モノを作る・買うという方法が主体の消費社会から変革の時を迎えつつあります。

近年、時間や空間、スキルなど個人が持つ遊休資産を、インターネットを通じて貸し借りをする「シェアリングエコノミー」という新たな経済の形が注目を集めています。

実際にシェアリングエコノミーの市場規模は拡大しており、2018年の時点で1兆8千億円超、2030年には11兆円以上もの規模になると予想されています。

今回は、そんなシェアリングエコノミービジネスを展開する成長著しい6社のベンチャー企業について紹介していきます。

※本ページ内の情報は2019年12月時点のものです。

1.akippa株式会社
2.株式会社エニタイムズ
3.株式会社エアークローゼット
4.株式会社JTOWER
5.株式会社ココナラ
6.株式会社スペースマーケット
まとめ

1.akippa株式会社

出典:駐車場の予約なら akippa (あきっぱ)

akippa株式会社は、借り手が決まっていない月極駐車場や、使っていない個人宅の駐車スペースなどを持っている人と駐車場を借りたい人をマッチングさせるシェアリングアプリ『akippa』を運営するベンチャー企業です。

2019年8月時点で累計利用者数は150万人を突破し、同年10月には資金調達額が35億円を超えるなど、ユーザーの支持を着実に得ているサービスです。

代表取締役社長CEOの金谷元気氏は、日本プロサッカーリーグ2部リーグの元クラブ練習生という異色の経歴の持ち主です。

練習生の給与だけでは生活が難しく、掛け持ちで傘の販売やイベント時のジュースの販売などを経て、商売の楽しさを知った金谷社長は2006年に個人事業主として求人チラシ事業を開始。月に数十万円の利益を出すことに成功し、この体験からビジネスの道へと進む決心をします。

その後、「世の中になくてはならない『インフラ』のような事業をつくりたい」という想いから、外出先で車が停められないという「困りごと」を解決する駐車場シェアリングサービスを着想し、『akippa』のビジネスモデルを完成させました。

今後は駐車スペースを電気自動車の充電スタンドとして活用したり、レンタカー会社と協力してレンタカー営業所内の駐車スペースを貸し出したりするサービスなどを推進させ、事業のさらなる拡大を視野に入れています。

akippa株式会社の原点となる「インフラのような事業をつくりたい」という想いは、どういうきっかけから生まれたのか。詳しくは下記のインタビュー記事をご覧ください。

akippa株式会社 社長インタビュー記事

突然の暗闇に差した一筋の光明。世界一を目指す“駐車場シェアリングサービス”誕生のきっかけとは

akippa株式会社 代表取締役社長 金谷 元気

2.株式会社エニタイムズ

出典:ANYTIMES : 近所で、会って、助け合い

株式会社エニタイムズが提供しているご近所助け合いアプリ『ANYTIMES』は、「ちょっとだけ人手を借りたい」というときに活用できるサービスです。

家の掃除や夕食の準備、家具の組立といった日常のちょっとした用事を頼みたい人と仕事をしたい人とをアプリを通じてマッチングを実現。2018年1月時点での利用会員数は約3万4,000人で、総務省が公表したデータからエニタイムズ社が推定した「潜在的な空いた時間に働きたい人」は500万人とのことですので、今後さらに利用者が増えることが予想されます。

代表取締役の角田千佳氏は、経営者として働く両親の背中を見て自分の好きなことを仕事にすることに対する憧れを持ち、自身の28歳の誕生日に株式会社エニタイムズを創業しました。

創業から2年目の2015年に行った社長名鑑のインタビューでは『ANYTIMES』の在り方について「マッチングをするだけじゃなくて、例えば災害があった時に助けあうネットワークになるなど、ネットワークになるようなサービスにしていきたい」と語る角田社長。

近所づきあいが希薄化している現代日本において、ますます注目のサービスとなる『ANYTIMES』誕生の裏側と角田社長の想いを、インタビュー動画でご覧ください。

株式会社エニタイムズ 社長インタビュー動画

地域活性から国際支援へ!若き女性社長がつくる新たなCtoCビジネスとは

株式会社エニタイムズ 代表取締役 角田 千佳

3.株式会社エアークローゼット

出典:【公式】洋服レンタルならairCloset(エアークローゼット) | スタイリストがコーデする借り放題のファッションレンタルサービス

株式会社エアークローゼットは、スタイリストがコーディネートした洋服を配送してもらう『airCloset』、専門家にスタイリングしてもらう『airCloset×ABLE(エアクロエイブル)」、自宅で試着して気に入ったものだけを購入する『pickss -ピックス-』といった、ファッションにまつわる課題解決を目指すベンチャー企業です。

『airCloset』はサービス開始4年目にあたる2019年2月に登録会員数は22万人を超え、取扱ブランド数は300以上、お客様満足度数は90%以上と規模を拡大しています。

代表取締役社長兼CEO・天沼聰氏は、海外の高校、大学へ進学し、経営学と情報学を学んだ後、帰国してコンサルティング会社へ就職。

マネージャーとしてチームをけん引した経験から、「チームで何かをつくる」ことに強いこだわりを持ち始めた天沼社長は、2014年に株式会社エアークローゼット(旧株式会社ノイエジーク)を設立しました。

2016年の社長名鑑のインタビューで、サービス立ち上げの目的について、「ファッションとの感動する出会いをつくること」と語る天沼社長。急成長の裏側にあった“強い組織づくり”への考え方とは。詳細は下記のインタビュー記事をご覧ください。

株式会社エアークローゼット 社長インタビュー記事

ファッションの新たな在り方を生み出した急成長ベンチャー

株式会社エアークローゼット 代表取締役CEO 天沼 聰

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