ダイドーグループホールディングス株式会社 右肩上がりの業績に感じた違和感。経営者が語る、変革と成長の裏側 ダイドーグループホールディングス株式会社 代表取締役社長 髙松 富也  (2023年5月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
グループ理念やビジョン、ミッションの策定を経て、現在、売上高は1600億円を超え、順調に成長を続けているダイドーグループホールディングス。挑戦を成功につなげるために高松は「風土の醸成」が重要だと語る。

【高松】
とりあえずいろいろなことにチャレンジをしてみるという風土をつくる。

先ほどのチャレンジアワードで上がってくる提案に対して、たとえうまくいかないと思っても、失敗しても大きなダメージは受けないと感じたら「やってみたらどうか」と促していくことで「やってみてもいいんだ」と従業員が受けとめられるようになります。

すると、「言われたことしかやってはいけない」という風土が、「やりたいことをやってもいい」と思えるような風土に変わっていきました。

現在、自販機で紙おむつを販売したり、スナックや物販ものを増やしたりしています。これには会社がやろうと決めたものばかりではなく、社員のアイデアをもとに、実際にやってみたらお客さんに喜ばれ、それを横展開して成功した事例もあります。、今では本当にたくさんの事業が生まれるようになりました。

チャレンジする風土が浸透してきて、社員それぞれが積極的に実践できるような会社になってきたと思っています。

【ナレーター】
今後、主力事業である自販機ビジネスが持続的に成長できるよう、ビジネスモデルの刷新に注力していきたいと語る高松。思い描く展望とは。

【高松】
グループでは、海外飲料事業、食品事業、医薬品関連事業など、複数の事業を推進しています。

飲料だけではなくて、その場所にいる人たちが求めるものを、その人たちの身近に届けていきたいですし、そのためには既存の枠組みにとらわれずに、いろいろなものを取り入れて実現をしていきたいと思っています。

一方でそれを持続可能にしていくための効率化も進めていこうと、スマートオペレーションの構築に努めています。

ITを活用して業務の効率化を図る取り組みで、今後、労働力の確保が難しくなっていく中でも生産性を高めて自販機の管理も持続可能なものにしていく。

これは業界全体の課題でもあるので、まずはビジネスモデルをつくり上げることで、自販機ビジネス自体をサステナブルなものにしていきたいと思っています。

【ナレーター】
求める人材像について、「自律型プロフェッショナル人材」を挙げた高松。その真意に迫った。

【高松】
社員は、「自分はこの分野ではプロだと言えるような能力を持って会社に貢献をする」、会社は「社員の力を十分に発揮できるような仕組みやルールをつくって、社員が思う存分力を発揮し、定着できるような環境にする」という関係でありたいと思っています。

いろいろな働き方や教育研修の制度を充実させていきます。同時に、社員も自らプロフェッショナルだという意識を持って、会社から与えられるだけでなく、常に成長のために自分を磨き続けるマインドを持ってもらいたい。そのための人材育成を目指していきたいと考えています。

―大事にしている言葉―

【高松】
「継続は力なり」ということを、継続して言い続けています。

創業してからもうすぐ50年になりますが、ここまで続けてきたからこそ、今のダイドーグループがあると思っています。

いろいろな取り組みも長く続けているからこそ、大きな成果につながっていると思っているので、非常に大事にしたい言葉です。

ただし、ただやり続ければいいということではなく、ときにはどうやれば続けられるかを考え、変えるべきことは変え、変えないことは変えないというようなことを繰り返して行うことも大切です。

そういった試行錯誤もしながら、今後も「継続は力なり」を掲げ事業を続けたいと思います。

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経営者プロフィール

氏名 髙松 富也
役職 代表取締役社長
生年月日 1976年6月26日
出身地 奈良県
座右の銘 継続は力なり
愛読書 「道をひらく」松下 幸之助 著
尊敬する人物 松下幸之助
略歴
2001 年(平成13年)3月 京都大学経済学部 卒業
2001 年(平成13 年)4月 三洋電機(株) 入社
2004 年(平成16 年)4月 ダイドードリンコ(株) 入社
2008 年(平成20 年)3月 同社 営業本部副本部長 兼 販売会社統轄部長
2008 年(平成20 年)4月 同社 取締役 営業本部副本部長 兼 販売会社統轄部長
2009 年(平成21 年)4月 同社 常務取締役 営業本部副本部長 兼 販売会社統轄部長
2010 年(平成22 年)3月 同社 専務取締役 営業本部長 兼 人事総務本部長
2012 年(平成24 年)1月 同社 専務取締役 営業統括本部長 兼 マーケティング本部長 兼 人事総務本部長
2012 年(平成24 年)4月 同社 取締役副社長 営業統括本部長 兼 マーケティング本部長 兼 人事総務本部長
2013 年(平成24 年)4月 同社 取締役副社長
2014 年(平成26 年)4月 同社 代表取締役社長
2017 年(平成29 年)1月 ダイドーグループホールディングス(株)代表取締役社長ダイドードリンコ(株) 代表取締役社長
2021年(令和3年)4月 ダイドーグループホールディングス(株)代表取締役社長 ダイドードリンコ(株)取締役

会社概要

社名 ダイドーグループホールディングス株式会社
本社所在地 大阪府大阪市北区中之島二丁目2番7号
設立 1975
業種分類 食料品・飲料製造業
代表者名 髙松 富也
従業員数 連結:5,182名(2024年1月20日現在)
WEBサイト https://www.dydo-ghd.co.jp/
事業概要 「こころとからだに、おいしいものを。」をグループスローガンとし、自販機を主力販路とするダイドードリンコを中核に、ドライゼリー市場でトップシェアを誇るたらみ、医薬メーカー・化粧品メーカーなどのドリンク剤の受託製造を担う大同薬品工業などにより構成された企業グループです。グループミッション2030「世界中の人々の楽しく健やかな暮らしをクリエイトするDyDoグループへ」を掲げ、事業ポートフォリオの変革をめざしています。
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