※本ページ内の情報は2026年5月時点のものです。

AIの進化により、デジタルマーケティング業界は大きな転換期を迎えた。広告運用の自動化が進み、自社で運用する「インハウス化」のニーズが高まっている。その支援を一貫して続けてきたのが、アタラ株式会社である。「お客様がハッピーになることを突き詰める」と語るのは、代表取締役社長の石永孝士氏だ。彼はエンジニアからキャリアをスタートし、インターネット広告の黎明期から業界に携わってきた。石永氏が目指す、顧客への伴走と仕組み化による第二創業期の挑戦に迫る。

最先端エンジニアからマーケティングの世界へ チームで困難を乗り越える原体験

ーーまずは、社長のこれまでの歩みについてお聞かせいただけますか。

石永孝士:
私は理系の大学を卒業後、2000年にトランスコスモス株式会社へ入社しました。当時はITバブルの時代であり、最先端の技術を扱う企業という軸で就職先を選んだのです。最初はエンジニアとして配属され、入社後わずか3ヶ月でシアトルへ渡りました。現地のエンジニアと共に、ソフトウェアを日本語版にするプロジェクトに携わった経緯があります。当時のアメリカはITにおいて世界で最も進んでいましたし、その環境で仕事ができたことは、私にとって非常に良い経験となりました。

ーーそこから、どのようにしてマーケティングの道へ進まれたのでしょうか。

石永孝士:
当時、ITの進化の速さやエンジニアリングの奥深さを肌で感じる一方で、コミュニケーションを活かした営業の仕事をしたいという思いがありました。そんな中、入社2年目の時に大学の先輩からマーケティングの仕事を教わったのです。営業で成績を出せば希望の部署に行けると言われ、必死に成果を出し、マーケティング部門へ移ることが叶いました。そこで担当したのが、当時はまだ黎明期だった「検索連動型広告」です。実際に運用してみて、世の中を変えるぐらいのインパクトになると確信しました。その後オーバーチュアに転職し、インターネット広告の世界に深く関わることになります。

ーー貴社に参画された経緯を教えてください。

石永孝士:
前任の代表はオーバーチュア時代の同僚であり、25年の親交がありました。3年ほど前、アタラは組織の変革期で非常に難しい局面を迎えていました。私は複雑な状況を整理し、チームの方向性を揃えて進めることが得意だったこともあり、支援のために合流したのです。私はトップダウンで管理するよりも、チームの一員として動くことを重視しています。自分も動きながら方向性を定め、皆で同じ方向を向いて進んでいくスタイルです。厳しい状況であっても、チームで目標を達成した成功体験が私の原動力になっています。

広告運用を教える「プロフェッショナルインハウス化」支援という独自の強み

ーー貴社の事業内容と、他社にはない強みについて教えていただけますでしょうか。

石永孝士:
私たちは、企業のデジタルマーケティングのインハウス化を支援しています。一般的な広告代理店は、広告運用を代行して手数料をいただくビジネスモデルですが、私たちは、広告主が自ら運用できるノウハウを提供し伴走しています。現在、AIの進化により、企業が自社で広告を運用しやすい環境が整ってきました。「デジタルマーケティングのインハウス化ならアタラ」という立ち位置を確立しています。大手から中小まで、自社にノウハウを蓄積したいという企業様から依頼をいただきます。

ーー支援するにあたり、コンサルタントにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。

石永孝士:
自分で運用ができることと、それを教えることは全く次元が異なります。弊社のコンサルタントは広告代理店の出身者が多い傾向にあり、彼らは幅広い業務に携わり、お客様と長く伴走したいという思いを持っています。

私たちは今、個人のスキルを中心に成り立っていた職人集団から移行している最中です。組織として価値を提供する、仕組み化のフェーズへと進んでいるのです。個人の卓越した専門性と、組織としてのチーム力を掛け合わせ、それによって質の高いコンサルティングをご提供できるよう改革を進めています。

常にお客様のハッピーのためにいつでも頼られる『ドラえもん』のような存在へ

ーー仕事に向き合う上で、大切にされている思いについてお聞かせください。

石永孝士:
最も確実なのは、お客様がハッピーになることを突き詰めることです。そのために何が必要かを常に考えようと、メンバーにも伝え続けています。私自身、昔から誰かのために動くことが非常に好きでした。相手をハッピーにして、ありがとうと言ってもらえることが嬉しいのです。それが私だけでなく、会社全体の喜びになれば最高だと思っています。

ーー最後に、今後の展望とこれから一緒に働く仲間へのメッセージをお願いします。

石永孝士:
インハウス化のプロジェクト自体は、通常半年から1年ほどで完了しますが、その後もお客様が孤立して不安にならないよう、伴走できる存在でありたいですね。何か困ったことがあれば、「まずはアタラに聞けばいい」と思い出してもらえる存在になりたいと思っています。以前、お客様から「石永に聞けばドラえもんみたいに何か返してくれる」と言われたことがあります。そのように言っていただけることは、私にとって非常に光栄なことですが、会社全体として、社員全員がお客様にとってそのような存在になってほしいと思っています。

デジタルマーケティング業界は今、かつてないスピードで変化しています。そのため、一つの専門性だけでなく、幅広いアンテナを張ることも重要です。そしてチームで協力し合える環境が、今の時代にはとても大切になります。アタラは今、まさに第二創業期ともいえる変化のタイミングにあり、私たちと一緒に新しい組織をつくり上げ、自律して動ける方をお待ちしています。常にお客様のハッピーのためという意識を持ち、共に歩んでいきましょう。

編集後記

インターネット広告の黎明期から業界に身を置いてきた石永氏。その言葉からは、人を巻き込みチームで困難を乗り越える強い意志が伝わってきた。AIによる自動化が進む中で、同社が提供するインハウス化支援は大きな意味を持つ。それは単なるノウハウの提供ではなく、企業に寄り添い共に歩む伴走支援である。関わる人をハッピーにするという信念を持つ同社は、今後も新たな価値を提供し続けるだろう。そのさらなる展開に、これからも強く期待していきたい。

石永孝士/1976年、佐賀県生まれ。東京理科大学卒業後、国内外の大手IT・広告・EC企業にて、マーケティングや事業開発の組織をリード。支援会社と事業会社の双方で経験を積み、営業・マーケティング・開発を横断した事業推進や組織マネジメント、会社運営に従事。複数社で執行役員・取締役を歴任し、経営と現場の両面に精通。2026年、アタラ株式会社代表取締役社長に就任。