part.5 グローバルに活躍するための条件

社長対談 第2回のゲストは、60代で再び起業し、日本初のエデュテインメント施設『キッザニア東京』を立ち上げた、KCJ GROUP株式会社の住谷栄之資氏と、約4,000人の英会話講師数、レッスン提供数は業界No.1(2016年3月時点)の株式会社レアジョブの加藤智久氏。
日本の教育に新風を巻き起こすお二人が語る、成長に繋がる本当の教育とは。その秘めたる想いに迫ります。

※エデュテインメントとは
教育を意味する「エデュケーション」と、娯楽を意味する「エンターテインメント」を合わせた造語。

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グローバルに活躍するための条件

-グローバル人材とは-

【住谷】
グローバル人材という言葉があるのが日本だけかなというね、全部確認した訳じゃないんだけども。

【加藤】
住谷さんご自身をグローバル人材だと思いますか?

【住谷】
絶対に僕はグローバル人材じゃないと思っています。

【加藤】
ないんですか?

【住谷】
相対的に言って世界的に見たらね、絶対に違うと思っていますので。

【加藤】
こんなアメリカの色々なチェーンを日本に展開されてきて、キッザニアもやっていらっしゃるのに、違うんですね。

【住谷】
本質的に、何か、違うような気がします。ヨーロッパの人は線を引いただけで色々な国になっていますよね。言葉、習慣、宗教。あちこちに行き来しているので、それこそEUじゃないけど、あそこの人たちってそれこそグローバルだと僕は思うので、何と何を比較してって話になると、とても敵わない。

やっぱり決定的なのは宗教観がね、私無いのですよ。これはやっぱり決定的にグローバルという基準からいくと、やっぱり宗教観がないと、相手の宗教を信じている人たちの気持ちが分からないというところで、ある意味もうそれで失格なのかなと。色々違いはあっていいんだけれども、少なくとも宗教観が私にはないという意味からすると、それだけでもグローバルじゃないのかなって私は思っているんですが、人間対人間ということでいえば、私はあまり偏見がないと自分では言えると思います。誰とでも上手くやっていけると僕は思っているのです。

【加藤】
住谷さんみたいに、グローバルで活躍できるビジネスパーソンになるには、違いが何なのかというところを掘り下げていけるだけのコミュニケーション能力というのが必要で。それができるが故に、宗教を持っていないというところが最大の違いなんだというところに気付かれたんで、ご自身は、グローバル人材じゃないと思われているということなんですよね。

【住谷】
日本でいうグローバル人材って、定義みたいな話になるじゃない。そこなのかなと僕は思うんでね。どうですか、加藤さんは?

-グローバルに活躍するための条件-

【加藤】
自分がグローバル人材かって言われると、僕の妻はフィリピン人でして、その意味ではグローバル人材なのかも知れないですけど、ただ、おっしゃられた通り、違いを深堀りしていける能力とかって、多分元々は違いが何だろうって知りたがっている好奇心だと思うんですよね。その好奇心を持った人があれば、おっしゃる通り、日本の鹿児島や離島に住んでも、そこの人たちと上手くやっていけるなって思いますし。それはフィリピンでも、ひょっとしたらアメリカでも、ヨーロッパでも上手くやっていけるのかなって。

結局、日本人がなりたいと思っているものは、グローバル人材というか、グローバルに活躍する人になりたいってことだと思うんですよね。グローバルに活躍する時の条件として、違いって何だろうって、この違いは、どこから来ているんだろう。違いは違いとして許容しながら、どうやったら強みを補い合って、チームとして成果をどうやったら最大のものにしていけるのだろうかという、それをつくり出せるかどうかだと思うんですよね。その時の一番のドライバーは本当におっしゃっている通り、違いが何だというところを見極めていきたいと思える情熱なんじゃないかなと。

【住谷】
今ほとんど日本のキッザニアには日本人しか来ないですけど、これから多分、一番近いところで中国の人とか(が来る)。

【加藤】
楽しいでしょうね、それは。

-グローバル化に向けての取り組み-

【住谷】
これから色々な方が来られると思うので、そこへの向き合い方。これから本当に交流が始まっていくかなというふうに思うんですね。子どもたち自身は多分、何の違和感もなく一緒に体験したり、そういうふうになってくると、自然的に地球上の人たちがみんな触れ合うというようになって大きくなっていけば、自然に、違和感がない。やっぱり日本にいると、外国人の人たちと出会う機会ってほとんどないですよね。

【加藤】
ないですね。

【住谷】
ここがやっぱりハードル高いのかなと思っているので。キッザニアでは、時々、日本のインターナショナルスクールに行っている子どもたちと日本の子どもたち、一緒に体験するというイベントもやっているんですよ。こういうことなんかも、やることによって、色々な肌の人と一緒に体験しているというのを無意識のうちに、外国を感じる、グローバルを感じることができる。

【加藤】
違いを知りたいという情熱って、違いを知った結果良かった、という経験が若い時にあればある程当然それって強化されてくるので、その場をつくってあげるというのは、凄くいいなと思いますね。

【住谷】
自然にというのは人が育つ環境の中で凄く大事なような、そういう気がしています。

【加藤】
やりたいなと思っているのが、日本人とフィリピン人という関係性だけだと、やはりどうしても先生と生徒という関係性になってしまって、それはちょっと違いを知っていくための自然な土台ではないんです。だけど例えば今、うちは日本人向けにオンライン英会話をやっているように、ブラジル人向けにもオンライン英会話をやっていて、これをもっと広げていきたいなと。そうすると、多分、東京のキッザニアに韓国と日本と中国の子どもを集めるのは、それなりのコストが発生すると思うんですけど、オンラインでブラジル人と中国人と日本人をつなぐことはできるはずで、そのチームが何かの課題を克服していくというチーム戦等ができたら、凄く面白いだろうなと思っていて。僕たちはあくまでもオンラインが主の企業で、それをどうやってオンラインで実現した時にオフラインのデッドコピーにならずに、オンラインならではの価値というのが引き出せるのかなというのを、より模索しているところですね。


KCJ GROUP株式会社 代表取締役社長 住谷 栄之資

2006年、日本初のエデュテインメント施設『キッザニア東京』を立ち上げる。
住谷氏は、藤田観光株式会社を経て株式会社WDIの柱となる事業をつくり上げる。「ケンタッキー・フライド・チキン」約30店舗のフランチャイジーを手がけた他、「トニーローマ」「スパゴ」「カプリチョーザ」などのライセンスを獲得。60歳で同社を退職し、キッズシティージャパン(現KCJ GROUP株式会社)を設立。60代で再起業を果たした。

▶︎ 住谷栄之資社長の単独インタビュー動画はこちらから

この社長のもとで働きたい
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株式会社レアジョブ 代表取締役会長(対談当時) 加藤 智久

Skypeを使ってフィリピン人講師とのマンツーマンレッスンを25分129円から受講出来る格安オンライン英会話サービスを提供。約4,000人の英会話講師数を有し、レッスン提供数は業界No.1(2016年3月時点)。2014年6月東証マザーズに上場。
加藤氏は一橋商学部卒業後、外資系戦略コンサルティングファームを経て、現社長の中村岳氏と2007年にレアジョブを創業。2015年に代表取締役会長に就任した。