株式会社リケン:概要と沿革
まずは、リケンの基本情報を確認しておきましょう。
株式会社リケンの概要
社名 | 株式会社リケン |
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本社所在地 | 東京都千代田区三番町8-1 三番町東急ビル3階 |
設立年月日 | 1949年(昭和24年) |
代表取締役社長 | 伊藤 薫 |
株式公開 | 東証一部 |
資本金 | 8,573百万円(2016年3月末現在) |
事業内容 | 自動車産業機械部品事業 |
リケンの工場は埼玉と新潟にあります。営業所や関連会社は国内各所にあります。また、利権には海外にも北米、中国、アジア、ヨーロッパなどにも関連の会社があります。
株式会社リケンの事業内容
リケンの特徴
・リケンは独立系メーカーです。なので、 国内の全自動車メーカーはもちろん、バイクメーカー、バス・トラックメーカー、建機・農機メーカー、造船メーカー、産業機器メーカー…エンジンを使う乗り物や機械をつくるすべての国内メーカーと取引があります。
・近年の国産の低燃費車すべての機種に、リケンのピストンリングをはじめとする様々な自動車部品が採用されています。
・電気や水素など、ガソリン車に代わるパワートレインテクノロジーは進化を続けています。リケンはその未来を見据え新しい技術を研究開発しています。近い将来、リケンの製品が新しいパワートレインにも使われるかもしれません。
リケンの自動車産業機械部品事業
リケンのメインの事業になります。ピストンリングの国内シェアは50%を超え第1位で、世界シェアは20%で第3位です。 また、リケンのAT用シールリングでも国内トップとなる70〜80%のシェアです。
主な取り扱い製品
ピストンリング(四輪・二輪・建機・船舶用)/カムシャフト/シールリング/バルブシートなど
リケンのその他事業
リケンには配管機器(鋼管用継手、ステンレス管用継手/EMC製品(電波暗室、シールドルーム等)/熱エンジニアリング製品(電熱線、工業炉等)などの取り扱いもあります。
株式会社リケンの企業理念
リケンの経営理念
私たちは地球環境を守り、
社会に貢献する一級企業市民であり続けます
私たちは株主の資本を効率的に活用し、
グローバルに企業価値を想像します
私たちは知識の向上と技術の革新を心がけ、
世界のお客様に感動を与える製品を提供します
私たちは高い志と広い視野を持って、
常に変革を遂げていきます
株式会社リケンの事業ビジョン
リケンは、1927年の創業以来、ピストンリングをつくり続けてきました。その技術と伝統は、今の時代にも脈々と受け継がれています。現代の人類共通の課題は地球環境保全です。創業時からのエンジンの性能向上は、燃費向上や排気ガス清浄化につながっており、リケンの技術は地球環境保全においても確かな役割を果たしています。リケンのシェアは国内では高いですが、海外ではまだまだ少なくチャンスが広がっています。リケンはこれからも技術革新を絶え間なく続け、広く世界に環境性能の高いピストンリングを提供し、地球環境保全に貢献しくことを目標としています。
株式会社リケンの事業ポートフォリオ
1926年(大正15年) | 理化学研究所 大河内研究室、海老原敬吉博士によりシリンダ内壁に対し均一な圧力を及ぼすピストンリングの製造法が発明され、各国の特許を取得。 | |
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1927年(昭和2年) | 理化学研究所の発明を企業化する目的にて理化学興業(株)設立(当社の前身)、日本で初めて実用ピストンリングの製造を開始。資本金3,000千円。 | |
1932年(昭和7年) | 新潟県柏崎町に柏崎工場を建設。 | |
1934年(昭和9年) | 理化学興業(株)は柏崎工場を分離し、理研ピストンリング(株)を設立。資本金6,000千円。 | |
1938年(昭和13年) | 理研ピストンリング(株)は、理研特殊鉄鋼(株)と合併して理研重工業(株)と改称、ピストンリングのほか各種工作機械、測定器、特殊鋼、工具などを製造。資本金30,000千円。 | |
1939年(昭和14年) | 埼玉県熊谷市に自動車および航空機用ピストンリング工場を建設。1941年(昭和16年) | 理研工業(株)設立(理研重工業(株)、理研圧延工業(株)、理研鍛造(株)、理研鋳造(株)、理化工作機械(株)、理研鋼材(株)、理化学興業(株)の7社が合同)。資本金7,000万円。 |
