三谷産業株式会社 創業90年越えのベンチャーを宣言する4代目経営者の挑戦 三谷産業株式会社 代表取締役社長 三谷 忠照  (2021年6月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
その後、キャリアを重ね2017年に代表へ就任。知られざる当時のエピソードに迫った。

【三谷】
2世・3世の経営者やベンチャー経営者など、色々なタイプの方とお会いしました。共通して持たれているのは、つまり(成し遂げる上で大事なのは)覚悟があるかないかですね、ということでした。

自信や不安というのは多分どちらも妄想みたいなもので。覚悟があるかないかだということに気づき思い立ったと言いますか、そのように父に話をしたら「そうか、わかった。じゃあ来年から社長をやりなさい」と言われまして(笑)。

覚悟を決めていたので、何を言われてもたじろがないつもりだったんですけれど「すぐやれ」みたいな(笑)。それはさすがに驚きましたね。

【ナレーター】
社長就任後に注力した取り組みのキーワードとして、“イノベーション”を挙げた三谷。その真意とは。

【三谷】
考えに至ったのが、事業と事業の重なるところをしっかり見出していこうと。

イノベーションというと新結合と訳されることもありますけれど、既存のなにかと既存のなにかの新しい組み合わさり方。

これが新結合でありイノベーションだとすると、どの事業部もそのイノベーションに必要なものの片方をもう持っているわけですよね。

なにかと組み合わさったとき、もしくは違う考え方と、違うものの見方でそれを見たときに、全く違う価値を見出すことができるかもしれないと。

そういうことを推進していくというのが、自分が社長になる前後ぐらいからのメッセージですかね。

セミオープンイノベーションこそ我々の取り組むべきことですよねと宣言していたときがありまして。

自社の中、それから自社のお客様、既に仲間意識が持てるぐらいの関係である取引先様と一緒に、なにか新しい価値を生み出していく。

たとえば情報システムの事業部で化学品のお客様の会社と一緒に、化学品タンクのIoTを実験してみるなど、そういうお客様にとっても、新しいコンセプトや新しい価値を一緒につくっていくというのは、我々にとってもますますエキサイティングで面白いですよね。

【ナレーター】
三谷産業が目指す未来像について、三谷は次のように語る。

【三谷】
とりわけ新事業においては、(これまでは)トップダウン的だったのではないかなと思いまして。

未来に向けてはよりボトムアップ的に、社員の方から「こういうチャレンジがしたい」とか、「こういう新しい事業どうですか」というようなアイデアがしっかりと集まってきて、「君がそこまで言うのであればしょうがないね」という企業風土にしていきたいです。

自分が100%理解できる内容や理解できる領域ではなかったり、あるいは100%賛同できるものではなかったりするかもしれません。

しかし熱意があって、挑戦できる、会社としても応援できる内容であれば、ボトムアップの新しいアイデアというのをたくさん採用していく。そういう会社で在りたいと思いますね。

【ナレーター】
2021年に新たに策定された“良い会社”で在り続けるための非財務的経営指標「Company Well-being Index」。この指標に込めた想いとは。

【三谷】
少なくとも、業績目標以外にも大事なことがあるということが、三谷産業の自社のスケール感では発信ができているかなと思いますし、他の会社がどういう反応をするかとかよくわかりませんが、「私たちはこういう形で評価されたいんです」ということが、言葉にできる。

それをちゃんと世の中に発信して、社員・役員・取引先・地域社会・地球環境と、調和し続けられる会社になっていく。

そのための目標と、予実管理がしっかりとなされているというのがこれからの挑戦かなと。

業績だけではない大事なものを経営目標として追求していきたい一方で、SDGsのような誰かの考え方に束ねられることをあまり望まないというような発信の仕方をしていますので、それはすごく怖いことでしたね。

でも違う意見が言えることがイノベーションを起こす第一歩じゃないかとも思うんですよ。

ですので、違う意見を会社の中でも異論を持てる会社で在りたいし、会社自身としても、社会に対して「我々はこう思う」と言える社会だといいなと思います。

【ナレーター】
お客様にとっての最適を追求し、人々にとって“良い会社”で在り続けるべく、三谷産業の挑戦は続く。

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経営者プロフィール

氏名 三谷 忠照
役職 代表取締役社長
生年月日 1984年6月20日
出身地 石川県
座右の銘 なし(大切にしている言葉はいくつもあるのですが、文脈次第であることと、一つに絞れないことと、年齢的にも"座右"というほど永年大切にしている言葉が無い方がまだ自然かなぁと思うことから。明日には考え方が変わってしまっているかもと思いながら生きています)
愛読書 呉兢『貞観政要』
尊敬する人物 原丈人氏
略歴
2009年、慶應義塾大学経済学部を卒業。同年米国のベンチャーキャピタル「DEFTA Partners」にアナリストとして入社。2010年同社アントレプレナーインレジデンス(社内起業家)として、シリコンバレーで2社の起業経験を有する。

2017年当社代表取締役社長に就任。

会社概要

社名 三谷産業株式会社
本社所在地 石川県金沢市玉川町1-5
設立 1949
業種分類 卸売業
代表者名 三谷 忠照
従業員数 (連結) 3,606名 / (単体) 595名(2023年9月末時点)
WEBサイト https://www.mitani.co.jp/
事業概要 情報システム関連、樹脂・エレクトロニクス関連、化学品関連、空調設備工事関連、住宅設備機器関連およびエネルギー関連事業
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