―急成長を実現させた2つの転機―
【ナレーター】
その後、業績は順調に伸び続けたが、2008年、リーマン・ショックという大きな試練がその勢いを阻んだ。
【河野】
貸会議室が、本当に一瞬のうちに5億円くらいキャンセルが出まして、1か月に1億円の赤字が出ました。初めての赤字がいきなり1億円の赤字だったのです。株主も株の買い取り請求をしてくるくらいで、これはもう耐えきれないという体験をしました。その時にアメリカのニューヨークに行ったところ、やはり資本市場の厚さを感じて、マーケットも戻るだろうし、勝負は東京以外にもあるということに気付かされたのです。そこで海外を意識するようになりました。
【ナレーター】
苦境を乗り越えた河野は2011年、新たに2つの事業を展開。この2つの事業がティーケーピー急成長の足掛かりとなる。
【河野】
まず1つは、東京以外、海外にもマーケットがあると思っていましたので、ニューヨーク、そしてアジアの市場に参入すると決めたのが震災の後になります。そしてもう1つは、震災があったので、イベントがどんどん自粛し、イベントホールやホテルの宴会場などがあまり稼働しなくなったのです。そこをティーケーピーが企業専用の会場、バンケットホールに変えていくというところに、私は着眼しまして、そこに進出をしていきました。
今まで我々は貸会議室をお貸しして、弁当やケータリングといったサービスは外注していたのですが、その時にホテルの厨房や料理人、音響、映像のサービス、そういうサービスマンも内製化することができましたので、単なる貸会議室ビジネスから、付加価値を付けた料理や弁当、ケータリング、音響、映像、レンタルといった事業への展開が可能になりました。
ここ数年はさらにそこに宿泊施設を付け加えて、ティーケーピーがトータルで会議をプロデュースする、そういったところに出ていくことになりました。最近ではイベントプロデュースの会社もM&Aさせていただき、とにかく会議、イベントに関わる全てのことをティーケーピーは提供できると、そういったソリューションを持つということに至っております。
経営者プロフィール
氏名 | 河野 貴輝 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1972年10月13日 |
出身地 | 大分県 |
会社概要
社名 | 株式会社ティーケーピー |
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本社所在地 | 東京都新宿区市谷八幡町8番地 TKP市ヶ谷ビル2F |
設立 | 2005 |
業種分類 | 不動産業 |
代表者名 |
河野 貴輝
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従業員数 | 1,612名(2024年2月末現在)※時給社員・パート等臨時雇用者を含む |
WEBサイト | https://www.tkp.jp/ |
事業概要 | フレキシブルスペース事業、ホテル・宿泊研修事業、イベントプロデュース事業、BPO事業、料飲・バンケット事業 |