クオンタムバイオシステムズ株式会社の会社概要

まずは、クオンタムバイオシステムズの会社概要について説明していきます。


社名
クオンタムバイオシステムズ株式会社
本社〒532-0011 大阪府大阪市淀川区西中島五丁目8番3号 新大阪サンアールビル北館601号室
設立2013年1月7日
代表取締役社長 兼 最高経営責任者(CEO)本蔵 俊彦
事業内容1分子解析技術に基づく革新的DNAシークエンサーの開発
(クオンタムバイオシステムズ株式会社ホームページより引用)

クオンタムバイオシステムズ株式会社の事業案内

クオンタムバイオシステムズでは、専門的な分野の研究開発を行っています。クオンタムバイオシステムズの事業内容は、以下の通りです。

■クオンタムバイオシステムズの1分子電流計測
医療分野においては、DNAの超高速解析、ウイルスやアレルゲン(花粉など)の超高感度・超高速検出に対するアンメットニーズが存在します。しかしながら、これまで世界の名だたる大企業の力をもってしても、市場で要求される超高速・超高感度検出を実現する次世代技術を開発できずにいました。

このような状況下で、クオンタムバイオシステムズが開発中のゲーティングナノポア法と呼ばれる新技術は、トンネル電流計測原理に基づいており、現状を打破する可能性を秘めています。米国国立衛生研究所(NIH)は、クオンタムバイオシステムズの技術を、既存の技術では実現不可能であった、超高速・超高感度の壁を突破する高いポテンシャルを持つ解析技術であると位置付けています。

クオンタムバイオシステムズの1分子電流計測は、ゲノム解析における究極の技術です。クオンタムバイオシステムズの技術は、DNAやRNAが、ナノギャップ電極を通過する際に発生する(塩基種類別の)トンネル電流の変化を計測して塩基を識別します。クオンタムバイオシステムズの各チップデバイスは、DNAやRNAの一本鎖が微細な流路を経て、ナノギャップ電極に誘導され、トンネル電流で測定されるように、デザインされています。

■クオンタムバイオシステムズの技術
クオンタムバイオシステムズ以外の研究所の技術においては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、一つ、または少数のDNA断片を数百万まで複製してから、DNAを解析しています。しかし、PCRによる増幅では、酵素による複製のばらつきを与えるため、オリジナルの塩基配列とは異なるDNAが作られることがクオンタムバイオシステムズの研究で分かっています(PCRバイアス)。しかしクオンタムバイオシステムズの塩基配列決定システムは、PCRをする必要がなく、1分子をそのまま計測するため、絶対定量性を持つ測定が可能となります。

クオンタムバイオシステムズのナノチップシステムは、複数のDNA断片を同時に計測することを可能とし、非常に速い処理スピードを持っています。クオンタムバイオシステムズのナノチップシステムの速い処理スピードは、トンネル電流の超重複計測を可能にすることで、塩基配列決定精度を劇的に向上させることにも寄与します。

クオンタムバイオシステムズのトンネル電流を用いて計測することで、DNAメチル化などの塩基修飾を検出することが可能になります。これは、クオンタムバイオシステムズのトンネル電流が修飾塩基と非修飾塩基のわずかな電気的性質の差を読み取る特徴を持つからです。エピジェネティクス研究では、修飾塩基の検出は極めて重要ですが、クオンタムバイオシステムズ以外のDNA解析方法では、塩基修飾を直接識別することができません。クオンタムバイオシステムズの技術により、エピジェネティクスの経時変化を個人レベルで計測し、解析することが可能になります。

クオンタムバイオシステムズの技術は、現在一般的にDNA塩基配列解析に用いられている蛍光試薬によるラベル化、PCR増幅などの前処理を必要としません。また、クオンタムバイオシステムズのチップデバイスは、大量量産を得意とする半導体技術で作製されるため、非常に安価に製造することが可能であり、誰もが必要に応じて安価にDNAを読むことを可能にします。

クオンタムバイオシステムズの科学顧問である大阪大学の川合教授は、内閣府のFIRST川合プロジェクトにおいて、1分子計測によるDNAシーケンサー開発をリードしてきました。昨年、このプロジェクトでは、クオンタムバイオシステムズの1分子電流計測によるDNA解析原理を実証し、この分野の研究者から大きな注目を集めました。クオンタムバイオシステムズはこの基礎技術を用いて第4世代のDNAシーケンサーの実用化を進めています。

■クオンタムバイオシステムズの装置
「QS1M」・・・第1世代のクオンタムバイオシステムズの装置は、MCBJ (Mechanically Controllable Break Junction)機構を装備しているのが特徴です。これにより、測定時にその場で極微細(サブナノメートル)のギャップ電極を作製することができます。また、クオンタムバイオシステムズの装置では電気泳動によりギャップ電極を通過するDNAの動きを制御することが可能です。このプラットフォームはまだ開発途上ですが、計測したデータをクオンタムバイオシステムズで公開しています。なお、一枚のチップ上に多数の電極を組み込むことで、複数のDNA断片を同時に複数回計測する超高速処理が可能となり、読取り精度の向上が期待されます。

「QS2G」・・・第二世代のクオンタムバイオシステムズの装置は、あらかじめナノポアやナノギャップ電極をシリコンウエハ上に作製したチップデバイスを使用することで、機械的にギャップ電極を作成するステップが不要となり、結果として装置は大幅なコストダウンと小型化が可能となります。ナノポアに設置されたナノギャップ電極を通過するDNAやRNAの運動を、クオンタムバイオシステムズの電圧制御でコントロールすることが可能となります。

(クオンタムバイオシステムズ株式会社ホームページ参照)

このようにして事業内容を見てみると、クオンタムバイオシステムズがいかに専門的な事業を展開しているかがわかりますね!

新しい技術の開発により、社会貢献してきたクオンタムバイオシステムズ株式会社!

これまで紹介してきたように、クオンタムバイオシステムズは1分子電流計測により、これまで不可能とされてきた技術の開発を成功させてきました。クオンタムバイオシステムズの技術は医療分野やこれからの研究に貢献し、人々の生活の質を向上させてきました。また、新しい技術を取り入れた物は比較的高価なことが多いですが、クオンタムバイオシステムズのチップデバイスなどは非常に安価に製造でき、誰もが簡単に利用することができます。これからもクオンタムバイオシステムズは新しい技術を開発し、社会貢献を続けていくことでしょう。

新しい技術を開発し、不可能を可能にしてきたクオンタムバイオシステムズの今後の活躍に注目ですね!