ゴディバ ジャパン株式会社 世界的チョコレートブランド「ゴディバ」の日本法人。販売店以外にもカフェ、ベーカリーなど多様な業態で国内に約360店舗を展開 ゴディバ ジャパン株式会社 CEO/代表取締役社長 ジェローム シュシャン  (2024年10月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
世界100カ国以上で展開しているチョコレートカンパニー「ゴディバ」の日本法人、「ゴディバ ジャパン株式会社」。

創業約100年の伝統を受け継ぎながら、日本ではドリンクやアイス、コンビニスイーツなど、独自の製品開発も行い、国内に約360店舗を展開している。

近年ではクレープ専門店やベーカリーショップの立ち上げなど、多様化するニーズやライフスタイルに合わせた販売チャネルの拡大を積極的に行い、成長を続けている。

ゴディバの新たな付加価値を生み出した経営者の軌跡と、思い描く未来像に迫る。

【ナレーター】
自社の強みについてシュシャンは、大切にしている3つの価値観を挙げる。

【シュシャン】
1つめは、従業員のブランド愛です。ゴディバブランドは2026年には100周年を迎えます。社員はとてもゴディバに誇りを持ち、ゴディバのブランドが好きで、みんな働いています。

ですから、ブランドに対するパッションがあり、「I like GODIVA」「I Love GODIVA」という思いを社員が共有していることは、会社としてもキーポイントだと思うんですね。

2つめは、商品そのものの品質です。世界が認めるチョコレートはもちろん、それをアレンジしたドリンク、焼き菓子をつくっています。いずれの場合も、プロダクトにフォーカスしているのは強みのひとつですね。

3つめは、失敗してもいいから、新しいことにはチャレンジしていく、ということです。最近、『ゴディパン』というゴディバベーカリーの直営店も始めました。

チョコレートのプロフェッショナルメーカーとしては初めての試みですけれども、おかげ様で好調です。

このように、伝統を大切にしながらも、常にチャレンジ精神を持ち、新しいことにトライするのが、会社かなと思います。

【ナレーター】
シュシャンのビジネスパーソンとしての原点は、日本との出会いにある。なぜ母国のフランスではなく、日本でビジネスをしようと考えたのか。当時を次のように語る。

【シュシャン】
学生のときに東南アジアを観光で回っていたときに、日本の禅にも興味を持ち、日本を訪れました。

その後、卒業してから、最初はフランスの宝石ブランドに勤めていたのですが、かつて興味をもった日本でビジネスをするのも面白いチャレンジだと思い、思い切って来日したんです。ですから、運命といえば運命ですね。

来日直後はまだ日本語はしゃべれないし、80年代ですから、外国の方も少なかった。「大丈夫かな」という、まわりの不安そうな声も結構あったんですけれど、ひとつずつ信頼をつくって、徐々にビジネスがしやすくなりました。

【ナレーター】
その後、スペインの磁器ブランドであるリヤドロの日本法人社長を経て、2010年にゴディバジャパンの代表取締役社長に就任。シュシャンが最初に着手したのは、高級ブランドのイメージを覆す、3つの戦略だった。

【シュシャン】
まずは、初めてゴディバのテレビCMを出したんですね。今でこそ増えましたけど、それまでは、高級商品はほとんど広告を出していなかったんですね。

高級品はそういうテレビ、マスメディアを使わないというイメージがあったんですけれど、このテレビCMをきっかけに、お客様が「あ、ゴディバだ」と気づいてくれるようになった。

ゴディバの名前を知ってはいたけれど、そんなに買い物はしていなかった方がすぐに「行ってみよう」「買ってみよう」となり、とても効果があったんですね。それはブランドイメージのリフレッシュという戦略でした。

2番目が商品戦略。たくさんの商品を開発したんですね。チョコレートはもちろん、焼き菓子、ドリンク、それからアイスクリーム。

社内では「いや、ゴディバがコンビニにあるなんてとんでもない」という意見もあったんですが、データを見せて、「いや、実はアイスクリームのマーケットは、みんなわざわざ百貨店に行くんじゃなくて、お中元、お歳暮以外は日常の中のコンビニ、スーパーマーケットなどで買うよ」と言ったら、「なるほど」と納得してくれて。

そうすることで、ゴディバの知名度を上げられ、商品を買っていただく機会が増えました。

3番目がチャネルの開拓。百貨店、ショッピングモール、駅ビル、それからスーパーマーケット、コンビニ、オンライン、アウトレット。こういうチャネルも拡大したんです。

結果としてお客様のライフスタイルの中に、「あ、この店、家の近くにある」とか、「あ、夜は百貨店が閉まっているけれど、ローソンの『ウチカフェ×ゴディバ』が買えるな」とか、さまざまなオケージョン(機会)が広がって、売上が伸びたんだと思いますね。

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経営者プロフィール

氏名 ジェローム シュシャン
役職 CEO/代表取締役社長
出身地 フランス パリ
座右の銘 正射必中
著書 「ターゲット ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?」「働くことを楽しもう。 ゴディバ ジャパン社長の成功術 」   
略歴
2010年6月にゴディバ ジャパン株式会社の代表取締役社長に就任、革新的な新製品の開発やチャネル拡大戦略、マーケティング施策により多様化する顧客のニーズに応え、日本の業績を10年間で3倍に成長させた。

現在、オーキッド株式会社の代表取締役CEOとして、傘下のゴディバ ジャパン(株)とベルギーのスーパープレミアム・チョコレート・カンパニーのピエール・マルコリーニ・グループを統括する。

会社概要

社名 ゴディバ ジャパン株式会社
本社所在地 東京都港区六本木三丁目2番1号 六本木グランドタワー32階
設立 1994
業種分類 食料品・飲料製造業
代表者名 ジェローム シュシャン
WEBサイト https://www.godiva.co.jp/
事業概要 菓子、乳製品、飲料等の輸出入、製造、販売
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