※本ページ内の情報は2026年10月時点のものです。

中小企業の資金調達において、売掛金を早期に現金化する「ファクタリング」。株式会社ビートレーディングは、この仕組みをいち早く日本に定着させたパイオニアとして知られている。代表取締役の佐々木英世氏は、20代の若さでビジネスフォンやパソコン教室の営業で全国トップの営業成績を収め、数々の拠点を再生に導き、およそ300社にのぼる銀行系列企業の解散や債権管理を任されるなどの経験を経て同社を立ち上げた。「新卒のときから自分が社長だと思って仕事をしていた」と語る当事者意識と、徹底したWeb戦略で業界を牽引する同氏のこれまでの歩みと、次なる展望に迫る。

「私が社長」の視点で挑んだ組織再生と金融業界との出会い

ーーまずは、ファーストキャリアについてお聞かせください。

佐々木英世:
最初のキャリアは、通信機器が普及し始めた時代に入社したOA機器販売会社です。そこでは営業として働いていたのですが、当時は毎日人が辞めていくような非常に厳しい環境でした。しかし、私はそれが当たり前の世界だと思い、黙々と飛び込み営業を続け、その結果、20代にして全国トップの成績を収めることができたのです。また、法人営業部門へと移ってからは、高額なビジネスフォンやPBX交換機を扱い、その中でも全メーカーのなかで全国1位の売上高を達成することができました。

ーーその後はどういったご経験をされましたか。

佐々木英世:
パソコン教室を展開する株式会社アビバに入社し、新規拠点の立ち上げから複数エリアの立て直しまで幅広い経験をしました。具体的には、新規拠点の立ち上げメンバーとして赴任した際は短期間で全国1位の実績を上げたり、その手腕を買われて一般社員からいきなり本部長として九州エリアを担当していたこともありました。その後は、中四国、神奈川と、当時業績が低迷していたエリアの再建を次々と任され、無事に立て直すことができました。

私自身、このような結果を出せたのは、新卒の頃から常に「自分が社長だ」と思って仕事に向き合っていた当事者意識が大きかったと考えています。その影響から周囲には貫禄があるように見えていたのか、新入社員だったにもかかわらず先輩のほうから挨拶されることもありましたね。当時の上司にも経営視点での意見を積極的にぶつけており、こういった主体的な姿勢が、結果的に数々の立て直しを成功させる原動力になったのだと思います。

ーーそこから、金融業界へ足を踏み入れることになった経緯をお聞かせください。

佐々木英世:
上場を目指す古物商の会社に役員として入社した直後、その会社が銀行に買収されるという大きな転機がありました。その後、銀行から元の会社の立て直しを任されて、それを成功させると、その実績が評価され、今度は国の管理下に入ったおよそ300社にのぼる銀行系列の会社の社長として、各社の解散や清算という重責を担うことになりました。そこで目の当たりにしたのは、黒字の会社にしかお金を貸さないという銀行のシビアな姿勢でした。「融資を受けられない中小企業の経営者はどうやって資金繰りをしているのだろう」と強く疑問に思ったことが、現在の事業の原点につながっています。

ファクタリングのパイオニアがこだわるWeb戦略と組織力

ーー現在、貴社ではどのような事業を展開されているのですか。

佐々木英世:
お客様の売掛金を買い取り、本来の入金日よりも早く現金化するファクタリングサービスを提供しています。弊社を創業した当時はこの仕組みがほとんど知られていなかったため、まさに時代のニーズにマッチして大きな反響を呼びました。融資を受けられない企業でも、売掛金があれば当日に資金を調達でき、資金繰りが大幅に改善されます。私たちはこの事業のパイオニアとして、資金繰りに悩む多くの中小企業を支援し続けてきました。

ーー競合他社が台頭する中で貴社が業界をリードし続けられる秘訣は何だと思われますか。

佐々木英世:
創業当初から一貫してWebマーケティングにこだわってきたことと、圧倒的な組織力です。かつては人海戦術による飛び込み営業が主流でしたが、私は20代の頃の経験からその非効率さを痛感していました。そのため、いち早くWeb集客に着手し、Webマーケティングに資金を投じてきました。今もSNSや動画コンテンツを活用して新規顧客の開拓を強化しています。また、デジタル化によるスピード感と、お客様に迅速に対応できる強固な組織力も私たちの大きな武器です。

ーー既存のお客様との信頼関係はどのように育んでいらっしゃいますか。

佐々木英世:
オンラインで完結する取引が増える一方で、人と人とのコミュニケーションを非常に大切にしています。Web上での効率的な新規開拓を進める半面、電話での対応や大口のお客様への直接訪問も含め、アフターフォローを徹底しています。お客様に「ビートレーディングなら安心だ」と思っていただけるようにするためです。便利な仕組みを提供するだけでなく、信頼関係をしっかりと築くことで、リピーターとして長くお付き合いいただける体制を整えています。

メリハリのある組織づくりとAI活用で目指す日本一

ーー社員が実力を発揮できる環境づくりへの取り組みにはどのようなものがありますか。

佐々木英世:
弊社は離職率が低いのですが、それを実現できている背景には、プライベートと仕事をしっかり分けるメリハリのある組織づくりを意識していることがあります。年間120日以上の休日があって、残業時間も平均4.7時間と少ないので、プライベートの時間もしっかり確保できます。頑張りにはボーナスでしっかり還元する給与体系も設けており、働きやすい環境づくりに努めています。

ーー最後に、今後の展望をお聞かせください。

佐々木英世:
「ファクタリングといえばビートレーディング」と言われるような、日本一の会社にすることが最大の目標です。具体的な数字としては、月間の買い取り額100億円を全社で目指しています。また、近い将来はAIがビジネスの中心になると考えており、AIを駆使した自社システムの開発も視野に入れています。今後も、ファクタリング会社として進化を続けながら、圧倒的な利便性と安心感をお客様に届けていきます。

編集後記

厳しい営業現場からキャリアをスタートさせ、若くして数々の実績を築き上げてきた佐々木英世氏。最も印象に残ったのは、新卒時代から「自分が社長だ」と信じて疑わなかったという圧倒的な当事者意識だ。飛び込み営業への課題を身をもって知るからこそ生まれたWeb戦略への強いこだわりや、社員の働きやすさを尊重する柔軟な組織づくりには、現場を知り尽くした経営者ならではの深い説得力があった。「ファクタリングといえばビートレーディング」という熱いビジョンが現実となる日は、そう遠くないはずだ。

佐々木英世/1971年4月3日生まれ。OA機器販売会社で営業として全国トップの実績を挙げ、26歳で副社長に就任。その後、パソコン教室を展開する株式会社アビバに入社し、九州・中四国・神奈川エリアの再建を成功させ、全国事業本部長を歴任。銀行傘下企業では社長として黒字化を実現し、国の管理下への移行を機に独立。古物商・金融・Webを融合した事業を構想し、ビートレーディング創業の礎を築いた。2012年株式会社ビートレーディングを設立。