ロビンスジャパン株式会社・代表取締役社長の木下一博氏に同社の優位性や輸入住宅のメリットデメリット等を聞いてみました。

オシャレなハウスメーカーとして地場では知名度も高く、HPには建築例も多く掲載されていますが、他社と比較した場合の優位性はどこにあるのでしょうか。

また、そもそも輸入住宅を購入するメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

千葉県八千代に本社を構え、都心にも積極的に展開する同社だからこそ、地方のハウスメーカーの参考になるような独自の取り組みや成長戦略があります。

輸入住宅の実例とロビンスジャパンの事業展開

ロビンスジャパンが主軸に据えている「輸入住宅」とはどのような住宅なのでしょうか。ここでは実例を見ながら輸入住宅の概要について説明していきます。

注文住宅を依頼したことがある人であれば一度は聞いたことがあるかもしれませんが、一般の人にとっては聞き慣れない単語だと思います。輸入住宅とは「海外の設計や資材などを輸入して、日本国内で建築する住宅」という定義があります。

海外のライフスタイルと日本のライフスタイルは違いますから、当然のことながら、日本の住宅と海外の住宅では見た目や住宅が備えている機能性が違ってきます。日本には日本人にあった住宅になっているのです。

ただ、日本人でも海外の住宅が好きで、海外の住宅と同じ仕様・見た目にしたいというニーズが高まってきています。その人達をターゲットにして、事業展開をしているのがロビンスジャパンです。

輸入住宅と言ってもイメージが湧きづらいと思います。そこで、同社の強みにもなっている「デザイン性」を知るために実際に完成している住宅の特徴を並べてみました。

<ロビンスジャパンが手がけた輸入住宅>
・古い街並みにもなじむ輸入住宅
・ラスベガスのガレージハウスに憧れたバイクライフを満喫
・モールディングやパネルモールドを贅沢に使ったロマンチックな内装に
・旅行先で見た感動的に美しい風景に憧れて、南ヨーロッパのオシャレな家
・北米スタイルのラップサイディングの輸入住宅
・北米風にアレンジ、レンガや白タイルで流行にまどわされない家を実現
・アンティークを楽しめるサーキュラー階段の輸入住宅
・映画ハリーポッターの館を彷彿とさせるアンティークなインテリアが映える住宅
・スタンダードなシンメトリースタイルのモダンヨーロッパ調、憧れの暖炉も採用
・スペイン調のインテリア、クラシカルテイストの外観で統一 

※写真が気になる方は、ロビンスジャパンの輸入住宅の建築例をご覧ください。

最近、北米の雑貨やインテリアが流行しており、住宅におけるインテリアコーディネートへの興味関心も高まっています。更にInstagramのようなSNSの利用者が激増したこともニーズ増加の要因になっています。その中で、「輸入住宅」という形態も徐々に進化を遂げているのです。

同社は、そんなニーズに応えるようなデザイン性の高い「輸入住宅」を手がけているのです。特に得意としているのは「北米」「南仏」「英国」「北欧」の住宅デザインであり、住宅を通じて美しい街並み・社会を創造していくことがミッションになっています。

「個性」を実現することが同社の強みであり、他と差別化できるデザイン性の高い住宅づくりが同社の強みと言っても良いのではないでしょうか。

次は、実際に輸入住宅を利用するメリットデメリットや室内環境、デザイン面の良し悪しを見ていきましょう。

輸入住宅のメリット・デメリット

ロビンスジャパン株式会社・代表取締役社長の木下一博氏が考える輸入住宅のメリット・デメリットとは、どこにあるのでしょうか。

木下氏との会話の中で上がってきたのは「トラディショナルな住宅」というキーワードです。直訳すると、「伝統的な住宅」であり、受け継がれていく住宅という意味合いです。

同社の方針の中に、「流行にまどわされず、資産の目減り、デザインの陳腐化を防止すべくトラディショナルなロビンスジャパンのブランドを育て」というフレーズがあります。まさに木下氏が考える美しい住宅そのものであり、「輸入住宅」の本質的な価値を示す言葉であると考えられます。

日本の住宅と違ってアメリカや欧米の住宅は100年~200年は普通に利用されています。
即ち、リフォームやリノベーションを行い、住宅を長く使い続けるという文化が根付いているのです。

