【ナレーター】
その後、大手ウェディング会社へ入社し、当時グループ会社であった旧株式会社パートナーエージェントの代表へ就任。事業譲受を経て、2015年に東証マザーズへ上場し2020年にタメニーへと商号変更を果たした。
多くの変遷を遂げ成長してきた中で佐藤が何よりも大事にしているのが組織風土だ。その理由について次のように語る。
【佐藤】
組織風土は、人が生きていく上での地盤みたいなものです。植物でいうと、土壌みたいなもの。
どんなに能力や経験があっても、沼地で仕事をしても速い速度で走れません。逆に能力や経験がさほど大きくない人でも、働く環境が素晴らしければ、能力を活かしたり伸ばしたりできます。
なによりも社員・仲間を大事にし、社員同士を大事にする。この組織風土づくりを一番大切にしているところです。
【ナレーター】
仲間を大事にするという組織風土の醸成において、佐藤自身が工夫しているあることとは。
【佐藤】
店舗を訪問するときは、組織図と写真を見てなるべく全員を名前で呼ぶようにしています。加えて経歴書を見て、どのような思いで会社に入ったのか、なるべく会話が往復できるような情報を持つようにしています。
同じ屋根の下で仕事をし、家にいる時間よりも会社で働いている時間が長いので、やはり社員のみなさんが仕事しやすい環境をなによりも大切にしています。
同じ会社なのに相手は僕の名前を知っていても、僕が相手の名前を知らないと失礼なので、ちゃんと名前を呼んで会話することを心がけていますね。
【ナレーター】
成長を続けられるキーワードとして「経験」を挙げた佐藤。その真意に迫った。
【佐藤】
まもなく50代になりますが、継続的に学んでいきたいと思います。ダイバーシティではないですが、既成概念を捨ててさまざまなことを経験することが大事です。
成長主義・売上主義の人たちの話を聞いたり、僕自身がそのような経験をすることで、僕の住む場所はここではないと経験できたと思っています。
僕たちの理念のなかに素直さがありますが、本当にスポンジのような素直な心で、いろいろな人の考え方を取り入れ、自分自身がいろんな経験をしていくことが大切だと思っています。
【ナレーター】
再起を図るべく、佐藤が現在取り組んでいることと見据えている展望とは。
【佐藤】
まずは既存の事業の立て直し。今回のコロナ・ショックで過去最大の赤字と負債を負っています。これを3年で返し切ろうとみんなにいっています。
ずっと継続投資をしてきましたが、ある意味今回のコロナ・ショックでそれが強制終了状態になりました。これは逆によいことだと思っています。
コロナ・ショックをきっかけに、1人あたりの生産性や販管費に無駄がないか、各事業部の利益率の健全化を今、徹底して磨いています。そうしなければ、この3年で今の負債は返せません。
もともと僕たちは『パートナーエージェント』や『メイション』など、いわゆるウェディング・婚活のサービスで、年間で約1万組の新婚のご夫婦などと接点があることが強みです。
お客様との接点を継続していくことで、お子様が生まれたり教育のサービスができたりなど、こういったところへつながっていきます。
ある意味僕たちの事業やサービスは、おせっかいな事業領域でもあります。お客様が望む、もしくはお客様が必要とするサービスを提供し続け、当社と接点のあったお客様には貢献し続けたいという思いがあります。
【ナレーター】
求める人材像について、佐藤は次のように語る。
【佐藤】
心がきれいな人。よい人ですね。稼ぐ人とよい人、両方兼ね備えていればベストですが、稼ぐけど心が汚い人とは仕事しないと当社では明文化しています。
心がきれいというものを具体的な理念の言葉で落とし込んでいくと、正論ですね。嘘をつかない・正しいことをし続ける・素直さ・謙虚さなど。人として大切な考え方・価値観を大切にしている人と仕事をしたいと思います。
-視聴者へのメッセージ-
【佐藤】
ビジネスパーソンとしてなによりも大切なのは、やはり行動し続けていくということではないかと思います。
自分のキャリアを上げていく、会社を成長させていくというものは、基本的に目的に対してのいわゆる阻害要因という課題があって、この課題を解決し続けることが、ある意味仕事のすべてだと思っています。
大切なものは、課題を見つけてその課題を解決するという行動です。よって、課題解決をより多くした人や大きな課題解決をした人が、いわゆる仕事ができる人。
これはキャリアアップになると思いますが、課題は誰でも見つけられるという前提に立つと、その課題を解決するための行動を取った人が、自己成長を実現し、キャリアアップしていくと思っています。
考えることよりも、まず行動していくこと。行動から学んでいくことを大切にしていただきたいと思っています。