本記事では、創業39年目を迎えた株式会社セキュリティロードが今期掲げるテーマ「NEXT STAGE」の核心から、DXを駆使した事業の進化、新たな組織戦略、そして2030年に向けた壮大なビジョンまで、齊藤社長へのインタビューを通じて深掘りしていきます。

警備会社から「総合セキュリティサービス」へと飛躍を遂げる同社が、次世代のリーダーに求める役割や、未来への覚悟について、詳しくお話をうかがいました。

「Re:Start」を経て、今期「NEXT STAGE」への決意

ー 創業39年目を迎える今期、新たなテーマとして「NEXT STAGE」を掲げられています。その足掛かりとして、昨期は会社を根底から見つめ直す「Re:Start」の1年だったとうかがいましたが、改めて組織のあり方や企業価値を再定義された背景には、どのような想いがあったのでしょうか?

齊藤社長:
今期のテーマは「NEXT STAGE」ですが、昨年は会社を根底から見つめ直し、再出発を図る「Re:Start」をテーマとして掲げた1年でした。 率直にお話ししますと、2年ほど前に会社が急成長していく中で、組織内の整備が追いつかず、多くの方にご迷惑をおかけする事態がありました。

長年培ってきた会社のひずみが一気に噴き出したのだと思います。原因を突き詰めると、経営理念が全く浸透していなかったことに尽きます。

「人として正しいこと、美しいこと」という、本来あるべき社内文化が、経営層や管理者にすら理解されていなかったのです。

そこで、役員や幹部の刷新といった痛みを伴う改革を断行し、管理部門や監査機能を徹底的に強化しました。コンプライアンスや規定をしっかり守れる組織へと生まれ変わるため、1年間かけて基礎を固めていきました。

こうした理念や考え方を、現場の警備スタッフ一人ひとりにまで浸透させ、体現していくことが、私たちが目指す「地域で一番感動されるサービス」の定義だと考えています。

現場を救うDXと「命を守る」新技術

ー 警備業界全体の人手不足が注目される中、貴社では今期から本格的にDX導入を進めていくとうかがいました。例えば「無線型信号機システム」などのテクノロジーを活用することで、現場の働き方や安全性はどう変わっていくのでしょうか。

齊藤社長:
現場のDX化については、今期から本格的にSINシステムの導入を進めています。その代表例が、山口県の企業(CGSコーポレーション様)が開発した「無線型信号機システム」です。

この画期的なシステムを使用すれば、3名で誘導していた現場を2名に、2名の現場を1名へと省人化することが可能です。オペレーターが安全な位置から手元の操作で信号を切り替えるため、ヒューマンエラーが起きにくく、現場の安全性は飛躍的に高まります。

こちらの取り組みは、業界が抱える深刻な人手不足の解消に直結します。浮いた人員を別の現場に配置できるだけでなく、警備員が炎天下でずっと立ち続けて誘導する負担を減らし、熱中症対策にもつながります。

人の代わりになるシステムを積極的に導入することで、従業員の命と健康を守りながら、クライアントにも安全で効率的なサービスを提供していくのが我々の戦略です。

警備の枠を超えた「総合サービス」への進化

ー 公式ホームページのメッセージでも触れられていますが、これからは単なる警備会社ではなく、「建設業界向けのソリューションサービス」を提供する企業への進化を目指されていますね。「警備」の枠を超えて、今後お客様にどのような価値を提供していきたいとお考えですか?

齊藤社長:
我々が何者かを改めて考えた時、事業の軸となるのはやはり「警備会社」です。

しかし、これからの時代、ただ現場に警備員を配置するだけの会社では生き残れないと考えています。 我々が目指すのは、現場の通信システムやクラウド型の防犯カメラなど、クライアントの安心・安全に関わるあらゆる商材を提供できる「総合セキュリティサービス会社」です。

そのためには、社員全員が頭を切り替える必要があります。「警備だけを売る会社はもう終わりだ。これからは総合的なサービスを提供するんだ」と、社内にも強くメッセージを発信しています。

これまで培ってきた実績と信頼という強固な土台があるからこそ、より広い視野を持つ必要があります。お客様が抱える現場の課題を解決するため、新しい商品やソリューションを提供するビジネスモデルへと進化させていきます。

強固な「守り」があってこその「攻め」になる組織戦略

ー 総合的なサービス展開に向けて、今期新たに「営業課」や「成長戦略部」を立ち上げられたと伺いました。昨年、ガバナンスなどの「守り」を固めた上で、いよいよ「攻め」の体制づくりが本格化している印象を受けますが、次世代のリーダーたちにはどのような役割を期待されていますか?

