【ナレーター】
「失敗しても成功せよ/信じて任せる」。YKK グループのコアバリューであり、企業風土を表す言葉のひとつだ。こめられた思いについて、魚津は次のように語る。
【魚津】
「信じて任せる」というのは、ともに働く他人を信じないと自分も高いレベルの仕事はできないため、権限を委譲して部下を成長させながら、同時に自分も成長させていくということです。
また「失敗しても成功せよ」については、私自身、若い時の失敗を経て、その後の自分の成長があったことを考えると、YKKグループは社員を非常に大切にする会社だと感じています。
そんな企業としてのあり方を、これまでと同じように存続させながら、それをさらに進化させていきたいと考えています。
【ナレーター】
2030年にありたい姿、あるべき姿のビジョンとして策定した「Evolution 2030」で「Architectural Productsの進化で、世界のリーディングカンパニーへ」を掲げたYKK AP。
その実現に向けて掲げた3つの方針に迫った。
【魚津】
1つ目は「地球環境への貢献」という部分です。これに関してはやはり、「カーボンニュートラル」への取り組みは外せません。
アルミニウムという金属は製造に非常に多くの電気を使いますが、これはつまり多量の化石燃料を使うということです。
一方で、もしアルミニウムをリサイクルして再利用できれば、計算上では従来の製法に比べて97%のCO2の排出が削減されます。
そこで、2030年にはアルミニウムのリサイクル率を社内外合わせて100%に持っていくという目標を打ち出しました。
次は「新しい顧客への価値の提供」です。
これまで商品の1点1点は評価されたかもしれません。しかし、これだけ物価が上がって金利が上がった現代では、建築着工件数は落ちていくでしょう。
それを考えると、今後は1品1品を個別に提供するのではなく、トータルで提供していきたい、そして商品を通じて感動を与えるメーカーになりたいという考えから、いくつかの商品の開発を行っているところです。
そして、もうひとつ大切なのが「社員の幸福経営」です。
社員の皆と、そのご家族も含めて「YKK APで働いていて良かったね」と言っていただきたいと思っています。
そこで、これまではどちらかというと、社員の仕事の内容を上司が決めてきましたが、これからは社員一人ひとりが自分からトライ・チャレンジできるようにしたい。
社員の希望とマッチングさせながら、仕事をそれに合わせていくという形に変えていきたいと思います。
まず目の前の取り組みとして、社員の働きやすさと働きがいを追求して、事務所や工場の休憩室や食堂などの環境の向上を進めていますが、まだほかにもできることは多いはずです。
【ナレーター】
今後の国内外における事業の成長戦略として、魚津が注力していきたいこととは。
【魚津】
まず日本国内の事業に関しては、「ビル用商品事業」において、改装関連分野をどのように拡大していくのか、そして「住宅用商品事業」において、新築でのシェアに加え、増改築、リノベーション、リフォームという分野のチャネルのカバー率をどのように増やしていくか、に取り組みたいと考えています。
そして海外での事業に関しては、当社はまだ11の国と地域にしか進出しておりませんが、そのエリアを広げることに注力します。
エリアを広げれば必ずチャネルも広がるものです。そのときに販売する商品は今のままでよいのか、さらに違う商品も売れるんじゃないかということを考えると、まだまだ成長できると思います。
北アメリカでの売り上げはある程度伸ばしましたが、アジアはこれでいいのか。またヨーロッパに関しては、当社はまだ進出していないため、M&Aを含めてヨーロッパ進出を検討・計画しているところです。
【ナレーター】
共に働く仲間に求める要素について、魚津は次のように語る。
【魚津】
「常に考える人がいいな」と思っています。社員の皆には、考える時間をいかに確保するかということを、常に自分自身で意識してほしいし、常に仕事を楽しんでほしいと思います。そのために、自分のモチベーションをどのように上げるのか、自己研鑽するのか、ということを十分に考えてもらいたいと思います。
そして常にチャレンジを続け、失敗してもチャレンジしたいという意志を常に持っている、そういった方々にぜひご応募いただきたいと考えています。
ー大事にしている価値観ー
【魚津】
「勇往邁進」(目標や目的に向かってわきめもふらず、恐れず前進すること)というあり方を大切にしています。
私自身は当社を「プライスリーダー(特定の業界で、全体的な商品価格の決定に大きな影響力を持つリーダー的企業)」から「リーディングカンパニー(特定の業界で中心的・模範的立場に立っている、先駆的・主導的企業)」、そして最終的には「エクセレントカンパニー(独自の企業文化や組織文化を持ち、収益力も極度に高い超優良企業)」にすることを目指しています。
そのために、利益をどのようにして生み出すかということ、そして、これまでは、持続的成長の量を求めていましたが、今後はその質を高めることが大切だと個人的には考えています。