part.1 “ものづくり”ならではの難しさ
社長対談 第3回のゲストは、幻のスポーツカー『トミーカイラZZ』を復活させ、多様なEV(電気自動車)開発に挑むGLM株式会社の小間 裕康氏と、世界初、民間商用の超小型人工衛星を開発する東大発ベンチャー、株式会社アクセルスペースの中村 友哉氏。
新進気鋭の経営者が語る、ものづくりベンチャーの挑戦と可能性。その秘めたる想いに迫ります。
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“ものづくり”ならではの難しさ
【小間】
今日はよろしくお願いします。
【中村】
よろしくお願いします。じゃあまず乾杯から。
【小間】
はい。
(乾杯)
【小間】
どうですか?事業の方は。
【中村】
そうですね。御社もそうだと思いますけど、去年資金調達をしまして、ようやく新しい段階に入ったかなということで。我々も2008年創業なんで、もう8年目ですよね。そろそろダッシュを決めようかなということで、今年、また勝負の年だなと思っていますね。
【小間】
今従業員数ってどれくらいですか?
【中村】
今全体で、私を入れて16なんですけど、もっとどんどん増やしていこうかなと。
【小間】
丁度我々もそのくらいです。
【中村】
同じくらいなんですね。やっぱり、全然足りないですよね。
【小間】
足りないですね。
【中村】
どんどん採用していきたいなと思っています。我々はものづくりベンチャーっていうことで、ITベンチャーと違う、当然苦しみとか、逆に楽しみとかもあると思うんですけど、小間さんは、壁にぶち当たったこととかあります?
【小間】
今もぶち当たってます。
【中村】
そうなんですか?例えばどんな?
【小間】
最初はもちろん、つくれるのかというところと、つくって売れるのかっていうところですね。更に成長できるのかと聞かれて、それに答えていかないといけないところがあるんですけれど。元々車のベンチャーをやると言った時点で、100人が100人、バカかと言われるようなことをやり始めたんですが、公道を走るために認証というのを国土交通省から頂かないといけないんですね。そうじゃないと、ナンバーを付けて安全性が認められて、ちゃんと売っていいよという許可をもらえないんですけれど、この許可をもらうのが思っていた以上にとても大変でしたね。
【中村】
そうなんですね、まずそのスタートラインに立つのが結構大変という。
【小間】
そうですね。宇宙も認証ってあるんですか?
【中村】
宇宙は、これまでは国がやるものだったじゃないですか。だからそもそも仕組み自体が、民間がやるということを想定していないんですよ。だから、言ってみれば何をしてもそれを縛る法律っていうのはなかったんですね。
アメリカで宇宙ビジネスが盛んになってきて、日本でも始まりつつあるということで、慌てて、法律を今国会に提出されるんですけど、ようやくできるところなんです。ですので、我々の業界からすると実は規制というのはあんまりなくて、ただ、規制がない理由が、前例がないということなので、我々がビジネスする上で前例が無いことをやるということに対して、じゃあ買いましょうとか、投資しましょうというところまで至るのがとても大変なんですよね。
GLM株式会社 代表取締役社長 小間 裕康
EV(電気自動車)を開発する京大発ベンチャー。「幻のスポーツカー」と呼ばれる『トミーカイラZZ』をEVとして復活させた。2015年8月、VCなどから総額17億円の資金調達を行う。
小間氏は2010年にグリーンロードモータース(GLM)を設立。国内のベンチャー企業で初めて、EVスポーツカーでの認証を取得した。
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株式会社アクセルスペース 代表取締役 中村 友哉
超小型人工衛星を開発する東大発ベンチャー。世界で初めて民間商用の打ち上げに成功し、2015年11月には19億円の大型資金調達を行う。
中村氏は、東大在学中に超小型人工衛星の開発に携わり、卒業後、同専攻での特任研究員を経て、2008年にアクセルスペースを設立。
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