日本では建物を取り壊し新しく建築するケースが多く、古い住宅を活用するという文化が根付いているとは言えません。日本の空き家問題に拍車をかける一因になっているのです。古い住宅は無価値だという社会の風潮や価値観があるということなのでしょう。

木下氏によると、同社が手がける輸入住宅はデザイン性に優れているところが強みになっており、まさにアメリカや欧米の住宅の考え方を取り入れた住宅になっています。デザインやユーザビリティ等において、伝統的に受け継がれるという前提で建築されているのです。

そのため、「資産」として長く受け継がれ、次の世代にも「資産」として受け継ぐことができるということがメリットなのです。

デメリットとしては、「デザイン面の好み」が挙げられます。デザイン性を求めない普通の戸建てを建てたいという方にはそもそもニーズがマッチしない可能性があります。

上記に並べた特徴やロビンスジャパンのHPに記載されている写真を見て頂くと分かりますが、特徴的な住宅が多くなっていますので、まずはコンセプトに共感できるかどうかという点が重要になります。

またデメリットにもなり得るのは「コスト面」です。ロビンスジャパンの坪単価を見るとかなりリーズナブルですが、建材は海外から輸入するだけあってコストがかかります。各オプションや追加の依頼等のコスト感を把握しておく必要がありそうです。

デザインで室内環境を改善

次に「室内環境」の特徴を聞いてみました。施工事例の写真からも分かるように「見た目」という観点では、アンティーク調の家具やレンガタイル、無垢の木材など、オシャレに仕上がっている住宅が多く、デザイン性に優れている点がアピールポイントとなっています。

木下氏も仰っていましたが、「デザイン性」は同社が最もこだわっているポイントであり、室内環境にも影響を与えるものです。

キッチンのタイルをカラフルにして、オシャレなペンダントライトを付けるだけでも日々の料理が楽しくなったり、整理整頓ができるようになったりと、日々の生活にも影響を及ぼすのです。

他社と比較した強み

次に他社と比較した強みを見ていきましょう。

「輸入住宅」と検索するとロビンスジャパンのHPが10位に表示されています。他の中堅規模のハウスメーカーも数社ヒットしますが、大手の東急ホームズ等も出てきますので、輸入住宅市場は決して小さいものではないことが分かります。その中でTOP10に表示されるということはユーザーとのコミュニケーション量や実績が多いと推測できます。

木下氏は、この「実績」が強みになり得ると考えています。注文住宅を検討する人は、必ず住宅展示場か完成見学会に参加して実例を見ます。それだけ「実績」が気になるのです。実績が多いということは、強みであり、様々なニーズに対応できることの証でもあります。

全国に9箇所営業所を保有しており、山梨や長野などの広い地域で営業を行っているという点は同社の強みです。地域によっても様々なニーズがありますので、各地域性などを理解した住宅づくりの経験値が多いというのは強みでしょう。

また、注文住宅の中には「北欧」や「ヨーロッパ」等の地域を絞って輸入住宅を展開している企業が多数ありますが、ロビンスジャパンは一つに地域を絞っているわけではありませんので、顧客の幅広い要望に応えやすいという点は強みです。

低コスト・手の届く価格を実現

気になる価格面では、決して平均的な金額より安価とは言えませんが、輸入住宅の中ではかなりコストが最適化されている印象です。

例として2種類のプランを見てみましょう。

・ハイジフォーシーズン 坪単価27.7万円
・ナチュラルライフタイプ 坪単価28.2万円

坪単価30万円を切っており、通常の住宅であれば1,000~1,500万のコスト感で建てられる計算になります。もちろん、広さやエリアによって違いますが、決して高くはないことが分かります。

ただ、先に記載したように、輸入住宅ということですから、材料の調達にはコストがかかることが予測できます。オプションや建築中の追加項目などはそこそこのコストがかかってしまうケースも見られています。

