東京都八丁堀に本社を構え、今年で2年を迎えた。独自のロジック(論理)とロジスティクス(物流)を武器に、高い専門性を兼ね備えた新たなビジネスモデルを提案し、成長を続けている。

今回はその株式会社アドロジ取締役社長東岱広直氏にインタビューを行った。

子供の発達を促進できる知育玩具

―貴社商品「紙の家 Nullie(ヌリー)」は多数のメディアに取り上げられ、非常に注目を浴びています。本商品の簡単なご説明と、多数のメディアに取り上げられた要因をお伺いできますでしょうか。

東岱広直:
紙の家Nullie(ヌリー)は、紙でできたパーツを組み合わせて、大小様々な家やお城、ロケットなどを作ることができ、ただ組み立てるだけでなく完成後、自由に好きな色を塗ることができる知育玩具です。おままごとや組み立て(パズル)、自由に塗り描きできる塗り絵の要素があって児童や幼児の想像力を高めたり、指先を使うトレーニングにもつながります。その他にも紙でできていて重量も軽く折りたたむこともできるのでスペースの確保や安全面、廃棄時の環境的にも優れており、子供の落書き対策や何より親子一緒に塗り絵や組み立てを楽しむことができます。そのようにNullieは様々な機能が凝縮されて効率よく子供の発達を促進できる点やこれまでになかった新しさ、それらの点が多数のメディアに取り上げていただいた要因につながっていると考えております。

商品開発の合言葉「おもしろさ」「新しさ」「顧客目線」を忘れずに

―「紙の家 Nullie(ヌリー)」以外にも「パリT(パリティー)」や「PONEETA(ポニータ)」など、貴社が取り扱う商品は独自性が高いものが多く、注目を浴びる商品が多いですが、そういった商品の選定や開発のコツはあるのでしょうか。

東岱広直:
コツというか、常に心がけていることは、おもしろさ、新しさ、顧客目線の主な3つです。弊社では消費者が何を求めているかを常に意識しており、それらの思いは需要となって現れます。弊社は基本的に中国から商品を開発・輸入しておりますが、闇雲に面白そうなものを中国から仕入れるのでなく、ある程度販売実績のある商品を調査します。ただそのまま実績ある商品を販売しても新しさ、面白みにかけ、消費者からすれば、他社の商品と比較しても弊社の商品を選ぶことにあまりメリットがありません。そのため、常に市場調査では現在売れている商品の本質は何で、また何を求めて商品者はその商品を購入しているかを考え、その延長上でより付加価値を乗せて提供する事を心がけています。

Nullie等はその点において、塗り絵、パズル、積み木、おままごとなど、様々な需要のある人気おもちゃの要素を携えているだけでなく、紙であることから安全面、環境面、その他片付けやすい点や親子や友達との共同作業や親御さんもある程度安心して遊ばせられるなどのメリットが多い点から、購入いただいた方にはきっと満足していただけると思い販売しました。

東岱広直氏のおすすめ商品

―現在、売り出し中の商品があれば是非ご紹介頂けますと幸いです。

東岱広直:
すでに売り出し中の商品ではありますがやはりパリTはおすすめの商品です。パリTとは周りの音にリズムに反応・流動して発行する光るTシャツです。もともと音のリズムに合わせて光るTシャツは市場にある程度出ておりましたが、デザインがイマイチなものも多いと感じておりました。もともと光る要素とは何かを主張したい思いがあって、それをより強調するメリットがあると思います。ただ既存のデザインではよく分からないマークがただ光るだけなので、せっかく早いリズムでも遅いリズムでも臨機応変に発行できるポテンシャルを活かしきれてないと感じました。そんな時、音に合わせて光るという要素と強く主張したい要素で相性が良いと思いついたのがクラブミュージックとナンパです。

私自身はシャイな性格でクラブやナンパというものには縁はありませんが、クラブ=ナンパというイメージがあり、ナンパをする人の立場で考えて見たときに、目立てて、ネタにもなり、何よりダイレクトに目的を伝えられる要素があれば、非常に面白いのではと考えました。ナンパで多少会話が苦手でもTが代わりに主張してくれるのでぜひパリピの方にはパリTを着用して女の子から電話番号をゲットしていただきたいです。

『三方よし』を目指す経営戦略とは

―.少し視点を変えて、東岱広直社長の経営戦略についてお伺いします。「常に『三方よし』の精神で、みんなが幸せになるように」という考えをお持ちだとお伺い致しましたが、その視点の重要性に気づいたきっかけやその戦略が具体的に成功したエピソードがあればご教示下さい。

東岱広直:
ご質問にある「みんなが幸せになるように」を考えるようになった具体的なきっかけは正直覚えておりませんが、気がつけばいつのまにか考えるようになっておりました。またこの考えは戦略として捉えているわけではなく、日常生活で心がけていることです。その考えて成功した具体的なエピソードという点でいうならば、今起こりうるすべての良い事柄はそのような考えによる行動の結果と捉えております。当たり前のことですが今の私があるのはこれまでの人との出会いや支えがあってのことです。その中で私は常に出会った人への感謝の気持ちを忘れず言葉ではなく、仮に損をしたとしても常に自分から相手のプラスになる行動を起こして信頼を得られるよう尽くします。そのような行動を続けることで今の同じ覚悟を持って切磋琢磨できる仲間と出会い信頼関係を築けました。

強い信念と柔軟な発想がアドロジの素

―東岱広直社長が求める人材像についてお伺い致します。貴社が求める人材像や社長の右腕として活躍するために必要な『素質』をご教示下さい。

東岱広直:
三方よしを掲げる弊社では個人だけが満足するのでなく会社の仲間、お客様全てが満足することです。従って個人の価値観、正義を貫くことでなく,相手の考えに耳を傾け理解する姿勢と、自分の考えを相手により良く伝える工夫が必要です。また企業理念やビジョンの実現に向けて、仕事の成功や達成を求めていきます。 社員、お客様それぞれが成功、達成、満足するためにはどうしたらよいのか、自分はどう行動すべきか、目先の作業や手段にとらわれず、常に目的意識や信念をもち、将来を予測しながら行動する柔軟な発想が必要となります。組織とは個々がそれぞれの役割を果たしていくことでよりよく機能しますので、個々の重要性を意識、理解し、責任感を持って成功や達成を求めていける人材を求めます。

東岱広直氏が考える日本の物流の将来とは

―最後になりますが、物流・物販を事業として行われている貴社において、日本の将来の物流・物販の在り方、また輸入物販の日本における今後の地位がどうなっていくのかについてご教示下さい。

東岱広直:
日本はモノづくりで各国にモノを輸出し、急速に大きく成長してきた国です。その反面、これまで各国に様々なモノや技術を送り出したことから世界基準でモノづくりの技術は上がり、近年のIT革命や少子高齢化問題も相まって、国の成長は止まり、さらに技術の垣根がなくなっていくことから、一部日本の国土特有の穀物やモノづくりは省き、モノを世界に送り出す国から人やモノを受け入れる国に変わってきています。

さらにITの発展から現在でも物流において個人レベルがより気軽に輸出入できる環境が整ってきているため、国の規制はあるものの、今後も輸入物販の需要は高まっていき、より良い輸入先も時代に合わせて変わっていくと思います。その中で大切なのは商品を販売するお客様の声を忘れず、お客様をより満足させるには何が必要かを考え行動していくことです。