株式会社エンパワー 2年間の成長率は400％超。買取専門店「買取大吉」を全国に800店舗以上展開 株式会社エンパワー 代表取締役 増井 俊介　 (2023年8月取材)

【ナレーター】
改革を推進していった増井だったが、社内で強い反発にあい、幹部の9割が退職してしまう。当時の心境についてこう振り返る。

【増井】
先ほどお話した通り、社長就任当時の私はフランチャイズ事業が未経験で、ブランド品にもさほどなじみがあったわけではありません。幹部には全員残ってほしいと考えていたため、１人を残して全員が辞めると決まった時はやはり、精神的にかなり苦しかったです。

とはいえ、どれだけうまくいかないことがあっても、厳しいとか、つらいという顔をしない。それが責任者として当然の仕事です。いかなる状況でも「全て計算通り」と言い続けることが仕事の1つと考えて、歯を食いしばりながら改革を推し進めていきました。

【ナレーター】
辛酸を嘗めながらも地道に改革を進めた結果、業績は順調に回復。現在では全国約770店舗(2023年8月時点)にまで拡大させているほか、大手コーヒーチェーンとの共同プロジェクトを始動させるなど、躍進を続けているエンパワー。

挑戦に際し、増井が最も大切にしていることは「まず、一歩を踏み出すこと」だという。

【増井】
通常であれば、現在ご一緒しているコメダ珈琲店のような大手企業にコンタクトを取るとなると、やや気後れしてしまったり、「相手にされるのかな？」と不安に思ったりして、結局一歩が出ないということがあるかもしれません。そんな中でもまずは連絡やアプローチをしてみて、ご挨拶から始めることが大切だと思います。

このような当社の新しい取り組みが成功しているかどうかはまだわからないところもありますが、それに向けて、まず一歩目の足を出すということが重要だと考えています。

【ナレーター】
今後は業界トップを目指すと言い切った増井。見据えている展望とは。

【増井】
我々の業界でナンバーワンを決める明確な基準の1つが店舗数だと思います。現在、同業界で店舗数トップの企業がおよそ1000から1100店舗を展開しているのに対し、当社は約770店舗です。

まずは店舗数でナンバーワンを目指し、売上規模でも業界で圧倒的な存在感を示していこうと取り組みを進めているところです。

【ナレーター】
ともに働く仲間に求める人材像について、増井は次のように語る。

【増井】
国籍・年齢・性別・経験を問わず、「当社が運営する『買取大吉』を日本一にするんだ」という気持ちを持って一緒に頑張ってくれる方に入社していただきたいと思います。

我々のリユース業界は、潜在層を含めるとマーケットの規模が日本国内だけで40兆円とも言われ、やれることはまだたくさんあるわけです。業界トップになるためのさまざまな取り組みを担当してくれる責任者がいれば、どんどん任せていきたい事業が当社にはあります。

そして、そのような役割を担っていただくうえでやはり必要不可欠なのが「向上心」であり、「そういうポジションを取りに行くんだ」という強い気持ちです。

結果に対する執着心を誰よりも強く持っているという方がいれば、ぜひご一緒させていただきたいと思います。

■大事にしている言葉

【増井】
発言と行動に矛盾がないことを意味する「言行一致」という言葉です。

ビジネスにおいても、私生活においても、個人の信用をいかに積み上げていくかが人間として非常に大切な要素だと思っています。

たとえ小さな約束であったとしても、小さければ小さいほど必ず守る。たとえば、会議や打ち合わせの日時を決めたら、絶対に遅れない。そういう小さなことが守れない人に、会社が大きな仕事を任せるかというと、それは難しいと思います。

ですから、私自身は、この「言行一致」という言葉を大切にしています。