part.7 経営者を目指す人へのメッセージ
社長対談 第4回のゲストは、様々なリゾート地の再生を成功させ、日本に新たなリゾートの概念を生み出した“観光業界のカリスマ”星野リゾートの星野 佳路氏と、ライフスタイルブランドの「ショップジャパン」を運営し、『ビリーズブートキャンプ』『ワンダーコア』などのヒット商品を次々と生み出す、株式会社オークローンマーケティングのハリー・A・ヒル氏。
多くの人を感動させる商品・サービスを追求し、大企業へと成長させたお二人が語る経営の極意に迫ります。
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経営者を目指す人へのメッセージ
【星野】
僕の場合ファミリービジネスだったんですね。4代目なので、子供の頃からずっと事業を引き継ぐことを言われ続けてきたんです。
今日本の企業数の中の98%くらいですかね、これファミリービジネスなんですよ。
【ヒル】
日本の中小企業、すごいです。
【星野】
中小企業のほとんどがファミリーオーナーなんですね。ということはGDPの中でいうと、ざっくりした計算ですが大体半分がファミリービジネスですよね。数は多いですけど規模は小さいですからね。
このファミリービジネスが変わると、日本の経済は変わると思っているんです。アメリカがファミリービジネスというと社会的な評価が高いんです。日本で家族経営のファミリービジネスというと、どちらかというと評価が低くて、大手の会社に行った方が良い仕事ってイメージがあるんですよ、そこを僕は変えて欲しいと思っているんですね。
変えて欲しいというのは、ファミリービジネスを継いで、それを良くしていく、大きくしていく、そこにいる社員をハッピーにしていくことの方が、とても価値のある仕事だと思っていて。
それを日本の地方、特に地方にいる中小企業生まれの人たちに実家に戻って継ぐんだと言うふうに思ってもらえるようにしていきたいと思いますけどね。
【ヒル】
私も自分の子供に時々言うんですよね。子供はちょうど新卒で働いていますが、彼が自分で会社をつくろうという気持ちでお父さんより大きな会社をつくりたいと言ったとしたら、私は彼を絶対応援します。
ただ、ファミリービジネスだとかそういうことになったら、彼によく言うのは、私が0からスタートしたのは0だったから。でも、それぞれの人がそれぞれ違うところからスタートするんですけれども、単なる維持だけだったら充実感は出てこないじゃないですか。
0からスタートする必要はないけれども、どういうふうに自分で更なる成長ができるか、それは自由に夢を持つことだと思います。
結構最近の若い人は、無理に自分で天井をつくる。自分で天井をつくると絶対この上は見えない。0だったら怖いことはないです、良くないですけどね。しかし、怖いことはないのですが、(それを乗り越える)力をつけてくださいと言います。
多分星野さんの話を聞いて私もそうですけれど、やっぱり若い時から規律があったと思うんですね。勉強もあるし、仕事もあるし、趣味など、こういうようなことを特に若い時は経験をする。
25歳から始まらないと遅いだとか聞きますが、これからの医学だったら120歳、130歳まで、今の若い人たちは生きるかもしれません。そうすると、仮に30歳まで十分色々なことを経験して、その後にやるとか、そういうことも可能になるはずです。そういうふうに、もう少し勇気を持って毎日を過ごしていただいたら良いなと思いますね。
そうするとどんどんと地方で、自分だったらこういうふうに地方を変えると言う人が出てくる。
更に言うなら、私たちが日本に来て、フィットネス文化をつくるといったそういうビジネスをやる、外国から来た人たちがこういう新しいことが日本でできるようになること自体、20~30年前だったらなかなか誰も想定しないことですけれど、でもそれは夢を持って、コツコツやればできると思います。
ギブアップをしない、天井をつけない。それは是非言いたいなと思いますね。
星野リゾート 代表 星野 佳路
30ヶ所以上でホテル、リゾート施設を運営。困難だと言われていたリゾート地の再生を次々と成功させる“観光業界のカリスマ”。
星野氏は慶應義塾大学卒業後、米国コーネル大学ホテル経営大学院へ入学。1989年に星野温泉(現星野リゾート)へ入社。約半年後にシティバンク銀行へ転職し、リゾートやホテル事業の債権回収業務などを担当。1991年に星野温泉(現星野リゾート)に再入社、代表取締役社長に就任。2001年に初めてリゾートの再生案件を受け、2004年に黒字化に成功。その後も困難だと言われていたリゾート地の再生を次々と成功させる。
株式会社オークローンマーケティング(ショップジャパン) 代表取締役社長 ハリー・A・ヒル
ライフスタイルブランド「ショップジャパン」を運営。『ビリーズブートキャンプ』『ワンダーコア』等のヒット商品を次々と生み出す。
ヒル氏は、米国コーネル大学文学部を卒業後、来日。その後、米国へ帰国し証券会社へ就職するも、日本での成功を目指し再来日。1999年にオークローンマーケティングに入社。コールセンター統括を経て、2006年に代表取締役社長に就任。ヒット商品からロングセラーへ育てることで、安定したブランドを確立したことにより、社長就任後6年間で3倍の売上規模にまで成長させた。
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