【ナレーター】
単価改定という大プロジェクトを成し遂げた森實は、2002年、28歳で代表取締役社長へ就任。しかし、就任早々に代表という役職の重さに苛まれることとなる。
【森實】
正直に言えば体調も悪くなっていたし、頭にちょっと禿ができたり胃が悪くなったり色々ありましたよ。
社長になる前に平取締役でいた1年があるんですけども、「もっとこうするべきではないですか」と会社としての意見は言っていました。
しかし、社長になってしまうとそれが即命令になるわけではないんだけれども、社長がこう言っているからこれで決まりだ、みたいなことになってしまうこともあるんですね。
ですので、こんなことを簡単に言っていいのかというようなプレッシャーも結構あったりしました。お客様にもやっぱり会社を代表している身として、こんな発言をしていいんだろうかと思うことは結構ありましたね。
【ナレーター】
自身にとって過酷とも言える環境下で、なぜ続けることができたのか。森實の原動力となったタマディックへの想いとは。
【森實】
この会社にお世話になって生まれてきて育ってきているんですね。
父が亡くなって社長として社員に接するようになって、会社の中に入ってみたら非常に真面目で誠実で優しい機械好きな社員がいっぱいいて。この会社はもっと良くしないと嘘だろうって思っていて。
これだけ何不自由なく育ててもらって、この会社のみんなに恩返ししないのはないよねという思いは元々あって、そこは非常に強いところだと思います。
この会社をより良い会社にするのが当たり前なんじゃないのと思ってやっていたというのは当時ありました。それができる会社だと思ったんですよね。数年やって見てみて、良くなれる要素がたくさんあるだろうこの会社はと思いました。
もしその時に思っていなかったら、誰かに売却しようとかそういうことを考えていたかもしれない。この会社は良いものがたくさんあるから、もっと良い会社にできると思ってやっていましたね。
【ナレーター】
総合エンジニアリング企業として自動車事業、航空・宇宙事業、FA・ロボティクス事業など、日本のものづくり産業の未来を担う事業を数多く手掛けるタマディック。自社の強みと特徴について、森實は次のように語る。
【森實】
設計エンジニアリング系の会社というのは派遣形態の会社が多いですけれども、その中では少し異質でして、8割方がお客様から依頼を受けたり委託を受けたりして、我々の責任で仕事をしてお納めするというスタイルでやっている設計エンジニアリングの会社です。
ひとつひとつの仕事の中身は、特に難しいこと、新しいことに挑戦させていただくという方針でやっていまして。そこが当社の強みだなと思っています。
新製品の開発みたいなこともやっていますし、その製品、開発したものをいかにつくるか。いかにつくるかの時に製造工程の検討をお客様と一体になって提案する。
そのものを現実的につくっていくというところに特化したエンジニアリング会社と認識しています。
後当社は全体の2割くらいは製作物、製作して物をつくり設備をつくるところまでつくってお納めするというのがあるのも特徴的なところだと思います。
元々は設計を任せていただいたり、生産技術を任せていただいたりというのが当社のスタイルだったんですけれども、「どうせならわかっているんだからつくるところまでやってくれ」という意見が出てきまして。
実際、我々は工場を持っていませんのでパートナー会社につくっていただくんですけれども、設計や品質管理は当社のエンジニアが行ないます。
パートナー会社につくっていただいて設備をお客様にお納めするような、それが2割くらいあるというのも大きな特徴かなと思います。
【ナレーター】
2020年に起こったコロナ・ショックの影響で、社会全体が変革をしていく今こそタマディックの真価を発揮するチャンスだと森實は言う。
【森實】
人口が減ったりしていることと合わせて自動化だとか、NEV(新エネ車)だとかロボット化、こんなところで社会に貢献できることってとてもたくさんあると思っていて。その分野を狙っていくのが今面白いところだと思っています。
我々の仕事のいいところは、社会が変わろうとし続けると常に忙しいんです。
変わらない、同じものを連続してつくり出すようになってくると、我々みたいな設計開発の会社というのは仕事が減っていってしまう。
菅首相も2050年にはカーボンニュートラルにすると仰っていたりだとか、社会をつくり変えようということになったんですね。
この社会をつくり変えようという一大事業にエンジニアリングとして貢献していくというのが我々の大きなテーマだと思っていますね。非常に面白い時代がやってきたなと思っています。
【ナレーター】
日常の業務にも斬新な着想を得て欲しいという思いから、2020年5月、世界で活躍する建築家、坂 茂(ばん しげる)氏設計の元、新オフィスビル「タマディック名古屋ビル」の着工を開始。その特徴と魅力に迫った。
【森實】
全体が木質でできているというのがこのビルの大きなテーマだと思います。
私は建築のことは素人ですけれども、日本は木造の国でしょと思っているんです。法隆寺からずっと木でつくってきた国なんじゃないのかと。
これが世界的に優れていることが日本なんじゃないのって思っているのに、日本に木造の建築物で新しいものがないと、すごくそれは寂しいことだなと思ったこともあって、坂先生と話している時に、もしやれるのなら木造も含めてぜひ検討してくださいというお願いをしたというのがそもそもあります。
木質でできている8階建てのビルだというのは非常に大きな特徴だと思っています。
【ナレーター】
タマディック名古屋ビルの最上階にはフィンランド式のサウナを設置予定だという。フィンランド政府から任命を受けているマスター オブ フィンランドサウナである森實が語る、サウナの魅力とは。
【森實】
私が一番良いなと思っているのは自己管理ツールとして素晴らしく良いと思っているんですね。
サウナはとにかく精神的な疲れ、肉体的な疲れを短時間でほぼゼロぐらいまで回復できるというのがあって。
サウナが終わってちゃんと水風呂に入って、自分の自律神経をちゃんとコントロールしてあげると、例えば8時間、人に会ってしゃべり続けた後って大体みんな疲れきっていると思うんですけれど、それがあっという間にリセットできるんです。
働きながら職場のすぐそばで1時間ぐらいの時間を取れればもう1回100%の自分に戻れるというのはすごく魅力があります。忙しい方、経営者やスポーツ選手や芸能人などにファンが多いのがよくわかります。
-視聴者へのメッセージ-
【森實】
タマディックは60年間、日本のものづくりを支える企業として頑張ってまいりました。
今後も社会の変革を支える、それに貢献できるエンジニアリング企業として取り組んでまいりたいと思います。タマディックの今後にご期待ください。