齊藤社長:
総合的なサービスを提供する体制を整えるため、今期から販売業務に特化した「営業課」を設置しました。

これまでの営業所は現場の管理業務が中心になりがちでしたが、新設した営業課は、新しいソリューションや建設資機材を直接提案・販売し、その知見を各地の営業所へ共有していく役割を担います。

同時に、東京や海外の最新事例を調査して自社へ取り入れることを目的とした「成長戦略部」も新設しました。

一方で、こうした「攻め」を加速させるには、強靭なバックオフィス、つまり「守り」が必要不可欠です。実は1〜2年前、M&Aや事業拡大でどんどん攻めていった結果、管理体制が追いつかず現場が悲鳴を上げてしまった苦い経験があります。

そこで昨年の「我慢の時期」を経て、コンサルタントの導入やDXの推進により、業務の属人化を徹底的に排除しました。

今では「この人にしかできない」業務をなくし、グループ全体の経理や管理をチーム全員でカバーし合える強固な体制を整えました。

スポーツで言えば、思い切り試合でプレーするための「基礎固め」が完了した状態です。

次世代のリーダーたちには、攻めの営業と守りの管理の両輪の重要性を深く理解し、自ら考えて組織を牽引してくれることを期待しています。

九州全県展開、そして「アジアの循環」へ

ー 組織基盤が整ったことで、「2030年までの九州全県展開」という目標もより現実味を帯びてきたかと思います。M&Aやエリア拡大を進めていく中での未来図や、さらには海外展開を見据えた「循環型の仕組み」の構想についてお聞かせいただけますか。

齊藤社長:
2030年までに、M&Aと新規出店によって福岡、佐賀、長崎へと拠点を広げ、九州全県展開とグループ従業員1500名体制を実現させたいと考えています。

また、中長期的には海外事業への挑戦も進めています。現在はインドネシアの警備会社との資本提携を視野に入れ、現地法人との連携を具体化させるプロジェクトを推進しています。

背景としては、日本で学んだ技能実習生が母国へ帰った際、国内で習得した技術を活かせる場が少なく、異業種へ転身せざるを得ないという構造的な課題があります。

私は、日本で学んだ優秀な人材をグループとして受け入れ、帰国後も現地の提携先でそのスキルを継続して発揮できる「循環型の仕組み」を構築したいと考えています。

前例のない試みには当然不安も伴いますが、それ以上に社会的な意義と大きな可能性を感じています。何より、社員たちがこのビジョンに共感し、自社の将来に期待を寄せてくれていることが、私の大きな原動力です。

変化を楽しみながら「経営」を担う仲間へ

ー 最後に、昨年の変革期を経て、今まさに「NEXT STAGE」へと向かう御社に興味を持っている次世代リーダーへメッセージをお願いします。進化し続ける組織に飛び込む面白さや、今のセキュリティロードだからこそ経験できるキャリアの醍醐味について教えてください。

齊藤社長:
「変化することでしか、成長はない」。これは私が社員に常に伝えている言葉です。

変わらなければ衰退していく、現状維持は後退でしかありません。 新しいことに挑戦し、変化していくことはストレスもかかりますし、決して楽ではありません。

しかし、その苦労の先には必ず自己成長と自己実現が待っています。 これから私たちはM&Aを推し進め、グループ会社をどんどん増やしていきます。私一人で全てを見ることは到底できません。

だからこそ、「子会社の社長として経営をやってみたい」「海外事業や新規事業に挑戦したい」という強いマインドを持った方にぜひ来ていただきたいです。

方向性は私がしっかりと示します。 完成された組織ではなく、未完成だからこそ味わえるダイナミズムの中で、一緒にグループをどれだけ強く、太くできるか共にガンガン攻めていける仲間を心からお待ちしております。

【編集後記】
インタビューを通して印象的だったのは、齊藤社長の過去の課題を包み隠さず語る誠実さと、変化を恐れない圧倒的な行動力でした。

「変化することでしか成長はない」「人がやっていないことをやるのが好き」といった言葉には、これまで組織のひずみと真摯に向き合い、自ら先頭に立って改革を進めてきた熱い姿勢が表れていたように思います。

株式会社セキュリティロードは、警備業の枠を超えた総合セキュリティサービスへの進化に向けて、力強く動き出しています。

これから同社がどのような組織へと進化し、地域や社会に新たな価値を生み出していくのか、ますます期待が高まります。今回は、未来を見据えながら変革を楽しむ齊藤社長から、大変貴重なお話をうかがいました。