
外部企業のミニアプリ構築やAIを用いたアニメ動画生成など、最先端の技術を駆使して事業を展開するエボラニ株式会社。「スピード感を持って、より多くの人々へ」新たな価値を提供することを目指し、既存のビジネスモデルに変化をもたらしている。創業から現在に至るまで、同社はどのようなアプローチで新たな技術を社会に還元してきたのだろうか。代表の宋瑜氏に、同社のこれまでの歩みと未来への展望、そしてともに働く仲間への熱い思いを詳しく聞いた。
AIで市場を開拓。「スピーディーに、より多くの人が」価値を享受できる世界へ
ーーまずは、現在の主力事業について教えていただけますか。
宋瑜:
私たちは現在、外部企業を中心にさまざまなシステムやミニアプリの構築を支援しています。特に注力しているのが「AnyApps(エニーアップス)」というLINEミニアプリの自動生成サービスです。AIとチャットで会話しながら要望を伝えるだけで、約30秒でLINEミニアプリが生成され、その後の編集まで完結できるツールを提供しています。このミニアプリ生成の領域においては、現在弊社がほぼ唯一のベンダーとしてLINEと連携し、事業を推進しています。
ーー新しい取り組みにはどのようなものがありますか。
宋瑜:
エンタメ領域では外部企業と連携し、コンテンツ事業を展開しています。たとえば小説の分野では、アイデアや企画を入力するだけで、世界観の構成から中身の制作までAIが行う仕組みを構築しています。さらに、これを応用したアニメの自動生成にも取り組んでおり、既存のシナリオを読み込ませるだけでAIが一括で短い動画を作成してくれます。人間が少し編集を加えるだけで、一つの作品として公開できる水準のものが短時間でつくれるようになりました。
ーーなぜ、アニメーションの領域にそこまで注力されているのですか。
宋瑜:
日本のアニメは年間300本ほどの作品が生み出されていますが、その9割以上が赤字だといわれています。アニメ一本をつくるのに、数千万円ものコストがかかるのが現状だからです。しかし、私たちの技術を使えば、同じ時間尺のアニメを10万円程度でつくることができます。既存の高品質な作品とは戦う場所が違ったとしても、速く低コストで商品を出すことが重要です。そうすることで、短い動画配信サービスの視聴者のニーズに応えられます。ストーリー展開が速く、次々と新しいコンテンツが消費される今の市場に、私たちの技術が合致しているのです。CM制作事業も同様で、ストーリーベースの動画を求める声が増えているため引き続き注力していきます。
創業のきっかけと周囲の共感で広がるビジネスの輪

ーーこうした事業を展開するに至った創業のきっかけは何ですか。
宋瑜:
根底にあったのは、世の中にある便利なIT技術が十分に活用されていないという課題感でした。普通の人が使いこなせていない現状を変えたかったのです。だからこそ、私たちが新しい技術を使いやすい形にして提供することを考えました。「技術をいかに速く企業と消費者の両方に還元していくか」を会社としての目標に据えました。
ーー新しい事業を次々と立ち上げる中で、どのような苦労がありましたか。
宋瑜:
アニメ事業などは完全に新しい領域だったため、最初は手探りの部分もありました。しかし、社内に関連事業の経験者がおり、そのつながりで多くの外部企業が協力してくれました。
また、新規開拓のアプローチも、パートナー企業からの紹介で課題を抱える企業をつないでいただくことが多いですね。私たちが良いものを出し、それに対して周囲が協力してくれる。本当に、みんなの共感で今までの活動が成り立ってきているのです。私たちだけの力ではなく、周りの支えがあってこそだと感謝しています。
ーー企業向け事業と消費者向け事業を、今後はどのように掛け合わせていくお考えでしょうか。
宋瑜:
中長期的な目線でいうと、両方のビジネスのサイクルをうまく回していきたいと考えています。消費者向けの事業で得た知見や収益基盤があれば、それを活かして新しいビジネスに挑戦できるでしょう。そうすると企業向けの支援もさらに強固になり、逆に企業向けのビジネスが増えれば、消費者向けのコンテンツの発信先も増えていくはずです。この良い循環を、国内外の外部企業と連携しながら広げていく方針です。
好奇心と誠実さ 若手が躍動しともに成長する組織へ
ーー現在の貴社には、どのような人材が集まっているのでしょうか。
宋瑜:
組織としては非常にフラットな社風です。インターンから入社し、20代のうちから活躍しているメンバーが多くいます。実際に、学生インターンの頃から大型プロジェクトの責任者を任され、実績を出している20代のメンバーもおり、他社では経験できないような実践的な業務に早い段階から本格的に挑戦できる環境があります。
ーー今後、どのような方と一緒に働きたいとお考えですか。
宋瑜:
一番大切なのは「好奇心」です。AIをはじめとする最新の技術や、世の中のさまざまな領域に興味を持ち、自主的に学んでいけるかが重要になります。顧客に提案する営業でも、開発を担うメンバーでも、好奇心がなければ良いものは生み出せません。
また、人間性の部分でいえば、「誠実さ」と「責任感」を持っていることです。新しい挑戦には失敗するリスクも伴いますが、そこに対して誠実に責任を持てる人と働きたいですね。あとは、開発知識がありプロジェクトを牽引できる人がいれば、非常にありがたく思います。
ーー最後に、読者へのメッセージをお願いします。
宋瑜:
AIの進化をはじめ、技術の進歩は非常にスピーディーです。これからの数ヶ月で働き方やビジネスのあり方自体が大きく変わっていくでしょう。その変化の中に取り残されるのではなく、面白がって新しいことに挑戦できる環境が弊社にはあります。技術を通じて社会に価値を還元していきたいという意欲のある方は、ぜひ一緒に働きましょう。
編集後記
最新のAI技術を用いて、スピードとコスト削減を実現するエボラニ株式会社。「技術を速く、広く還元する」というぶれない軸のもと、多角的な事業展開を推し進める宋氏の言葉からは、社会課題の解決に対する確かな熱量が感じられた。彼らの生み出すシステムが、エンタメ業界や企業のIT化をどう変えていくのか。好奇心旺盛な20代のメンバーたちが次にどのような展開を見せるのか、今後の飛躍が楽しみだ。

宋瑜/中国出身。独学でプログラミングを修得し、学生時代に最大150人規模の連続起業を経験。2005年来日後、当時のIT・Web開発企業ドリコム・アーツなどを経て、孫泰蔵氏直下のPMOや起業を行う。10数種類の開発言語を駆使し、日米向けに100を超えるサービスを無遅延で開発した。2014年、ギークス株式会社に参画し、新規事業立ち上げなどでIPOに貢献。2018年にエボラニ株式会社を創業し、LINE・Kakaoの両社から出資を受ける唯一の企業へと成長させた。