マネックス証券株式会社 ネット証券業界初の女性社長が見据えるマネックス証券の未来像 マネックス証券株式会社 代表取締役社長 清明 祐子  (2019年9月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】

マネックスグループに入社したときの会社と創業者の松本氏の第一印象について伺ってみると、意外な回答が返ってきた。

【清明】

入社したときのことですか?印象がなかったことを覚えています(笑)言って良いのかわからないですけども(笑)

松本の名前は知っていました。でも、松本大のことをすごく尊敬しているとかそういうのはなかったです。

松本とも面接のときにきっと1度会っているのですが、あまりそういう感じではありませんでしたね(笑)

【ナレーター】

物怖じせず、はっきりした性格の清明は、創業者の松本氏の信頼を得て、2011年にマネックス・ハンブレクトの代表に就任。

累積損失解消というミッションを与えられ、わずか2年後に解消し黒字化に成功。その実績をかわれた清明はマネックスグループの企画部門へと異動した。

直近で手掛けた案件は、当時話題となったコインチェック株式会社の買収だ。知られざるその裏側に迫った。

【清明】

2018年の3月中旬くらいに「少し相談がしたい」というふうに、今のコインチェックの創業者である和田さんと大塚さんから話がありました。ですから考えたのは3月中旬からなんです。

すごくタイトな時間で検討する時間もあまりない中で、今代表の松本と一緒に、それこそ二人三脚で進めていきました。

外の方々もメディアの方々も含めて、「あの案件、どうなるんだ?誰が検討しているんだ」と関心を持たれていたとのことですが、実は誰も知らないところで私たちが検討していて。

ぽんと世の中に出たとていうことで、色々な意味で非常に衝撃的だったと思いますし、私の中でも象徴的な忘れられない案件でした。

私は、M&Aにずっと携わってきましたが、あんな案件はもう過去にもこの先にもないのではと思いますね。

【ナレーター】

コインチェックの買収から1年後の2019年4月、マネックス証券株式会社の代表取締役社長に就任。常に決断が早い清明が悩んだこととは。

【清明】

私は証券業界に長くいるわけではないので、私にできるものかわからなかったんです。果たしてそれで社員のみんなやお客様にとって良い選択なのかというのが、わからなかった。

当時は、どう運営して良いのかもわからなかったのもあって悩んだのですが、経営というのは「これが絶対正しいです」という答えはないですよね。

人生も同じで、「この選択をしたら絶対に正しい」というのは無くて、結局選択した後にどういうふうに進めていくかによって結果はだいぶ違うというのがあると思いますので、せっかくいただいたお話なので覚悟を決めて次につなげていくことだけを考えようと思い、「お引き受けします」と答えた感じでしたね。

【ナレーター】

顧客のニーズに寄り添うサービスとは何かを常に考え、提供し続けるマネックス証券。

強みのひとつである米国株の取扱銘柄数に関しても、その考えの元、金融業界では困難と言われていた基幹システムそのものの内製化に取り組み、実現したものだ。

【清明】

20年間、新しい技術を取りいれたサービスを提供するなど、そういったことにずっと注力しています。そんな中で今、米国株が他社様よりも勝るとも劣らないと思っています。

サービスもそうですし、銘柄の数、あとはスマートフォンのアプリがあるといったことなど、そういったところでも強みがあると思っています。

やはりドル資産、米国株というのは、今の市場や今後の資産形成を考えたときにポートフォリオの一つとして持っていたほうが良いものではないかというのを、何年も前から考えて、開発をしてきました。

今に立って未来を見据えて何が良いのかということを、今よりちょっと先ではなくて、少し先の未来までも考えた上でサービスを考えているというのが違いかなと思います。

それから、私たちは基幹システムが内製化システムになっています。これも大変苦労したのですけども、他社様に頼っているシステムだと、お客様のニーズをいただいて、こういうものをしたいという企画を考えて、そしてこういう開発をしてくださいというように、時間もお金もかかってしまう。

そうではなくて、お客様がお求めになるものを自分たちらしい形でサービスとしてご提供したいというところから、大変ではありましたがシステムの内製化を実現しました。

常にこの20年間、先を見据えて何が求められるのかということを考え、単純に商品を並べるだけではなくて「こういうような形で資産形成、資産運用されたら良いのではないでしょうか」という情報提供にも力を入れてきていますね。

【ナレーター】

マネックスグループ創業者、松本氏の想いを受け継ぎ、清明が見据えるマネックス証券の未来像とは。

【清明】

そもそも金融や証券会社というのは、少し怖い感じありますよね。そういったところから怖さをなくすことは難しいかもしれませんが、しっかりと何が怖くて、何だったら理解できるのかという、そこの分岐点というのはきっとありますから。

そこのところしっかりとご説明して、安心して私たちのサービスをご利用いただける。そんな風にしていきたいなと思います。

正直、真剣に心から従業員の皆さんはすごいなと思っています。

その提案をそのまま外にアウトプットとして出せれば良いアイデアですし、お客様にも喜んでいただけるのではないかというアイデアがとてもたくさんあります。

そういうアイデアをしっかりと拾って出していって、みんなが活躍できる場をつくっていくのが私の仕事なのかなと思っています。

【ナレーター】

社長として奔走する傍ら、山登りやマラソンなど多くの趣味を持ち、プライベートも充実している清明。

ビジネスとは無関係な趣味を通じた交流の中にあるヒントを逃さずビジネスに生かそうとする清明の姿勢は、新たなネット証券会社の形をつくってくれることだろう。

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経営者プロフィール

氏名 清明 祐子
役職 代表取締役社長
生年月日 1977年9月
出身地 大阪府
座右の銘 「馬には乗ってみよ 人には添うてみよ」
愛読書 貞観政要
尊敬する人物 両親
略歴
2001年、三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。 2006年にMKSパートナーズに参画。 2009年、マネックス・ハンブレクト(現マネックス証券)入社。 2011年に同社代表取締役社長に就任。

2013年に転籍し、グループ常務執行役やマネックス証券副社長執行役員などを経て、2019年4月より現職。

会社概要

社名 マネックス証券株式会社
本社所在地 東京都港区赤坂1丁目12番32号
設立 1999
業種分類 証券、商品先物取引業
代表者名 清明 祐子
従業員数 380名(2023年6月30日現在)
WEBサイト https://www.monex.co.jp/
事業概要 オンライン証券会社
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