジェットプリンターなどを提案しており、物流業界向けのOCRシステムや画像検査装置など多様な提案を強化しています。ペーパーレス化が進む現代でも、紙媒体のコスト削減や業務効率化のニーズは絶えません。AIを活用して社内業務を効率化し、新たな事業領域への挑戦を続けていきます。

ーー最後に採用に向けた思いと、求める人材像を教えてください。

小川正人:
現在は新卒採用に加えて、キャリア採用も積極的に展開しています。募集職種は営業、メンテナンスサービス、システムサポートなど多岐にわたります。求めているのは、自らの意思で能動的に行動できる人材です。私は「One for all All for one」という精神を大切にしています。現在、関西の大学ラグビーを支援していますが、その精神に深く共感しているからです。個人プレーではなく組織として戦い、たとえ劣勢の戦いでも最後まで諦めない姿勢に惹かれます。この理念を共有し、チームとして共に新たな歴史を築いていく仲間を心待ちにしています。

編集後記

異色の経歴を持ちながら、行動力と顧客第一の姿勢で現場からトップへと登り詰めた小川氏。言葉の端々からは社員や顧客に対する深い感謝の念が窺えた。同社にはラグビーに通じる「One for all All for one」の精神が根付いている。官公庁や文教市場での実績を礎に民間企業へと市場を広げ、さらなる飛躍を遂げる未来が期待される。

小川正人/1969年、大阪府生まれ。高校卒業後、公務員を経て文具メーカーに入社。その後、1990年にデュプロ株式会社に入社。2024年に代表取締役社長に就任。公務員時代に身につけた社会人の基礎と、文具メーカーで学んだ営業マーケティングの知識をいかし、同社で実践している。