※本ページ内の情報は2024年1月時点のものです。

女性の永遠の憧れである美しい肌。それを叶えるために、基礎化粧品を手にとる人は多いだろう。化粧品と一言で言っても、高級商品からプチプラコスメまで、その種類は多岐にわたる。また、最近では異業種や大手企業が独自の研究で得た成分で化粧品を販売するようにもなっている。

1987年創業のロイヤル化粧品株式会社は、独自でノンオイルの「純金」入り化粧品を開発し、国内外に5000以上ある代理店を通して愛用者を拡大している。オールインワンクリームをメインとする基礎化粧品の他に、サプリメントのインナーケアシリーズも取り揃え、「本物の美しさと健康、豊かさ」を追求し、会員数は全国で30万人を超える。

同社グループを一代で築き上げた代表取締役会長の桃園忠氏は、「本当にお客様にとって良いものをつくり上げてきた。これほどまでに画期的な商品は他にない」と商品への思いを語る。看板商品である純金化粧品の誕生秘話や、成功の秘訣、今後の展望について、桃園氏にうかがった。

自動車整備販売業から、お客様の望みを叶えるため化粧品づくりへ転換

ーー企業の経緯や、当時の時代背景を教えてください。

桃園忠:
最初に自動車整備販売業からスタートし、その後女性用インナーの販売を経て、現在は化粧品の販売をしています。

化粧品を始めた頃は、ちょうどバブル経済が始まる前でした。経済的に豊かになり、化粧品が普及し始め「高いものでなければ綺麗になれない」と言われていた時代です。では「安い化粧品と高い化粧品の違いは何なのか?」と比べてみると、正直原料の部分ではさほど違いはありませんでした。素人ながらに調べていくと、綺麗になるために使用している化粧品が逆に肌への負担を増やしている事実もあるということを知りました。

当時女性用インナーウェアを扱っていたこともあり、「女性の綺麗になろうという思いを踏みにじるなど、全くけしからんことだ」と憤慨しました。お客様からの要望もあり、自ら良い化粧品を開発しようと思い至ったのです。

素人目線を意識した商品開発

ーーどのような化粧品をつくろうと思われたのでしょうか?

桃園忠:
そもそもなぜ化粧品が肌に悪影響を与えていたのか調べてみると、その原料に問題がありました。当時使用していた原料というのは、主に石油製品です。どうして油が必要なのかというと、保湿をするためです。乾燥を防ぐためには、油が一番蒸発しにくいため、コストの低い鉱物油を使っていたのです。

では「ノンオイルの化粧品をつくったらどうなるのか?」と考えたのが、化粧品づくりの始まりでした。当時、私は「湯あがりの肌」の美しさに着目しました。湯あがり時には油はついておらず、本当の素肌です。その肌に近づけるために、「ノンオイルでも十分な保湿作用が得られる成分を探して使用すれば、自分が納得のいく商品がつくれるのでは」と考えました。

ーー貴社製品に使用される「純金」を使うに至った背景は何でしょうか?

桃園忠:
化粧品を使用する際、プラスしてマッサージを施すと血行が良くなります。専門家に聞いたところ、顔には内臓のツボがあるため施術はプロでないと難しいようで、間違ったやり方をすると逆に肌を痛めてしまい、シワやシミにつながる原因になると分かりました。個人でのマッサージが難しいのであれば、原料で何とか血行を促進できないかと考え、たどり着いたのが「純金」でした。

よく高齢の女性が、「肩こりで金のネックレスをすると治る」などと話していたのを聞いたことがありました。「金が血液の循環を良くする」ことを知り、純金をプラスしてマッサージ効果を期待できる完全ノンオイルのオールインワンクリームを完成させました。

良い商品は、人を通して伝わっていく

ーーCMなどの広告は打たずに販売をされているのはなぜでしょうか?

桃園忠:
もともと農家で生まれ育ち経済的に苦しい家庭でしたから、お金を使って物を買う経験も少ない環境でした。そこから車の商売を始めたのですが、有難いことに子どもの頃から仲間にだけは不自由しませんでした。お客様が喜んでいただけるようなサービスを仲間と一緒に楽しんでやっていると、そこに人がどんどん集まってきます。私は車を自分で販売したことはほとんどなく、お客様からの紹介で成り立っていました。

そこで「商売というのは、本当に良い商品・サービスであれば無理やり売り込まなくても人がつないでくれるのだ」と、人の大切さを学びました。それからはインナーウェアも化粧品も、広告や宣伝に多額の金を注ぎ込む必要はなく、全てお客様の口コミで広げていきました。「エンドユーザー」というものは存在せず、消費者が普及者になってくれるので弊社には販売員はいません。弊社の顧客である代理店を含む愛用者が商品を広める活動をしており、現在約30万人の会員がおります。

ーー商品を広めるために、会員とのコミュニケーションは取られていらっしゃるのでしょうか?

