事業内容の概要

Jトラストは、東京都に本店を置く、韓国金融事業、東南アジア金融事業、国内金融事業、非金融事業の領域で深い経験とノウハウを持つ総合金融グループである。Jトラストグループは、アジアで銀行業を中心にファイナンス事業を展開しており、M&Aによりアジア諸国で経営難に陥った銀行の事業再生・企業価値向上に努め健全化させるなど、お客様に喜ばれる地域密着型の銀行経営を目指している。

藤澤信義社長の主な経歴

1970年に岐阜県岐阜市で生まれる。藤澤信義社長は経歴が少し変わったことでも有名な社長である。日本屈指の大学である東京大学医学部を9年かけて卒業している。大学在学中からアミューズメント業界(ゲームセンター)でアルバイトとして勤務、卒業後もアルバイトを続けていたが、2001年に、不動産担保融資を行う株式会社ビィー・ジャパンに入社する。この時すでに藤澤信義社長31歳。入社2年後の2003年には同社の代表取締役社長に就任。2004年に筆頭株主となる。
2007年には、かざか債権回収(現 パルティール債権回収)の代表取締役会長となり、2008年にはTOBによりJトラストの筆頭株主となり、同社代表取締役会長となった。
その後、藤澤信義社長はJトラストをはじめ、Jトラストグループ各社の要職を務め、現在では、Jトラスト代表取締役社長最高執行役員、Jトラストアジア代表取締役社長、Jトラストインベストメンツインドネシア代表理事、アドアーズ取締役、JTキャピタル理事を務めている。

事業の中心となる海外事業のこれまでの展開

Jトラストは日本国内での成功ののち、さらなる伸びしろを求めて、2011年に海外進出の第一歩として韓国の貸付業者を買収し韓国金融市場に進出した。2012年には親愛株式会社(現 JT親愛貯蓄銀行)を新たに設立し、経営が厳しくなっていた韓国貯蓄銀行(未来貯蓄銀行)の一部資産・負債を承継、貯蓄銀行業に参入した。
2014年には韓国で新たに貸付業者2社を買収したが、お客さまの利便性を考慮し、貸付事業を貯蓄銀行へ事業譲渡。貸付事業は調達コストの安い貯蓄銀行がおこなうことで、より低利な金利商品の取り扱いが実現した。その後、貸付業社2社を売却し、1社は債権回収業に特化して消費者ローン事業から完全に撤退した。
その結果、現在、韓国では貯蓄銀行2行、キャピタル会社1社及び債権回収会社1社を運営している。
さらに2013年には、シンガポールにJトラストアジアを設立し、東南アジアへ進出した。

Jトラストアジアは、タイ、カンボジア、ラオスなどでDigital Finance Platformと呼ばれる独自のビジネスモデルを展開しているタイ証券取引所上場の日系企業Group Lease PCL(GL社)と転換社債引受契約を締結し、2016年にはGL社と協業でインドネシアにGroup Lease Finance Indonesia (GLFI)を設立した。インドネシアは人口が世界第4位の2億5千万人超と言われ、平均年齢は約27歳と若い。これに加え、労働人口が順調に増加、可処分所得がかつて無いほど上昇、家計貯蓄率が世界的に最も高い水準にあるなど、今後間違いなく成長する国のひとつでもある。
GLFIでは、POSと呼ばれる小さな事業拠点をインドネシア全土に張り巡らせて農機具の割賦販売金融事業を行っており、現在は日本製のトラクターを地方の農村部に供給している。そのGLFIのお客さまに対するファイナンスを供給するのがJトラスト銀行インドネシア。
2008年に破たんし、インドネシアの預金保険機構(預保)管轄にあったセンチュリー銀行(その後ムティアラ銀行へと商号を変更し営業を継続)を、法律によって定められた預保の保有期限終了間際の2014年に預保から落札し子会社化したのが、現在のJトラスト銀行インドネシアである。
GLFIでは前述のGL社の貸倒をコントロールできる与信ノウハウを持つ。個人の信用情報が充分に集約されていない新興国において与信提供できるノウハウを持つ。地方の農村部で個人にファイナンスを提供するための与信ノウハウを有する企業は恐らく他にはない。インドネシアが成長するためにはこのGLFIの様に他の会社にはないサービスも大切な一つのピースであると考えており、地域の発展こそが、Jトラストグループの成功につながると藤澤信義社長は語る。

