Vol.1 東京での就職を伝えた父からの予想外の返答
株式会社島精機製作所 代表取締役社長 島 三博 (2018年11月取材)
【ナレーター】
トレンドの移り変わりや新技術の開発など、目まぐるしく変化するファッション業界。近年ではファストファッションの台頭で、多くの衣料品が街中に溢れている。
そんな中、世界トップレベルの技術力を武器に、ファッション業界にメカトロニクスの分野から革新を起こそうとしている企業がある。株式会社島精機製作所だ。
かつて誰も成しえなかった手袋編み機の全自動化に成功して以来、様々な新技術を開発。現在、コンピュータ横編機のリーディングカンパニーとして、テクノロジーで業界を支え続けている。特に、無縫製ニットを製造するホールガーメント横編機は、針の開発から編機の構造まで独自に開発し、世界各国でその存在感を際立たせている。
数多くの「世界初」を生み出してきた島精機製作所。創業者からバトンを受け継いだ2代目社長の、世界規模の挑戦に迫る。
―東京での就職を伝えた父からの予想外の返答―
【ナレーター】
幼少期からものづくりが好きだったと語る島。水中を歩くための道具作りから始まり、中学・高校・大学時代はコンピュータやオーディオスピーカーなどを自作。
大学卒業間近にはソフトウェアにも関心を持ち、勉強のため東京でソフトウェアの開発を行っている企業へ就職する考えを父親に伝えたところ、思わぬ答えが返ってきた。
【島】
逆鱗に触れてしまいました。「ほかの世界も見て、自分自身でステップアップしたいんだ」という話をしても、やはりなかなか受け入れられませんでした。
「そこまで言うんだったら親でもなければ子でもない」という話になりまして、勘当されてしまったのです。
その後、就職活動してその年の5月の連休明けに新しく住むところと就職先を見つけました。東京の秋葉原にあるシステム開発会社で、30人くらいのベンチャー企業です。
5月の連休明けに入社して、6月末納期の仕事をいきなり振られたのです。「えっ⁉」と思いました。
2ヶ月しかない。ソフトをつくったこともない。「これはどうしようか」と思いましたが、ソフトウェアの作り方というような本を買ってきて、必死に勉強しました。
社長プロフィール

氏名 | 島 三博 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1961年6月23日 |
座右の銘 | 創造 |