1942年(昭和17年) | エルー式電気炉によるピストンリング製造に成功、日本における電気炉鋳鉄熔解の先鞭をつける。 | |
1945年(昭和20年) | 終戦となり、各工場生産中止、平和産業確立のため駐留軍司令官より自動車用ピストンリング、農機具、土建用機械等の生産許可を得る。 | |
1948年(昭和23年) | コマ印、配管継手の生産開始。 | |
1949年(昭和24年) | 企業再建整備法に基づき理研工業(株)は11社に解体、その中の柏崎、熊谷の2工場は理研柏崎ピストンリング工業(株)(資本金20,000千円、社長松井琢磨)、理研熊谷鋳鉄(株)(資本金10,000千円、社長尾高格三)として再出発した。 | |
1950年(昭和25年) | 理研柏崎ピストンリング工業(株)は理研ピストンリング工業(株)と改称。 | |
1951年(昭和26年) | 理研熊谷鋳鉄(株)は理研鋳鉄(株)と改称。 | |
1953年(昭和28年) | 理研ピストンリング工業(株)は、理研鋳鉄(株)と合併(資本金120,000千円)。 | |
1956年(昭和31年) | 「ピストンリング大量生産方式の改善」により大河内記念会より大河内記念生産賞を受賞。
延性高アルミニウム鉄合金(α合金)の製造特許を出願。 | |
1957年(昭和32年) | 英国ショープロセス社と精密鋳造法ショープロセスで技術提携。
LAカップリングの製造販売開始。 | |
1958年(昭和33年) | α合金中の電気抵抗材(電熱線、耐熱構造材、電気抵抗材)はパイロマックスの商品名で製造販売開始。 | |
1961年(昭和36年) | 米国ヘイステングス社とスチール組合せオイルリング(商品名リックベント)で技術提携。 | |
1964年(昭和39年) | 第3回ショープロセス国際会議を理研中央研究所において開催。
耐摩耗性アルミ合金「リック・ハイジアル」各国特許取得。 | |
1968年(昭和43年) | 台湾理研工業股イ分有限公司を設立。永豊グループ(台湾)と合弁。台湾でのピストンリング、シリンダーライナー、シリンダーブロック等の製造販売。 | |
1970年(昭和45年) | ルーカス式焼却装置(イギリス)技術導入。 | |
1973年(昭和48年) | サイアムリケン社を設立。サイアム・モーター社(タイ)と合弁。タイにおけるピストンリングの製造販売。 | |
1974年(昭和49年) | リケンオブアメリカ社を設立。 米国におけるピストンリング等の販売。 | |
1975年(昭和50年) | 資本金を35億円に増資。 工業炉「パイロリック」製造販売開始。
P.T.スリ・リケン・ヴィグナ・インドネシア(現P.T.パカルティリケンインドネシア)を設立。明和産業(株)、インドネシア現地資本との合弁。可鍛鋳鉄製品の製造。 無鉛化ガソリン対策用焼結合金バルブシートの製造・販売開始。 | |
1976年(昭和51年) | ステンレス鋼管用継手「MRジョイント」開発、製造販売開始。 | |
1977年(昭和52年) | ピストンリングの自動化機械加工ラインの稼働開始。 | |
1978年(昭和53年) | リケンルーカス式乾燥段付き流動床炉開発完了。 | |
1979年(昭和54年) | 株式会社リケンに商号を改称。 創立30周年を迎える。 | |
1980年(昭和55年) | 「ピストンリング自動加工ラインの開発」により大河内記念会より大河内記念生産賞を受賞。 | |
1981年(昭和56年) | 資本金を42億3千万円に増資。 | |
1983年(昭和58年) | 剣工場新設、スチール製ピストンリング専門工場。
ユーロリケン社を設立。欧州におけるピストンリング等の販売。 リフロン材を使用したシールリングを開発、製造販売開始。 | |
1986年(昭和61年) | シュリラム ピストン&リング社を設立。シュリラム社と合弁。インドでのピストンリングの製造販売。
ピストンリングの表面処理技術としてIP-100(IP=イオンプレーティング)を開発。 | |
1988年(昭和63年) | 大韓理研(株)設立、韓国理研工業(株)と合弁、韓国でのスチール製ピストンリングの製造販売。 | |