海外事業で成長を続ける藤澤信義社長の経営改革について

まず、「日本で蓄積されたノウハウは最大限に活用をしていく。ただし、すべての日本基準が海外で通用するわけではないということを忘れないことが大切だ」としている。
特にインドネシアでは、外資規制があるなかで銀行の100%の株式保有が認められたことは大きいと感じている。藤澤信義社長は、あらゆる情報がいち早く集まるシンガポールに拠点を移し、自らアジア各国を飛び回り、様々な案件に直接関わることこそがビジネスチャンスを引き寄せ、また成長を促すと考えている。トップがリスクを判断し、その場で意思決定すれば、スピードの速いアジア市場での信頼を高められるからである。

Jトラストグループの企業理念・行動理念

Jトラストグループの企業理念は、「お客様のため、株主様のため、私たち自身のため、いかなるときも迅速に、誠実にチャレンジし続け、皆様とともに世界の未来を創造します」ということ。具体的な推進項目として掲げているのは、一つ目に、お客様、株主の皆様、お取引先等、全てのステークホルダーをお客様と考えて、その期待に応えるため、「お客様第一」の行動を実行していくこと。二つ目に、様々な事象に対して「迅速」に対応するとともに、現状に満足することなく「創意工夫・改善」を実行していくこと。三つ目に、「適時且つ正確な情報開示」を実行するとともに、業務執行にあたっては「高い倫理観」を持って取り組んでいくこと。そして、最後の四つ目には、「新たなサービスや価値観を創造・提供」し、経済の発展に貢献していくことである。

経営方針と経営戦略について

経営方針としては、「事業基盤の強化」「既存事業の再構築」「新事業への取組み」の3つの経営方針を柱にして、経営戦略の実現を目指していく。
経営戦略としては、これまで培ったファーストステージの成長力を維持し、安定した利益を継続的にあげ続けるため銀行業を中心とした持続的成長企業の実現を目指していく。同時に、M&Aや債権買取りなどを積極的に推進し、更なる事業基盤の拡大を目指す。具体的には、国内では主に信用保証事業とサービサー事業の強化、韓国では貯蓄銀行業の拡大を目指し、またアジア諸国ではJトラスト銀行インドネシアの再生、GL社との協業等を通じて地域経済の発展の一助となる一方、Jトラストグループのネットワークを活かした付加価値の高い金融サービスを提供することで利益を創出し、更なる経営基盤強化に取り組んでいくことを掲げている。

自分のことより会社の成長を優先させる―藤澤信義社長の経営姿勢

日本では1000億円規模と、過去最大のライツ・オファリングを実施したJトラストだが、当時最大の焦点は、発行済み株式の約5割を保有する藤澤信義社長が自身の権利行使をどのように実行するかということであり、藤澤社長自身の権利行使の大変さをさて置き「自分のことより会社の成長を優先させる」と語ったことである。安定株主への株式譲渡や自身が保有する株式を担保にして資金を調達し、権利行使したことを明かしてくれた。
事業規模拡大というある種の賭けに出たわけだが、金融業界では東大医学部卒という異色の経歴の持ち主ながら、なかなか腹の据わった人物としても知られる。一見ハイリスクと見られる案件も手がける投資戦略は「逆張り」とも評されるが、そんなリスクを利益に変えるなど、既存の価値観で生きてはいないことがわかる。
藤澤信義社長は、「趣味がなくて、仕事のことをずっと考えています。夜中に突然起きて、仕事を思いつき、夜中の3時に社員にメールをしたりして、社員からはかなり評判が悪かったです(笑)」と語っている。

