※本ページ内の情報は2026年8月時点のものです。

スマートフォン一つで理想の家をデザインできる独自のシステムを武器に、住宅業界に新たな風を吹き込むJIBUN HAUS.株式会社。同社が提供する規格住宅は、価格やプロセスが不透明という業界の常識を覆し、ユーザー自身が納得して選べる「後悔のない家づくり」を実現している。創業から11期目を迎え、全国に100店舗以上の加盟店ネットワークを広げる同社。代表取締役社長の内堀雄平氏に、自身の原体験から生まれた経営への思いと、テクノロジーを活用した未来の展望について話をうかがった。

倒産という原体験が教えてくれた「経営」への興味

ーーまずは、起業を志したきっかけについてお聞かせください。

内堀雄平:
私の家系は、曽祖父の代から大工や工務店を営む建設業でした。幼い頃から漠然と「家業を継ぐのかな」と思っていましたが、小学6年生の時に大きな転機がありました。バブル崩壊の影響もあり、父親の会社が倒産してしまったのです。家も手放すことになり、尊敬していた父親が精神的に弱っていく姿を目の当たりにしました。普通ならそこで経営を嫌いになりそうなものですが、私は逆に「あんなに尊敬している親父でも失敗してしまうほど、経営とは難しく大変なものなのか」と強く興味を惹かれたのです。「自分だったらどう乗り越えられるか」「倒産させずに会社を継続するにはどうすればいいか」と考えるようになり、中高生の頃にはすでに経営者になることを意識し始めていました。

ーー大学卒業後はどのような道へ進まれたのですか。

内堀雄平:
まずは起業に向けた修行の場を求め、新卒で総合不動産デベロッパーに入社しました。大学時代から著名な経営者の本を読み漁り、いずれは独立して起業する腹積もりだったのです。その会社は、説明会で「若いうちから活躍できて、上場も目指せる」と熱く語っており、自分の目標に最適だと思い飛び込みました。しかし、入社した翌年の2008年にリーマン・ショックが直撃しました。不動産業界は大きな打撃を受け、会社の業績も悪化し上場も取りやめとなり、上場を期待していた先輩社員たちがごそっと辞めてしまったのです。結果として、入社して間もない私が現場監督や店長を任されることになりました。休みもほとんどない過酷な環境でしたが、若くして裁量権を持ち、現場から経営に近い業務まで幅広く経験できたことは、今の自分にとってかけがえのない財産になっています。

ブラックボックスを透明化し自分で選ぶ「後悔のない家づくり」

ーー事業の強みは、どのようなところにありますか。

内堀雄平:
2016年に株式会社ジブンハウスを創業し、2021年の社名変更を経て今に至るのですが、私たちが目指しているのは住宅業界の「透明化」です。従来の家づくりはプロセスや価格がブラックボックス化しがちで、お客様はプロに依存せざるを得ない部分がありました。しかし、他人に決められた選択には後悔が残りやすいものです。一方で、選択肢が多すぎる「自由ゆえの不自由」に陥り、決断ができなくなるケースも少なくありません。

そこで私たちは、規格住宅という形をとり、Webサイトやスマートフォン上でプロセスを分解し、価格を明瞭にいたしました。お客様自身が納得して選択できる「家づくりの民主化」を進めているのが最大の特徴です。

さらに、コロナショック以降の働き方の変化や、2021年のウッドショック以降の建築費高騰という背景もあります。適正価格で品質の高い私たちの規格住宅は、これからの時代に最も求められる選択肢の一つだと確信しています。

ーー加盟店である地域の工務店にとっても、メリットが大きいのですか。

内堀雄平:
住宅業界における人手不足は深刻な社会課題です。弊社の仕組みを導入することで、工務店様は営業や設計の手間をデジタルに置き換え、効率化を図ることができます。その結果生まれた余裕を、お客様へのより良い提案や、作り手自身の豊かなライフスタイルを楽しむ時間に使っていただきたいのです。作り手である私たちが暮らしを楽しんでいなければ、お客様に良いライフスタイルは提供できませんからね。

「暮らしを変える未来」へ 新しい歴史をつくる仲間とともに

ーー今後の展望をお話いただけますか。

内堀雄平:
弊社は「暮らしを変える、未来をつくる」というビジョンを掲げ、家という「箱」を提供するだけでなく、人々の「暮らし」そのものに関わっていきたいと考えています。JR東日本グループ様の「Beyond Stations構想」(※)の取り組みもその一環で、駅という交通インフラを暮らしの接点に変えていくという考えに共感し、タイアップさせていただきました。今後もこういった異業種との連携を通じて、地域社会をよくしていくような取り組みを広げていきたいです。

(※)Beyond Stations構想:JR東日本が推進する、駅を「単なる交通の拠点」から「生活の豊かさを生み出す暮らしのプラットフォーム」へと転換する計画。

ーー最後に、どのような方と一緒に働きたいとお考えですか。

内堀雄平:
弊社のバリューに「じぶんらしさ」「まっすぐ」「あそび」という3つのキーワードがあります。会社に依存するのではなく、自分がやりたいことを見つけられる環境を楽しめる人。そして、お客様や仲間に対して誠実にまっすぐに向き合える人です。さらに、私たち自身がライフスタイルをデザインする会社ですから、自分の趣味や遊びを大切にし、人生の余白を楽しめる方と一緒に働けたら嬉しいですね。

編集後記

JR東日本との連携に見られるように、異業種とのパートナーシップを通じて「暮らしの接点」を広げ、地域社会の活性化にも貢献していく構想には、大きな可能性を感じさせる。テクノロジーの力でブラックボックス化していた住宅価格やプロセスを透明化し、お客様が納得して選べる「後悔のない家づくり」を普及させること。そして、10年後もその先も、社会の変化に柔軟に対応しながら、「暮らしを変える未来をつくる」というビジョンのもと、関わる全ての人が幸せを実感できる企業であり続けること。その「しなやかな強さ」を持った挑戦は、日本の住宅業界に新たなスタンダードを築き上げていくことだろう。

内堀雄平/1984年、東京都出身。総合不動産デベロッパー勤務後、2016年より株式会社ジブンハウス(現・JIBUN HAUS.株式会社)の取締役に就任。2020年5月より同社代表取締役社長に就任。「家はスマホで買う時代」をテーマに住宅フランチャイズの全国展開に注力している。