まん福ホールディングス株式会社 年商1000億超企業の元社長が46歳で起業。社会課題に一石を投じる“食の事業承継”とは まん福ホールディングス株式会社 代表取締役社長 CEO 加藤 智治  (2022年12月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
昨今、社会問題にもなっている後継者不足に悩む中小の食関連企業を支援するべく、2021年に産声を上げた「まん福ホールディングス株式会社」。

「『うまい』でこの星をしあわせ一杯に。」をモットーに、食に特化した事業承継プラットフォーム事業を展開。創業からわずか1年半で6社の事業承継を実現させた。

近年では、精米卸販売の最大手企業「神明ホールディングス」と共同で、おにぎり専門店のチェーン展開プロジェクトを始動させた他、国内初の食業界特化型PEファンドを設立するなど、順調に事業の裾野を広げている。

日本の食文化を守り、世界へ広めるべく奮闘する経営者の軌跡と、うちに秘めた情熱に迫る。

【ナレーター】
なぜ立ち上げから約1年半で6社もの事業承継を実現できたのか。まん福ホールディングスの強みについて、加藤は次のように語る。

【加藤】
承継させていただいた会社を、当社のメンバーが社長となってオーナーから引き継ぐのですが、一番重要なことは、引き継がせていただく会社を我々のメンバーが中心となり、第二の創業として、中長期的に改善していくことです。

ですので、そういったことができる、経験がある、あるいは、それに対する想いがあるメンバーが集まっていることは、当社の最大の強みですね。

今、この事業承継のビジネスにはさまざまな企業が、チャンスを見出して参画してきています。業界全体としてビジネスの規模が拡大していると思います。

その中でやはり、最も重要なのは「承継させていただいた会社を、中長期的に、より良い会社にしていけるかどうか」ということだと思っているんですね。

それはやはり食ビジネスの業界に特化し、かつその業界での失敗も含めた豊富な経験を持つ集団であるということ自体が、非常に大きな武器になっていると思いますし、そうしていきたいと思っています。

【ナレーター】
加藤の原点は、第二新卒で入社した大手外資系コンサルティング会社にある。ここでの経験によってビジネスパーソンとしての素養を培うことができたと、加藤は振り返る。

【加藤】
マッキンゼーには「コンプリートワーク」という言葉があって、日本語で言うと「完全なる仕事」という意味ですよね。

コンサルティングはチームワークで動きますから、リーダーがチームメンバーに仕事を割り当てる訳です。

それを、全員が期限までにある一定の水準以上のものをつくらないと、プロジェクト全体が前に進まないわけですよ。

お客様からも、コンサルティング料として相応の報酬をいただいていますので、、その対価に見合った成果を出すためには、限られた期間で必ず与えられた仕事をきちんと期限までにやり切る。それが当社のカルチャーとして非常に強くありました。

何の仕事をやるにしても、その感覚がないといい仕事はできないと思いますから、その2つを特に学びましたね。

【ナレーター】
入社当時から経営者を志していた加藤は、仕事を通じてその想いがより強くなり、マッキンゼーを退職。

その際、マッキンゼー時代の恩師から言われた一言が、運命を大きく変える転機となった。

【加藤】
「投資ファンドが投資をしたところに外から経営として関わるというのは、これからの日本において、どんどん増えていくキャリアパスになるだろうから、チャレンジしてみるといいんじゃないか」とアドバイスいただいて。

それでいくつかの投資ファンドの方、その中にはマッキンゼーの先輩もいらっしゃったんですけれども、そういった方々とお話をするようになって。

そしてユニゾンキャピタルが投資をした回転寿司の「株式会社あきんどスシロー」に運良く、33歳のときに参画することになりました。

【ナレーター】
「あきんどスシロー」に参画後、専務、取締役COOを歴任し、当時の回転寿司店の売上、顧客満足度日本一に貢献。改革を軌道に乗せ、次のキャリアを考えていた矢先に出合ったのが「ゼビオグループ」であり、2015年に代表取締役社長に就任した。

これらの挑戦を経て、加藤が学んだ2つのこととは。

【加藤】
やはり経営は、数字は当然大切なんですけれども、「未来を創る仕事」でもあると思います。

未来を創るということは、「未来はこういうふうにしたい」という理想なりビジョンなり、そういったものがあって、「どうなりたいか」「どうありたいか」というところをきちんと表現する、言葉にする。

そこにきちんと自分の想いや、情熱といったものを吹き込みながら組織を鼓舞していくというのは非常に大切だと、学ばせてもらいましたね。

もうひとつは、やはり商品にとてもこだわるということ。何を売っているのか、その商品やサービスがあって初めてビジネスが成り立つ。

それがだんだん大きくなっていくと、スタッフやお客様が増えて、数字も上がってきて、売上が立っていることが当然のように感じてしまいがちです。。

しかし、「いいものをつくる、いいサービスをつくる」というところに、トップ自らがこだわりを持って取り組んでいくということが、結果的に会社全体を前に進めていくことにつながる。

ビジョンと商品へのこだわり、組織への関わり方。そういったことを学ばせていただきました。

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経営者プロフィール

氏名 加藤 智治
役職 代表取締役社長 CEO
生年月日 1974年9月8日
出身地 熊本県
略歴
大学院卒業後、ドイツ銀行グループにてグローバル金融市場を体感し、マッキンゼー&カンパニーで経営コンサルティングを学ぶ。当時の最短3年9か月でマネージャーに昇進。

2004年、フィールズの社長室長に就任、スポーツ・エンターテイメント関連の子会社2社の取締役も兼務。

2007年、株式会社あきんどスシローにターン・アラウンド・マネージャーとして参画、専務、取締役COOを歴任。回転寿司売上日本一、顧客満足度日本一に貢献。

2015年、ゼビオ株式会社の代表取締役社長に就任、全国展開の「スーパースポーツゼビオ」事業を経営。
2021年4月、まん福ホールディングス株式会社を設立、社長に就任。2017年から食べログ等を運営する株式会社カカクコムの社外取締役も務めている。

会社概要

社名 まん福ホールディングス株式会社
本社所在地 東京都渋谷区恵比寿西1-15-10 第6横芝ビル7階
設立 2021
業種分類 サービス業
代表者名 加藤 智治
従業員数 20名(役員含む)
WEBサイト https://manpuku-hd.jp/
事業概要 食に特化した事業承継プラットフォーム
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