現在事業を展開している各国のグループ会社について

Jトラストは、韓国金融事業、東南アジア金融事業、国内金融事業、非金融事業の領域で深い経験とノウハウを持つ総合金融グループである。新たな成長への挑戦で「高成長・高収益」企業を目指している。
まず、韓国金融事業についてだが、銀行業に関して言うと、まず2012年にJトラストグループ入りしたJT親愛貯蓄銀行。2015年7月には韓国内のJトラストブランドの統一を図るため、社名を変更。新しい姿の貯蓄銀行を目指し、日本や韓国で培ったJトラストグループの与信審査・債権管理などのノウハウや消費者ローン事業のノウハウを最大限に活用した営業体制整備や消費者向け優良債権の買取りにより収益力の向上を図っている。また、「コンプライアンスの徹底」を経営の最重要課題と位置づけ、地域住民や中小企業の多様な資金ニーズに応えることで韓国経済の発展に寄与していく方針である。
もう1つ、JT貯蓄銀行。2015年にJトラストが子会社化した韓国の金融機関である。キョンギ、ジョンラ地域などに3つの支店と1つの出張所を運営している。JT貯蓄銀行はJトラストグループのノウハウと経験を基に各種ローンやスマートフォンバンキングなどを取り扱っている。優れた金利の預金商品で地域の顧客を確保しており、また、先進的な信用等級システムによって、不動産担保ローンや政府系の保証ローンだけでなく、現在は個人向け無担保ローンをも拡大しつつある主な商品として提供している。
その他割賦ローンを主軸に取り扱うJTキャピタル、債権回収をおこなうTA資産管理があり、韓国内におけるJトラストグループの事業会社は合計4つ存在する。
細かな事業内容は違えども、徹底しているのは前述したコンプライアンスの遵守と、地域社会への貢献活動に対する積極的な参加である。また、営業面では斬新なアイデアの創出、マーケティング面では子犬を活用したCMキャンペーンなどさまざまなイベントを行い、2015年から2016年にかけて韓国消費者フォーラムが主催する「ファーストブランド大賞」やアジュ経済の金融証券大賞において「貯蓄銀行中央会長賞」を受賞するなど多数の賞を受賞している。
次に東南アジア金融事業ではJトラスト銀行インドネシアが主体となる。インドネシア証券取引所に上場している商業銀行である同行は、2014年に子会社化し、2015年6月にムティアラ銀行から商号変更。東南アジア最大の人口を持ち、高い経済成長が期待できるインドネシアにおいて、中小企業向けローンや外国為替業務を含む総合的な金融サービスを提供している。
現在は、リストラクチャリングによる業務効率の向上をおこないつつ、良質な債権の積み上げを図っている。大口ローンを減らし、中小口ローンを増やすなど債権ポートフォリオの入れ替えを進めており、前述のGLFIとの協業による地方、農村へのファイナンス提供によりアセット増加を目指す。
更に、2016年には旧経営体制時にJトラスト銀行インドネシアで不良化した債権を譲り受け、債権回収に特化したJトラストインベストメンツインドネシアを立ち上げた。このようにグループ全体で、アジア地域に既に展開しているグループ会社及びその拠点をネットワーク化し、より付加価値の高い、新しいサービスをアジア規模で展開していく考えだ。

藤澤信義社長が考える今後の展開について

アジアには、まだまだ成長力があると見込んでいる。そのなかでもインドネシアは人口規模や平均年齢の若さからも有望な成長国と考えられる。同国を筆頭にして、今後も多様な金融事業の投入を考えている。また銀行業の面では、アジア経済の根幹を成す事業へと成長させていく。
ウェブサイトにも「既成概念にとらわれない、ファイナンシャルサービスを提供」とあるが、インドネシアで提供するGL社との協業は“これまでローンを受けられなかった、受けるサービスがなかった地域住民に対し、誰もやったことがない垣根の低いファイナンスサービスの提供”であり、まさに既成概念にとらわれない、サービスの提供である。
「同時に私たちも収益を確保しなければ社会貢献ができないことになります。各国が経済成長していくステージに合わせ、次々と新事業を積極展開していく考えを持っています。中長期的なビジョンはアジアのリテールファイナンスを制覇することです。」と藤澤信義社長は語った。

※上記の内容は、藤澤信義社長のご挨拶にも記載されております。