まん福ホールディングス株式会社 年商1000億超企業の元社長が46歳で起業。社会課題に一石を投じる“食の事業承継”とは まん福ホールディングス株式会社 代表取締役社長 加藤 智治  (2022年12月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
その後、まん福ホールディングス株式会社を設立、代表に就任した。ゼロからの新たな挑戦を決断した経緯について、加藤は次のように語る。

【加藤】
私自身が興味があって、やれること、やりたいことという部分と、もうひとつは社会課題の解決に貢献できるようなビジネスをやろうと。

超高齢社会となり、後継者がいらっしゃらない会社が非常に今後多くなってくるだろうと言われていますから、その事業承継という課題について「これまでと違った形で解決できるような事業をやろう」ということで思いついたのが、事業承継プラットフォームというビジネスモデルです。

アメリカにはさまざまな成功事例があり、それも参考にしながら、私が過去に経験してきたビジネスでいくと、「食」というものが非常に可能性があるなと思いました。

【ナレーター】
創業からわずか約1年半で、のべ6社の事業承継を実現させ、順調なスタートを切ったまん福ホールディングス。

その他にも、26歳の社員にジョイントベンチャーの代表を任せるなど、ダイナミックな人事を推進させているのも特徴のひとつだ。

【加藤】
経験と能力が豊富にあるから経営者になれるのではなくて、「経営をしてみたい」という強い想いがある人に経営を任せ、仕事を通じてともに成長していく。その結果、より良い経営者になっていく。

そのようなことをやっていきたいと思っており、まず経営者になっていただくということ自体が最大の人材育成だと思います。

26歳の女性にジョイントベンチャーの社長になってもらったというのも、事業自体が新しい食文化をつくっていくということで、若い女性にこそ日本のお米を食べてもらいたいという想いでおにぎり専門店を始めたからです。

これを一店舗だけで終わらせずに国内、海外に広げていく際には、若い女性がリーダーシップを取ることで、そのような場所に女性も足を運びやすくなると思います。

非常にいい方と巡り会えて、今回社長になってもらいました。

【ナレーター】
4年後の2027年、約30社のグループを形成し、売上高200億円を見据えていると語る加藤。描いている展望とは。

【加藤】
私たちのビジョン、目指したいものは、最も信頼される事業承継プラットフォームになるということです。

「そのようなビジネスモデル自体があるんだ」「食の産業では当社があるが、他の産業でもつくり出せばいいのではないか」と、当社が取り組んでいることが他の産業でも同じように広がっていってほしいなと思っています。

そうなれば、日本の社会課題である後継者不足という問題が、大きなうねりとなって解決できると思っておりますので、それを目指しておりますし、そのためにも当社がまずは最も信頼される事業承継プラットフォームになると。

当社が承継すると、働いている社員の方と一体となり、第二の創業がいい形で進んでいきながら、会社が中長期的に成長していくといったことを、承継した会社すべてにおいて、実践していく。

それが結果的に信頼につながると思っておりますので、それをとにかく実績として積み上げていくことを目指しています。

【ナレーター】
求める人材像について、3つの要素を加藤は挙げた。

【加藤】
「食ビジネスが大好き」というのが第一条件ですよね。

2つ目に「経営者になってみたい」と強く思っている方。これは経営者の経験がなくてもいいんですけれども、「ある会社のトップとして関わっていきたい」と強く思っている方かどうか。

3つ目には、真面目で正直な方。承継させていただいた会社の社長になっていただくので、遠隔地をつなぎながらチームワークが必要になるわけですよ。

そうなると、オフィスの中に皆が出勤して、そこで仕事をする、という形ではなく、皆が違うところでバラバラに仕事をしている。けれども、会社としてひとつになっている。

そのためには、やはりお互いに対する信頼が非常に重要です。当たり前ですけれども、仕事に対して真面目で、嘘をつかない誠実さ。

そういったところは、当社では他の企業以上に重要視しています。

ー大切にしている価値観ー

【加藤】
「文武一道」という価値観を、自分の中で大切にしています。

文武両道というのは、文と武が別々なものだという考えが前提にあるから「両道」になる。

しかし、たとえば海外には勉強ができてスポーツもできる人がいる。勉強ができるからこそ、スポーツにもいいフィードバックがあるし、スポーツが上達すると、それがまた勉強にもフィードバックされる。そのような関係性として捉えているわけですよね。

ですから、そもそも別物ではないと。

今の日本人のトップアスリートの方々は、スポーツもトップですけれど、考え方含めて非常に知的ですよね。そもそもこれらはコインの両面なんだと。だからこそ「文武一道」という。

「文武両道」という言葉が、いつか日本においては「文武一道」に置き換わるといいなと思っております。

1 2

経営者プロフィール

氏名 加藤 智治
役職 代表取締役社長
生年月日 1974年9月8日
出身地 熊本県
略歴
大学院卒業後、ドイツ銀行グループにてグローバル金融市場を体感し、マッキンゼー&カンパニーで経営コンサルティングを学ぶ。当時の最短3年9か月でマネージャーに昇進。

2004年、フィールズの社長室長に就任、スポーツ・エンターテイメント関連の子会社2社の取締役も兼務。

2007年、株式会社あきんどスシローにターン・アラウンド・マネージャーとして参画、専務、取締役COOを歴任。回転寿司売上日本一、顧客満足度日本一に貢献。

2015年、ゼビオ株式会社の代表取締役社長に就任、全国展開の「スーパースポーツゼビオ」事業を経営。
2021年4月、まん福ホールディングス株式会社を設立、社長に就任。2017年から食べログ等を運営する株式会社カカクコムの社外取締役も務めている。

会社概要

社名 まん福ホールディングス株式会社
本社所在地 東京都渋谷区恵比寿西1-15-10 第6横芝ビル7階
設立 2021
業種分類 サービス業
代表者名 加藤 智治
従業員数 1440名(役員含む)
WEBサイト https://manpuku-hd.jp/
事業概要 食に特化した事業承継プラットフォーム
社長動画一覧に戻る
この社長に応援メッセージを送る
この社長に直接提案
会員限定
あなたのビジネスに活かせる特典を無料でご利用いただけます
社長名鑑では、会員登録していただいた方のみにご利用いただける特典を多数ご用意しています。
会員特典の詳細を見る