【ナレーター】
コインランドリーのフランチャイズ事業を中心に、さまざまなビジネスを展開する株式会社センカク。
同社のブランド「コインランドリーピエロ」は、全国に約600店舗を構え、消費者を第一に考える店舗づくりを推進。洗浄力が高い機械や洗剤の独自開発、洗剤の使用量を抑えることができる電解水の活用などに注力し、付加価値を高めている。
近年では、トランクルーム事業やクリーンネス事業。介護を助けるデバイス事業にも参入するなど、その事業領域を拡大させている。
「日本人のワーク&ライフスタイルに革命を」。この使命の実現に向け邁進する経営者の軌跡と、既成概念にとらわれないサービスづくりの秘訣とは。
【ナレーター】
自社の強みについて、岡村は次のように語る。
【岡村】
まず、無人でコインランドリー運営をできることが前提です。その上で、我々は独自の洗剤を開発して使っていますが、洗剤にこだわったランドリーであること。
それから、ファインバブルですね。洗う水にもこだわっていて、石鹸洗剤がダメという方でも利用していただけるように洗剤の使用量を抑えることができる電解水にしています。
そして、住宅街に近い場所への店舗展開。その街を意識して、その街に合った店舗づくりをしていきます。今、それがうまくかみ合っているので、ここまで展開できていますし、他社との違いといえると思います。
【ナレーター】
岡村のファーストキャリアはマンションプランの企画・開発を行う不動産企業だった。業界内でキャリアを積み重ねていった岡村は、先輩からの誘いを受け、海外での不動産販売に携わることになった。ここで岡村は、運命を変える出会いを果たす。
【岡村】
「海外で不動産を販売するから手伝ってくれ」ということで携わっていたのですが、今、センカクの会長である西山善行が、そこに投資をしていたんです。
仕事が一段落し「日本に帰ります」と伝えると「お前、これから何をやるんだ」と。「日本で不動産に戻りますよ」と話したところ、「何をいっているんだ。コインランドリーをやれ」と西山にいわれまして。
スカウトされたわけですが、当初は「何をいっているんだろう」と思いましたね。だから「私に何ができるんだろう」と不安しかありませんでした。
ただ、せっかくのチャンス。飛び込まない手はないなと思いましたし、ダメだったらダメ。「腹をくくるしかない」という覚悟で入社しました。
【ナレーター】
2016年にセンカクの前身である株式会社洗濯革命本舗に入社し、常務取締役を経て、2019年に代表取締役社長に就任。社長に就任してからも一貫して大事にしていると語る、あることとは。
【岡村】
やはり現場。一つひとつの店舗を見に行くことは大切にしています。
ほとんどの店舗はオープン前に見に行って、オープンした後も時間の許す限り足を運ぶ。自分たちのつくった店舗がどうなっているのか。売り上げの悪い店舗もあるので、現状はどうなのか。「何がいけないのか」というのを、自分の足で行って、目で見て、社員たちと共有します。
そして、改善をしていくべき点は改善する。これを継続していますね。それにはやはり「自分たちが扱う商品、つくり上げたものが見えなくなってしまう立場にはなりたくない」という思いが強いからという面があります。
それから、もう一つ。「社員それぞれの個性を生かしたい」ということも常に思っています。店舗を探す人、その店舗を工事する人、工事をした後に売る人、オープンを任せられる人、それぞれの役割を担う人材がいる。
彼らが会社をつくっていますし、何よりも現場のことを知っています。だからこそ大切にしたいですし、そうした組織体制であり続けられるように継続していきたいですね。
【ナレーター】
社長就任後も、「コインランドリーピエロ」の店舗数は増加を続け、現在では全国に約600店舗を構えるまでに成長。なぜ、ここまで店舗数を増やすことができたのか。
【岡村】
通常は「コインランドリーをやりたい」というFCを募り、運営する店舗を探します。これに1〜2カ月ほどかかります。
それから店舗にコインランドリーの機械を入れて、店舗をつくり上げて、オープンするという手順ですが、ようやく見つけた場所でオープンするまでの期間は、だいたい半年ほど。そうすると、その間に気持ちも冷めてしまうんですね。
そうであれば、自分たちで店舗を探してお店も先につくってしまおうと考えました。自分たちでつくる店舗ですから、みんなより一層、真剣に探すんですね。そして、責任を持ってオープンさせる。
要は、店舗にどれだけ愛着を持つか。そういったバックオフィスがあれば、営業も自信を持って売りますし、自分たちがつくり上げたものなので、管理も自分たちでしっかりしていかなければいけない。その意識づけもできる。そうした流れをつくり上げたのが、このセンカクですね。