株式会社島精機製作所 世界が認めた“革新的編み機”の全貌と二代目社長の新たな挑戦 株式会社島精機製作所 代表取締役社長 島 三博  (2018年11月取材)

Vol.2 大きな糧となった2つの学び

インタビュー内容

―大きな糧となった2つの学び―

【ナレーター】

勘当後、東京で働いていた島だったが、父親が代表を務める島精機製作所が東京支店を立ち上げることになり、その立ち上げへの参画を要請され、これを受託して父親と和解。

それからわずか2ヶ月で、ゼロからニット製造のノウハウを学び、支店長とともに東京支店をオープンさせる。当時はデザインシステムの販売とメンテナンスを主な事業としていたが、当時のデザインシステムのモニターは色の再現性が低く、アパレルのデザインで使用が難しかった。

そのため、モニター画像をそのまま使える放送局で、ニュースタイトルやロゴの制作で活用しながら画質の精度を高めようとした。その中で島が得た学びとは。

【島】

当時その放送局でメンテナンスをしていたときに、夜中に呼び出されまして、「画面がちょっとちらつく。これを何とかしろ」と言われました。「これはちょっと無理だな」と思ったのですが、そんなときにどういう知恵を出せるかというところが大事なのだろうと思いました。

「無理だ」と思ったときに諦めてしまうのは簡単ですが、それならばどうするかという知恵を出すということができれば、壁にぶち当たった時に前向きに進めるのかなと。それは誰も教えてくれなかった。

逆境に追い込まれると人間って知恵が出てくるのかな、と思いました。

【ナレーター】

本社を構える和歌山県に戻ったあと、島が開発部門とデザインセンター部門の責任者に就任。

この経験を経て組織の力の重要性を改めて認識したという。

【島】

ガバナンスの中心になっているのはやはり人です。人のそれぞれの能力、あるいはまたリーダーシップであるとか、そういうものをどうやって育てて行くのかということをその時に学びました。

それが一番根底にないといけない。何があってもすぐ対応できる形をどうやってとっていくのかということが、非常に勉強になりました。

やはり、部下の話に耳を傾けるというのが一番大事ではないかと思います。間違ったことを言う場合も当然あると思いますけど、なぜこの人がそういう発言をするのかということを、やはり理解してあげる必要がある。

理解した上で間違いを正す場合は、「私は理解しましたよ」というのをアイコンタクトでわかってもらって、なおかつ「こうしたほうが良いのではないか」や、「こういうふうに修正した方がもっとうまくいくよ」というようなアドバイス、コミュニケーションができる人材をもっともっと増やしていかないといけないと思っています。


経営者プロフィール

氏名 島 三博
役職 代表取締役社長
生年月日 1961年6月23日
座右の銘 創造

会社概要

社名 株式会社島精機製作所
本社所在地 和歌山県和歌山市坂田85番地
設立 1962
業種分類 機械器具製造業
代表者名 島 三博
従業員数 1,346名(連結従業員数1,789名)
WEBサイト http://www.shimaseiki.co.jp/
事業概要 コンピュータ横編機、デザインシステム、自動裁断機、手袋靴下編機などの開発、製造、販売
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