※本ページ内の情報は2026年5月時点のものです。

鹿児島県出身の今村邦之氏は、単身渡米しアラバマ州立大学で最先端のマーケティングを学び、優秀な成績を収め、1年早く飛び級で卒業した経歴を持つ。帰国後、25歳で起業した人材紹介会社を大成長させたが、「本質的なマーケティングで企業を成長させたい」との思いからナウビレッジ株式会社を創業した。現在「HubSpot(ハブスポット)」の導入支援で国内トップクラスの実績を誇り、クライアントの内製化まで伴走する。100名体制への拡大を見据え、自律的な学習組織を構築する同氏に、一流のマーケター育成と未来へのビジョンを伺った。

アメリカの大学を飛び級卒業 帰国後の挫折から見出した起業の道

ーーマーケティングに関心を持った原体験や、キャリアのスタートについて教えてください。

今村邦之:
鹿児島県で両親がそれぞれ事業を営んでおり、幼い頃から商売の話が身近だったことが原点です。母の知人から「商売をやるならアメリカで学ぶべき」と助言を受けたことや、日本の大学受験に失敗したことも重なり、単身渡米を決意しました。現地ではルームメイトと毎日夜中まで語り合って英語を猛勉強し、その甲斐あって、最終的には学部を3番の成績で、1年早く飛び級で卒業することができました。

帰国後は新卒で入社した会社で成果を出せず、9ヶ月で退職することになります。その際、短期離職者に対する日本社会の厳しさを痛感したことがバネとなり、同じ悩みを持つ人を支援するため25歳で第二新卒向けの人材紹介会社を起業したのが、私の経営者としてのスタートです。

そこではSEOやYouTubeなどのマーケティングを武器に、月間最大2,000名の求職者を集めるまでに成長させました。しかし、会社が大きくなるにつれ、私の中に一つの葛藤が生まれました。本来、創業社長は会社のミッションに誰よりも共感し、旗を振り続けるべき存在です。ですが私は次第に、人材紹介という枠組みよりも、その成長の原動力となった「マーケティング」そのものを通じて企業を勝たせていくことに、より強い関心と喜びを抱くようになっていたんです。

「このまま社長として、当初の方向性に乗り続けるべきなのか」と悩みましたが、共に創業した仲間がミッションを強く引き継いでくれていたこともあり、私は自らの情熱に従って別の道を歩む決意をしました。そうして2020年、培ったデジタルマーケティングの技術を全産業に展開し、企業の利益を最大化させるための専門集団として、ナウビレッジ株式会社を創業したのです。

ーー貴社の主力事業とその強みについて教えていただけますか。

今村邦之:
企業の集客から販売までを支援するマーケティング会社として、現在は世界的CRMプラットフォーム「HubSpot」の導入支援に最も注力しています。国内約250社のパートナーのうち、弊社は「トップ4」の一角を占め、Diamondパートナーとして唯一のTOKYO PRO Market上場企業です。

弊社の最大の強みは、ツール導入だけでなく、お客様が自社で使いこなせる「内製化」まで伴走する手厚いサポートです。システム設定やデータベース構築の代行にとどまらず、毎週自社で勉強会を開き最新技術をキャッチアップし、直接レクチャーを行っています。優れた中小企業が高度な技術を自社で使いこなし、利益を最大化する基盤になりたいと考えています。

上場は「目的」ではなく「手段」 未知の扉を開いて見えた新しい景色

ーーTOKYO PRO Marketへ上場された狙いと、その後の変化についてお聞かせください。

今村邦之:
創業2年目を終えた頃、このままではメンバーの増減を繰り返すだけで、組織としてこれ以上の拡大は望めないのではないかという強い危機感がありました。会社の規模を飛躍させるイメージが湧かない中、売上高や利益要件が問われないTOKYO PRO Marketの存在を知り、信用力を高めて営業や採用を強化するために上場を決意したのです。

「上場は手段」とよく言われますが、私は「その扉を開いた先に会社がどう変わるのか見てみたい」という好奇心で飛び込みました。実際に上場を果たしてからは、大手銀行や国立大学法人など、これまで接点のなかった企業様からの問い合わせが急増。業績も大きく成長し、採用面でもほぼ全面的にポジティブな効果を実感しています。

ーー社内の組織文化や制度についてもお聞かせください。

今村邦之:
弊社では社員の自己能力の開発を非常に重視しています。45日に1回のペースで、社員同士がマーケティングやシステムに関する最新情報を持ち寄り、プレゼンを行っています。また、年2回は全社員が資格を取得するルールがあり、学習し続けることが当たり前の環境です。

一方で心理的安全性を高める仕組みとして、創業時から「サンクス会」を実施しています。年数回グループで集まり、面と向かって日頃の感謝を伝え合う場です。チャットではなく直接言葉を交わすことで信頼関係が深まり、相談しやすい組織風土が醸成されています。子どもがいる社員向けの特別有給「キッズデイ」を年6日付与する制度なども設け、働きやすい環境づくりに注力しています。

グローバル展開とM&Aによる事業再生 一流のマーケターが描く未来

ーー今後の組織拡大や将来の事業ビジョンについてお話いただけますか。

今村邦之:
現在約30名の組織ですが、4年後には100名体制を目指しています。事業面では「HubSpot」のネットワークを活かし、海外企業の日本進出支援やグローバル展開など、国境を越えたビジネスチャンスの創出に注力する構想です。将来的には、自社に蓄積された高度なマーケティングノウハウを、会員制サイトなどを通じて無償で社会に還元する計画を立てています。

また、M&Aを通じて、後継者不足で悩む地方の中小企業を引き受けたいと考えています。私たちの圧倒的なマーケティング力があれば、SNSやPR、Web構築を駆使して即座に事業を再生し、V字回復させられるはずです。一流のマーケターへと成長した社員が実力を発揮し、日本中の社会課題を解決する。そんな活気に満ちた未来の景色を描いています。

ーー最後に、求める人物像を教えてください。

今村邦之:
「一流のマーケターになりたい」と強く願い、自ら進んで学び続けられる学習意欲の高い人材を求めています。お客様のビジネスの利益を上げる専門性が問われるため、学生時代に受験勉強やスポーツなどに全力で打ち込み、努力を惜しまない方がマッチするはずです。弊社にはテレアポなどの業務はなく、マーケターになるための技術を学び、実践する機会の全てを用意しました。自分の市場価値を上げ、一流のプロフェッショナルとして成長したいという野心を持った方は、ぜひ私たちの門を叩いてみてください。

編集後記

今村氏の言葉には社員の成長環境に対する圧倒的な自信がにじみ出ていた。「HubSpot」導入支援という確固たる武器を持ちながら、そこで培ったノウハウを海外進出支援や、M&Aによる事業再生へとつなげていくビジョンは非常に夢があり、壮大だ。学習意欲の高いプロフェッショナルたちが集い、日本中の社会課題をマーケティングの力で次々と解決していく。ナウビレッジがこれから築き上げる活気に満ちた未来の景色が楽しみでならない。

今村邦之/1987年鹿児島県生まれ。アラバマ州立大学マーケティング専攻卒業。2012年に第二新卒向けの人材紹介会社、株式会社UZUZを創業し、2020年に退職。同年にマーケティング会社であるナウビレッジ株式会社を創業し、代表取締役就任。2025年4月に東京証券取引所プロマーケット市場に上場。HubSpot領域で国内TOP4のパートナーランクに昇格。東京科学大学大学院にてデジタルマーケティングの講師としても勤務。