part.6 事業を支える“サポーター”の重要性

社長対談 第3回のゲストは、幻のスポーツカー『トミーカイラZZ』を復活させ、多様なEV(電気自動車)開発に挑むGLM株式会社の小間 裕康氏と、世界初、民間商用の超小型人工衛星を開発する東大発ベンチャー、株式会社アクセルスペースの中村 友哉氏。
新進気鋭の経営者が語る、ものづくりベンチャーの挑戦と可能性。その秘めたる想いに迫ります。

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事業を支える“サポーター”の重要性

【中村】
現在から見て、最初のお客さんに対する想いとかありますか?

【小間】
最初のお客さんは我々の会社ができる前からいたんですね。

【中村】
そうなんですね。

【小間】
もともと株主の方で、証券会社のトップをやっていらっしゃった方です。会社名から、ビジネスモデル、そしてやりたいことというのをディスカッションして、メンターとして事業の立ち上げからやって下さって、それで自ら購入もして頂いています。

なかなか高い車なのですが、役員会で「そろそろ一台目ができるんですけれど」という前フリをすると、「分かっているよ」といって買って下さったんですけれど、やっぱりサポーターという位置づけが、一台目のお客さんとしてはとても高かったですね。

【中村】
エンジェル投資家的な感じですよね。

【小間】
そうですね。

【中村】
そこも我々も似ているのですが、我々もまさにウェザーニューズさん、最初のお客さんになるんですけれど、結局ウェザーニューズさんが衛星を買うと決めてくれなかったら、我々の今はないんですね。

そもそも大学時代、卒業して起業しようと思って、ただお客さんがいないのに起業しても行き詰まると思ったので、とにかく使ってくれる人を見つけたいなというところで、ウェザーニューズさんと出合って、導入を決めてくれたから起業したという感じです。そういう意味では生みの親でもあります。

且つ我々が起業した時は、全員エンジニアなんです。ですので、経営の「け」の字も知らないという人たちが集まって、右往左往する訳なんですけれど、それまで学生だったから、社会の仕組みや会社のこともよく分からない。その中でウェザーニューズさんの後ろ姿を見て、経営ってこうやってやるんだ、会社ってこういうものなのだということを学びました。そういった意味では育ての親でもあると。

ですので、そういう生まれたばかりのベンチャーを温かい目で見守って育てていく人は我々にとってはラッキーだと思うし、そういう人がいてくれたからこそ、ここまでこられたのかなという想いはありますよね。

【小間】
ベンチャーを育てるエコシステムといいますか、環境というのが結構整ってきていますよね。我々の場合は、先ほどのエンジェル(投資家)という方や事業会社さんというのが、最初に、「どうなるか分からないけど、やってみろ」という方がちゃんといらっしゃって、そこで、その人に頼めば何とかなるだろうと思いながら最初は始めて、そうではないことに気付きながらちゃんと事業を組み立てていく。

そして次にある程度形になると、我々の場合、最初の車ができた時に大きく変わった点だったんですけれど、ものが本当にできてナンバーが取れたということを実証できた時点で、やっと夢物語じゃないんだなというふうに思って下さって、プロの投資家であるベンチャーキャピタルというのがやっと手を差し伸べてくれたんですね。

日本のベンチャーキャピタルが見てくれていることによって、海外のベンチャーキャピタルや事業会社が、日本で実績があるんだったらちょっとここで、更に次のステップに行くということで差し向けて下さるんですね。海外の事業会社からすると、それこそエンジェル投資みたいな感覚だと思うんですけれど。こういうのを今経験しているので、ベンチャーって楽しいなというのを、今もずっと感じながらやっていますね。

【中村】
やっぱりこういったダイナミックなことって、大企業にいて、サラリーマンをやっている中でなかなか経験できないことだと思って。当然山も谷もあるんですけれど、そういったこともひっくるめて貴重な経験だと思うし、ビジネスだけではなくて、普段の生活とかそういったところにも実は影響しているのではないかという気はしますよね。

やっぱりベンチャーをやっているといっても、1人でやっている訳ではいし、社員もいるし、サポートしてくれる方もたくさんいて、そういったつながりで成り立っているのだなというのが直接実感できるという意味でこういったベンチャーという道を選んで良かったなと思いますよね。

【小間】
そうですね。責任も重大ですけれどね。

【中村】
確かに責任も重大ですけれども。


GLM株式会社 代表取締役社長 小間 裕康

EV(電気自動車)を開発する京大発ベンチャー。「幻のスポーツカー」と呼ばれる『トミーカイラZZ』をEVとして復活させた。2015年8月、VCなどから総額17億円の資金調達を行う。
小間氏は2010年にグリーンロードモータース(GLM)を設立。国内のベンチャー企業で初めて、EVスポーツカーでの認証を取得した。

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株式会社アクセルスペース 代表取締役 中村 友哉

超小型人工衛星を開発する東大発ベンチャー。世界で初めて民間商用の打ち上げに成功し、2015年11月には19億円の大型資金調達を行う。
中村氏は、東大在学中に超小型人工衛星の開発に携わり、卒業後、同専攻での特任研究員を経て、2008年にアクセルスペースを設立。

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