3.惑星探査
人口問題と資源問題の解決策のひとつとして、惑星探査への期待が高まってきています。地球以外に居住に適している惑星があるのか、また、地下資源を埋蔵している星はあるのかを探り、問題解決の道を模索します。
たとえば身近な惑星である火星にコロニーをつくるとするならば、火星にどのような資源があり、生活する上で必要なエネルギーはどこから得られるのかといったことを知るためにも火星を探査する必要があります。
研究の結果によっては、遠くない将来、私たちの子孫が火星などの地球以外の惑星で生活するというSFの世界が現実になるかもしれません。
また、生活や資源採掘に適した惑星が見つかった場合には、実際に惑星を開発するための採掘機や輸送用ロケット等も必要になるため、企業だけでなく国を越えた協力が必要になる分野です。
企業の動向・世間の注目度
惑星探査は、日本では数百という企業が参加しておこなっています。
たとえば、日本航空株式会社や三井住友海上保険株式会社などの大企業が協賛するベンチャー企業、株式会社ispaceによるプロジェクト『HAKUTO』は、世界各国の宇宙開発グループが月面探査において競う「Google Lunar XPRIZE」に参加する唯一の日本のチームです。
『HAKUTO』の思いを継いだ『HAKUTO-R』は、2021年には月面着陸、2023年には月面探査を予定しており、日本はもちろん世界からの注目を集めると予想されます。
また、地球上には存在しない資源を発見すれば科学や医療が飛躍的に進歩する可能性もあるため、宇宙ビジネスの中でもとりわけ企業が力を入れたい分野とも言えます。
4.宇宙エンターテインメント
宇宙を活用したエンターテインメント事業も、近年、注目を集めています。
金属等を大気圏突入の際に燃やすことで人工的に流れ星を作ることや、全方位にカメラを搭載した小型衛星を利用して宇宙旅行を疑似体験できるシステムなど、さまざまなアイデアが実現化に向けて稼働しています。
宇宙を活用した壮大なサプライズが身近なものとなっていくでしょう。
企業の動向・世間の注目度
近年、ベンチャー企業や大企業の開発部署が宇宙エンターテインメントに乗り出し、新たなニーズを開発しています。
たとえば旅行会社大手の株式会社日本旅行は、前述の事例でも紹介したインターステラテクノロジズ社と業務提携し、観光産業としての宇宙事業に乗り出しています。
観測用ロケットの打ち上げを見学するツアーや宇宙について学ぶツアーを用意し、多くの人が宇宙をより身近に感じるプランを提案しています。
また、小型衛星を活用して宇宙旅行を視覚的に体験できるエンターテインメントサービスは、大手芸能プロダクション「オスカープロモーション」の宇宙事業開発本部が手掛けています。
今後も、今まで宇宙とはあまり接点がなかったような企業が、エンターテインメントという身近な分野から宇宙に関わっていくことが予想されるでしょう。
また、社長名鑑でも、世界で初めて人工流れ星の開発に取り組む「株式会社ALE」を取り上げております。
インタビュー動画では、流れ星事業立ち上げを決めた経緯や創業者である社長のお人柄がよく分かる内容となっております。詳細は下記よりご覧ください。
ALE社 インタビュー動画
まとめ
規模を問わず、多くの企業が関心を寄せる宇宙ビジネス。
これら4つの事業領域の発展・実用化が、私たちの生活にどのようなイノベーションをもたらしてくれるのか、とても楽しみですね。
参考サイト:
「はやぶさ2」がリュウグウを出発、地球帰還へ - アストロアーツ
「第18回 超小型衛星の特徴や利点について」
The Univ. of Tokyo, 21COE Program "Mechanical Systems Innovation"
WEB版『航空と文化』 超小型衛星が切り拓く宇宙開発のフロンティア 船瀬龍
Weathernews Inc.
宇宙ベンチャーの資金調達!国内・海外宇宙ビジネスの調達方法と実例まとめ【2019】 | 宙畑
スパークス・グループ、「未来創生2号ファンド」設立-トヨタ・三井住友銀行も再び出資・目標額500億円 :日本経済新聞
超小型人工衛星で宇宙産業を切り拓く ―宇宙への想いを繋ぐ学生と研究者― | 研究ストーリー | 研究 | 東京工業大学
超小型衛星ビジネスの活発化で注目される電気推進の新技術 :: concrete5 Site
20世紀の宇宙競争はロシアの勝利で幕 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
JAXA | 航空宇宙技術研究所(NAL)沿革
新世代小型ロケット開発企画株式会社の事業会社化について
HAKUTO-R
宇宙エンターテインメント事業を推進する業務提携契約を締結|株式会社 日本旅行のプレスリリース