特徴的な5タイプ/ユーザビリティを意識

同社は5タイプ(リフォームを入れると6タイプ)のLINEUPを揃えており、それぞれにユーザーにイメージしてもらいやすい傾向や特徴を持たせている点が特徴的です。

・ハイジフォーシーズン
・ナチュラルライフ
・オレゴン&カントリーシリーズ
・パステルパレットシリーズ
・ヴィンテージシリーズ

輸入住宅と言っても種類は様々で、明確にはイメージが固まっていない方がほとんどですので、そういった方にとってイメージが湧きやすい一つのコンテンツになっているのです。
ユーザーが同社との相性を測るという意味でも有効です。

「輸入住宅」と検索して上位に表示されるのも、WEB上でユーザーとのコミュニケーションがスムーズにできるように考えられているからだと予測できます。

住宅の性能や工法

次に住宅の性能や工法について見ていきましょう。後ほど紹介しますが、同社の工法は「2×4工法」を採用しています。耐震性も高いと言われている工法ですが、断熱材の効果や窓の設計や機能性、耐震性などについて見ていきましょう。

断熱材

まずは断熱材についてです。床や壁の内部に埋め込まれています。ツーバイフォー住宅では、石膏ボードとともに木材の発火を遅らせることができるようになっています。

機能としては、「ファイヤーストップ構造」という防火機能を備えています。火の通り道となってしまう床や壁の内側に枠組材等を入れておき、それがファイヤーストップ材となる仕組みになっています。2重3重で防火機能を備えているとイメージするのが良いかと思います。

断熱材は様々な種類があり、選べるようにもなっていますので、断熱材はスタンダードな素材が使われていますので、気になる方は同社と相談してグレードアップするという手もあります。

次に窓について見ていきましょう。窓は多くの人が気になっている箇所であり、家の雰囲気にも大きな影響を与える機能の一つです。

利用した方の中には、「樹脂サッシ」「樹脂のペアガラス」等の単語が出てきており、樹脂素材が人気であることが分かります。

あとは無垢材の取扱もあり、窓のデザインにこだわる人は別途、無垢材で統一している住宅もあります。

耐震

単にツーバイフォー工法であれば耐震性が高いという認識はあっているのですが、予備知識が必要です。

ツーバイフォーという工法はあくまで一つの工法であり、従来の工法も最近では、耐震性が大幅に向上していますので、徐々に差はなくなってきているというのが現実かと思います。

ただ、2000年の建築基準法開成において、木造戸建ての耐震性が大幅に向上しましたので、それまでに建築された住宅はツーバイフォー工法のほうが地震に強いと言えます。

つまり、世の中一般的にはツーバイフォー工法のほうが耐震性に優れているというのはあっているのですが、従来の工法でも徐々に技術力がアップしてきているというのは知っておくべきでしょう。

同社は乾燥剤であるS-P-F材を使用しており、ツーバイフォー工法を採用しているため、耐震性は問題なさそうです。

木下氏は、ユーザーが積極的に情報を取りに行ってより良い施工方法を提案してくる時代とも言っています。耐震性や耐火性など、災害に備えた住宅も最低限必要な機能の一つになってきているのでしょう。

輸入住宅市場の拡大に向けて

木下氏は「アーツ・アンドクラフツ」スピリッツによる住宅を創るということを強調されています。

これは、「アーツ・アンド・クラフツ運動」なるものがあり、イギリスのデザイナーが主導した運動のことを意味しています。

産業革命の結果として大量生産による安価で粗悪な商品が溢れていましたが、中世の手仕事に帰り、生活と芸術を統一することを主張し、美術工芸の価値を高めるきっかけになったとされています。

木下氏の「アーツ・アンドクラフツスピリッツ」とは、住宅デザインを研究し、その知見を活かした建物・住宅を作っていくという想いがこめられています。
また、この「アーツ・アンド・クラフツ運動」は結局、高価な商品になりすぎたという批判もあったと言われています。

木下氏の口から、度々「手の届く価格」「低コスト」という言葉が出てきましたが、「アーツ・アンド・クラフツ」から学んだことなのかもしれません。高価になりすぎてはユーザーに受け入れられませんので、バランスを大事にしているのでしょう。

ヨーロッパの街並みはそれ自体が観光地になっている場所もあり、大きな価値を生んでいます。ロビンスジャパンの輸入住宅が増えれば、そんな価値のある街も増えていくのかもしれません。

※輸入住宅の実例は、ロビンスジャパンの輸入住宅にも記載されています。

最終更新日:2019年4月8日