part.2 体験学習の重要性

社長対談 第2回のゲストは、60代で再び起業し、日本初のエデュテインメント施設『キッザニア東京』を立ち上げた、KCJ GROUP株式会社の住谷栄之資氏と、約4,000人の英会話講師数、レッスン提供数は業界No.1(2016年3月時点)の株式会社レアジョブの加藤智久氏。
日本の教育に新風を巻き起こすお二人が語る、成長に繋がる本当の教育とは。その秘めたる想いに迫ります。

※エデュテインメントとは
教育を意味する「エデュケーション」と、娯楽を意味する「エンターテインメント」を合わせた造語。

続きの動画はこちらからご覧いただけます。

体験学習の重要性

―よりリアルな”職業体験”を追求する―

【住谷】
キッザニアは、今、東京は豊洲、関西の方は甲子園という、二ヶ所、施設があるんですけど、そこで子どもたちが色々な職業体験をします。更に、もっとリアルな体験を子どもたちにしてもらおうというので、市単位で何かお役に立てないかということで、例えば千葉県の柏市とか、あるいは三条市さんとか、そこの町で実際にあるお仕事、デパートのお仕事、あるいはスーパーのお仕事、地域によって違うんですが、地元に色々なお仕事があります。

そういったところで子どもたちが本当に体験しやすい環境をつくる。子どもたちに向き合って、子どもたちに分かるように売ることを教える。自分の立場で子どもたちがお客さんに売る体験をする。買う体験じゃなくて、職業体験です。それを、まず実際の店舗で子どもたちにやってもらおうということで、より現実的な本当の仕事、そういうのをお手伝いして、実際に「これは大変だ」など、色々な通りがけのお客さん達が入ってくる。それに向かって子どもたちが、普通は大人の方、専門の方が言ってらっしゃるんだけど、子どもたちが実際に「いらっしゃいませ」と言う。すぐにできる仕事もあるし、できない仕事も当然あるんだけど。

【加藤】
実店舗でそれをやる?

【住谷】
実店舗でそれをやるということですね。

【加藤】
面白いですね。

【住谷】
よりリアルな体験をすることによって、「ああ、こんなに難しいんだ」って思ったり、楽しいなって思ったり。

【加藤】
もしくは、自分は、これがもしかしたら向いているかも知れないとか。

【住谷】
自分の向き不向きを発見することで、実際の仕事、体験してもらうというコンセプトで体験コースをつくっているんですよ。

今三重県でも、それ(体験学習)をやっていまして。鳥羽と、そして鈴鹿、紀北という場所なんですけれど、それを今一緒に取り組んでやっています。これはこれで大変。さらに子どもたちの現実的な職業体験から学ぶことが多いので、喜んでいただいています。

―学習において重要なこと―

【加藤】
学習していく中で、体験というのを織り交ぜるというのは、僕は凄く大事だと思っています。例えば英語の場合って、日本人が英語を、ビジネスレベルまで話せるようになるのに、約3,000時間必要だって言われていて、裏を返せば、時間の関数で、3,000時間やれば話せるようにはなるんですが、問題は、3,000時間が続かないことです。多分、100時間、200時間やって、そんなに話せるようになっていない自分を発見して、このままでいいのかと思って、挫折してしまう。

例えば、うちみたいなフィリピン人を使ったオンライン英会話があって、外国人の先生と話してみると、まだ文法とかめちゃめちゃだけれども、ある程度は通じたというのがあると、またちょっと単語増やそうかとか、文法増やそうかと、一歩踏み出して行けるのかなというふうに思っていて。ただ、それだけだとまだまだ不十分で、本当はその先に、例えば自分の馴染みのあることと馴染みの無いことについて、誰かと一緒に、英文で課題解決できた、みたいな。だから、英語の知識を覚えるとか使うではなく、英語を使って何かの課題を克服したという体験ですね。それを3,000時間の中に織り交ぜていくと、この前の体験ではこれができなかったけど、次、これを頑張ろうって思って、改めてインプットとかアウトプットに向き合うというのが大切だなと。

そういったようなラーニングのサイクルをいかに回すかというところが僕は重要だと思っていて。多分、今の日本の小学生や中学生に決定的に欠けているなって思うところが、ずっとインプットを沢山して、アウトプットも少しはしているんですけども、それを使ってみた経験が無いんですね。魚屋さんで売ってみた瞬間に、例えば、算数ってこういうふうに意味があるんだとか、そういうところが実感として来るんじゃないかなと思うんですね。それはある種、インプットとかアウトプットとか、ひょっとすると受験勉強にすら効いてくるんじゃないかなというふうには僕は思いますね。


KCJ GROUP株式会社 代表取締役社長 住谷 栄之資

2006年、日本初のエデュテインメント施設『キッザニア東京』を立ち上げる。
住谷氏は、藤田観光株式会社を経て株式会社WDIの柱となる事業をつくり上げる。「ケンタッキー・フライド・チキン」約30店舗のフランチャイジーを手がけた他、「トニーローマ」「スパゴ」「カプリチョーザ」などのライセンスを獲得。60歳で同社を退職し、キッズシティージャパン(現KCJ GROUP株式会社)を設立。60代で再起業を果たした。

▶︎ 住谷栄之資社長の単独インタビュー動画はこちらから

この社長のもとで働きたい
※外部サイトに移動します。


株式会社レアジョブ 代表取締役会長(対談当時) 加藤 智久

Skypeを使ってフィリピン人講師とのマンツーマンレッスンを25分129円から受講出来る格安オンライン英会話サービスを提供。約4,000人の英会話講師数を有し、レッスン提供数は業界No.1(2016年3月時点)。2014年6月東証マザーズに上場。
加藤氏は一橋商学部卒業後、外資系戦略コンサルティングファームを経て、現社長の中村岳氏と2007年にレアジョブを創業。2015年に代表取締役会長に就任した。