【ナレーター】
Gunosyに戻り、木村がまず着手したのが企業風土の再構築だった。その真意に迫った。
【木村】
以前は、メディアを数値だけで考えて、自分たちの思っているようなアルゴリズムになればいいと考える部分が少し強かったのですが、実際はそうではなかった。
メディア、特にニュースアプリは、社会のなかでインフラに近いものだと思っています。だからこそ、インフラとしてどういう情報を発信していくべきなのかという仕組みに変えていくところから始めました。
(当時は)リモートだったので、アイデアをみんなで共有するということがすごく難しかった。オンラインのホワイトボードみたいなものを導入し、ブレインストーミングなどが簡単にできるような仕組みをつくるなど試行錯誤しました。
また、(コロナ前は)近くで話しながら進めていたので、必要に応じて計画を変えるということもあったのですが、そのスタイルは完全に変えました。
カチっと計画を決めて、そのなかで仕事をしていくということを前よりも、ちょっと厳しくした感じはありますね。
「これ聞いてないよ」ということがないような仕組みにしたことで、やっと前に進み始めたように思います。
【ナレーター】
経営者として、信頼を積み重ねることが大事であり自身の信念でもあると、木村は語る。
【木村】
一個一個を大切にして、信頼を積み上げていきたいと考えています。
つくってすぐ変えてなくなるようなものではなく、つくったものがちゃんとしたサービスとして立ちあがり、使われることで少しずつ信頼が生まれていくということを繰り返していきたい。
自転車操業をしているような企業だと社員も疲れるでしょうし、経営者も疲れます。信頼を積み上げると同時に、少しでも働いている人がラクになっていくような仕組みにしたいと思っています。
【ナレーター】
今後の成長戦略として木村が描いている展望とは。
【木村】
投資事業、メディア事業、Game8(ゲームエイト)、新規事業を総合的に進め、時価総額1000億を目指したいと考えています。
そのためにもインドの成長を取り込み、ニュースサイトも最初に掲げた理想を実現できるようにつくりあげたい。Game8のほうも成長して大きくしないといけないと考えています。
AIが人間のように振るまえる時代に変化してきています。命令を前もってインプットしておけばなんでもしてくれるわけではなく、自分の頭で考えているかのようにAIが振舞えるようになってきているので、世の中が大変化するタイミングが来ているのです。
当社はもともと自然言語処理が得意な会社。その部分とAIは親和性が高いので、そこを取り入れて会社を大きくしていきたいと思っています。
【ナレーター】
求める人材像について、木村は次のように語る
【木村】
エンジニアとして機械学習とかAIに詳しい人材はもちろん必要ですが、当社はかなり挑戦や新しいことをやっていたりするので、それを喜びとして感じられる方がほしいですね。
Gunosy Pride(※)で「 逆境に熱狂せよ」という言葉があるのですが、その言葉に共感できるような方に、ぜひ当社に来ていただきたいです。
※社員全員で共有している行動指針と価値観
-大事にしている言葉-
【木村】
「Never give up on your dreams」です。
世界で一番速かったカール・ルイスの言葉で、当時陸上に所属していたこともあり、すごく印象に残っています。
新しいものをつくるときには、必ず逆境があったり、困難がぶつかってきたりします。
しかしながらやっぱり、自分がつくりたい夢を忘れないで前に進んでいくことを楽しみたいと思っているので、この言葉を選びました。