桃園忠:
商品を広めてくださる会員は40〜60代の女性が大半を占めているのですが、特に知識や経験は必要なく、「ただシンプルに良いと思ったモノを良いものだと伝えるだけで充分だ」と話しています。あとは会員の方に表彰の機会を設けるため、毎月一流ホテルでの会議を行っています。全国の優秀な会員が集まり、ドレスアップして会議の後にはディナーを楽しんでもらいます。そうした達成感や一流の世界を知ることによって、彼女たちのモチベーションも自然と上がり、年収1000万円以上に到達されている方もたくさんいます。

天性の人を集める魅力を発揮し、「ガキ大将」と呼ばれた幼少期

ーー会長が成功した理由は何だと思われますか?

桃園忠:
家庭的に厳しい環境で生まれてきて、商売など全く分からない世界に飛び込んだにも関わらず、最初からうまくいったのは、やはり親からもらった生まれつきの人間力のおかげだと思っています。仲間を呼ぶ力、人間的な魅力といったものは、努力して身につくものではありません。子どもの頃からみんなと一緒に泥んこになって遊び、どんどん人が集まって、いつしかガキ大将のような立場になっていました。こうした生まれつきの才能やセンスを与えてくれた親や先祖の方々には、本当に感謝しています。

だから私は毎日「産んでくれてありがとう、今日も頑張ってきます」という気持ちで手を合わせています。誰もが何かしらの才能を持ってこの世に生まれてきます。産んでくれた親に感謝し、その才能を活かすことはとても大切だと思っています。

ーー仕事をする上で大切にされているマインドはありますか?

桃園忠:
私は仕事を仕事と思っておらず、自分の好きなことしかやっていません。嫌いなことをやってもうまくいきません。社員や会員の方にも「これは良いなと思うものに、夢中になって取り組んでほしい」と話しています。嫌いなことをして成功しないからといって、中途半端で終わってしまえば時間の無駄になってしまいます。好きなものだけに徹底して時間を費やした方が、納得のいく結果が出ると私は思っています。

オンリーワンの商品を、世界に広めていく

ーー今後の展望を教えてください

桃園忠:
営業部門の体制強化を考えています。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、対面でのコミュニケーションが難しくなり、3年半で売り上げもマイナスになりました。今後は売り上げを改善すべく、代理店に任せていた販売を、弊社の全社員と一丸になって進めていこうと計画しています。また、これまでおこなっていたセミナーなど、社員と一緒にさらなる会員数の増加に努めていきます。

ーー会員の方に対する思いをお聞かせください。

桃園忠:
弊社はオンリーワンの商品を扱っているため、競合会社というものはなく、国内外どこを探しても同等の商品はありません。だからこそ世界中に広めていきたいと考えています。日本は特に高齢化も進み、健康のためにも化粧品のみならずサプリメントの普及も必須です。サプリメントも私自ら成果を確信したものしか販売していません。ロイヤル化粧品を求めてくださる方のためにも、商品の品質で応えていきます。まだまだ道半ばですが、私は命が尽きるまで自社製品の品質向上に努めていきたいと思っております。

編集後記

広告には頼らずコミュニケーションを武器に商品を広めてきた桃園会長。「私自身、素人商法でやってきたから、仲間たちにも難しい技術や話は必要なく誰にでも挑戦することができる」と会員の魅力を語る。

優秀な人材と共に、優れた商品をもって、世界へと活躍の場を広げていく。桃園会長のあくなき挑戦はこれからも続くだろう。

桃園忠(ももぞの・ただし)/1947年山形県天童市生まれ。定時制高校に通学しながら自動車整備工場に勤務、卒業後に自動車修理販売業を自ら立ち上げる。その後いくつかの異業種に携わるもいずれもトップセールスを極め、1987年、ロイヤル化粧品株式会社を設立、代表取締役会長として、今年37年目に至る。