part.3 ロングセラーを生み出す秘訣

社長対談 第4回のゲストは、様々なリゾート地の再生を成功させ、日本に新たなリゾートの概念を生み出した“観光業界のカリスマ”星野リゾートの星野 佳路氏と、ライフスタイルブランドの「ショップジャパン」を運営し、『ビリーズブートキャンプ』『ワンダーコア』などのヒット商品を次々と生み出す、株式会社オークローンマーケティングのハリー・A・ヒル氏。
多くの人を感動させる商品・サービスを追求し、大企業へと成長させたお二人が語る経営の極意に迫ります。

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ロングセラーを生み出す秘訣

【星野】
ヒルさんのやっていらっしゃる仕事で興味を持ったのは、ヒットをつくるだけではなくて長く売り続けるとよくおっしゃっていますけれど、それってどうやったらできるのですか?最初にあまり売る力を強めないとか、そういうことなんですか?

【ヒル】
私がいつも社員に言っていることなんですけれども、商品じゃないんです。商品で見たら、意外と寿命が短いです。今我々はフィットネス商品を展開しているんですけれども、ほぼ私たちから買って頂いている90%の人は、フィットネス生活ができていない、(健康に)自信がない。そうすると、私たちがずっと商品を通じて付加価値、どういうふうに「簡単に続けるか」「ライフスタイルを変えるか」ということを伝える、こういうことを意識してやっているんです。

ですから、フィットネスを考えている人は、これが急に半年で終わるとか1年で終わることがないんですよ。ただ、商品は需要があるんです。さっき星野さんがおっしゃっていたんですけれども、我々の商品は、いきなり売れているように見えるんですが、こういった商品を販売開始から売れるようになるまでには、大体半年から2年くらいかかる。ですから同じなんですよ。良かった点、悪かった点、マーケティングに関するメッセージを書いたり、商品を色々改善したり。

【星野】
なるほど、商品も実際改善するんですね。

【ヒル】
改善します。やっぱり細かいところや、少しでも嫌なことがあったらお客様から聞くんですよね。最終的にこの商品ができて出した、それがヒットをつくったんだというのは、簡単に見えるけどそんな簡単じゃない。

今私たちの大きな課題としては、我々は通販という業態になるんですけれども、通販で商品を買うという日本の人口が大体34%なんです。ただ、商品ということでいうと、別に通販が好きなお客様だけじゃなくて、どんな人でもフィットネスとか健康とかビューティー(美容)とかに興味があって、それは別に通販好きなお客様だけじゃない。ですので、我々は、誰でも知っているようなライフスタイルブランドを目指しています。そういう部分では非常に星野さんのところは誰でも知っているので羨ましいですね。

【星野】
僕は1991年に事業を継いだので、その時は無名の地方の旅館だったんですよね。ですから、23年かかかりました。ずいぶん長かったんですよ、ここまで来るのにね。

まだまだ私たちも力が無いんですけれど、僕らは逆に、さっきのロングセラーの話なんですが、ロングセラーをつくっていくコツというのは、商品を改善するとおっしゃったじゃないですか。我々も変化だと思っているんですよね。毎年少しずつ変えていくってことがすごく大事で。

それも、私たちの場合35拠点あって、各地方にみんなスタッフが住んでいますから、私はそれらの拠点をどう変えていいかなんてわからないんですよ。現地のスタッフが自分で変えるというのが大事なんですよね。その現地が自分で変えられるような素材にしておくというのが、実は僕にとってはコツなんですね。

ですから、自分たちで変えられないテーマとか変えられないコンセプトのリゾートをつくってしまうと進化が止まってしまうんですよ。自分たちで変えられるものにしておくというのが、実は私にとってとても大事なんです。

その為にはやっぱり地域らしさとか、地域の食材とか地域の文化や自然、こういうものをテーマにしておくと住んでいる人(スタッフ)たちが自分で地域の良さがわかるじゃないですか。そうすると、お客様に提供する内容も毎年の様に変えていくことができる。それがロングセラーにつながる秘訣だと、私はリゾートでは思っています。

ですから、我々のホームページを見ていただくと、同じリゾートでも毎年魅力が変わる、写真が変わる、提供している食べ物が変わる。逆に進化するということがリゾートビジネスにおいてとても大事だと思いますね。


星野リゾート 代表 星野 佳路

30ヶ所以上でホテル、リゾート施設を運営。困難だと言われていたリゾート地の再生を次々と成功させる“観光業界のカリスマ”。
星野氏は慶應義塾大学卒業後、米国コーネル大学ホテル経営大学院へ入学。1989年に星野温泉(現星野リゾート)へ入社。約半年後にシティバンク銀行へ転職し、リゾートやホテル事業の債権回収業務などを担当。1991年に星野温泉(現星野リゾート)に再入社、代表取締役社長に就任。2001年に初めてリゾートの再生案件を受け、2004年に黒字化に成功。その後も困難だと言われていたリゾート地の再生を次々と成功させる。


株式会社オークローンマーケティング(ショップジャパン) 代表取締役社長 ハリー・A・ヒル

ライフスタイルブランド「ショップジャパン」を運営。『ビリーズブートキャンプ』『ワンダーコア』等のヒット商品を次々と生み出す。
ヒル氏は、米国コーネル大学文学部を卒業後、来日。その後、米国へ帰国し証券会社へ就職するも、日本での成功を目指し再来日。1999年にオークローンマーケティングに入社。コールセンター統括を経て、2006年に代表取締役社長に就任。ヒット商品からロングセラーへ育てることで、安定したブランドを確立したことにより、社長就任後6年間で3倍の売上規模にまで成長させた。

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