1989年(平成元年) | 台湾理研が中国福建省厦門市に厦門理研を設立。リケングループの最初の中国進出。
アライドリング社設立。シールドパワー社(米国)と合弁、米国でのピストンリングの製造販売。 | |
1990年(平成2年) | 資本金を61億8千万円に増資。 | |
1991年(平成3年) | 熊谷に研究センターを建設。 | |
1994年(平成6年) | TPM優秀賞受賞(熊谷、柏崎)
グレディー社(米国)と自動車用足廻り部品で技術提携。 | |
1996年(平成8年) | 資本金を79億円に増資。 | |
1997年(平成9年) | ISO 9001認証取得(ピストンリング部門)
アライドリング社、パートナーのシールドパワー社自動車部品事業部がデーナ社(米国)に買収。 資本金を85億7千万円に増資。 | |
1998年(平成10年) | TPM優秀継続賞第Ⅰ類受賞。
高周波用電波吸収体「ピラミッドフェライト」の販売開始。 | |
1999年(平成11年) | 創立50周年を迎える。
デーナアルバラス社(ブラジル)とVWブラジル社向けピストンリングで技術提携。 | |
2000年(平成12年) | ISO9001認証取得(素形材部門、精機部品部門)。
デーナ社(米国)とピストンリング事業のグローバル提携覚書調印。 ステンレス鋼管用継手「サスフィット」を開発。 | |
2001年(平成13年) | ISO14001認証取得。 | |
2002年(平成14年) | 配管コールセンターを開設。 | |
2003年(平成15年) | ISO9001:2000認証取得
サイアムリケン社新工場稼働開始。ジャカルタ駐在員事務所設立。 フォード社Q1サプライヤー認証取得。 シュリラム ピストン&リング社の出資比率を引き上げ、持分法を適用。 | |
2004年(平成16年) | ISO/TS16949:2002認証取得
理研汽車配件(武漢)有限公司を設立。中国第二の拠点として、ピストンリングを製造販売。 | |
2006年(平成18年) | 厦門理研新工場設立。中空カムシャフトのグローバル供給拠点。 | |
2007年(平成19年) | マーレ社(ドイツ)とグローバル事業協力及び技術開発コラボレーションの業務提携覚書調印。
7月16日新潟県中越沖地震が発生し、柏崎地区の事業所及び関係会社が被災し操業停止。7月23日に一部の設備を除いて操業再開。 | |
2008年(平成20年) | 子会社大韓理研㈱は、全株式の売却により連結会計年度末で連結の範囲から除外。 | |
2009年(平成21年) | PT.RIKEN OF AISA(インドネシア・ジャカルタ)設立。アジアにおけるピストンリング等の販売。 | |
2010年(平成22年) | 株式会社アール・ケー・イーで木質ペレット製造事業を開始。 | |
2011年(平成23年) | 株式会社CKサンエツと配管機器事業に関する業務提携契約及び合弁会社設立契約を締結し、富山県高岡市に株式会社リケンCKJVを設立。 | |
2012年(平成24年) | 北米及び中南米向けの自動車・産業機械部品供給拠点として、アグアスカリエンテス州(メキシコ)にリケンメキシコ社を設立。 | |
2013年(平成25年) | ジョージフィッシャーオートモーティブ社(スイス)とSiboDur合金鋳鉄材料の製造・販売に関するライセンスおよび相互協力に関する契約を締結 | |
2014年(平成26年) | 本社を千代田区三番町に移転
アムテックインディア社(インド)との合弁にて自動車用鋳造部品の製造・販売のため、アムテックリケン社を設立 | |
2015年(平成27年) | KSコルベンシュミット社(ドイツ)とグローバル業務提携
中国市場における樹脂製シールリングの製造・販売強化のため、理研密封件(武漢)有限公司を設立 アジアにおけるピストンリング等の販売強化のため、リケンセールスアンドトレーディング(タイ)社を設立 |
私たちの生活を豊かにするだけでなく環境も救う株式会社リケン
いかがだったでしょうか。リケンは様々な自動車の部品を扱っている会社です。リケンはまだまだ海外にシェアを伸ばしていくことでしょう。エンジンは環境に対して大きく影響する部品です。その部品を取り扱っている会社ですが、リケンは環境を考えて部品を研究・開発し続けてきました。そんなリケンを訪れてみてはいかがでしょうか。