※本ページ内の情報は2024年5月時点のものです。

東京都西東京市で1996年に創業した株式会社大熊工業。地盤改良工事を行う、土木事業にて設立し、現在では家具・インテリア雑貨の輸入販売、注文住宅/リノベーションの設計、施工など、幅広い領域に事業を展開している。

円安や資材高騰、人材不足といった数々の逆風が建築業界に吹いている中で、同社が提供する住宅は海外リゾートの雰囲気を取り入れ、富裕層を中心に多くのファンから支持を集めている。成功の秘訣を代表取締役の大熊英樹氏に聞いた。

会社に関わる全ての人を大切に

ーー大熊社長が独立された経緯や理由は何だったのでしょうか?

大熊英樹:
私はもともと大手の土木会社で施工管理の仕事をしていましたが、自ら業務を管理する自営に魅力を感じ、独立しました。

独立した当時は、下請けの立場になって、設備手配から引き渡しまで一貫して仕事を請けられる体制をつくってきました。

創業以来、「人を大切にする」という思いを持ち続けています。お客さまはもちろん、材料を供給してくれる業者さんや一緒に仕事をしてくれる職人さんたち、そして社内のスタッフとそのご家族や友人など、弊社に関わる全ての人を大切にする会社でありたいと考えています。特に社内の業務環境に関しては、年間離職率3%以下を目標として職場づくりに取り組んでいます。

海外で実際に見て、感じたことを建築に取り入れる

ーー貴社には3つの事業の柱がありますが、それぞれ詳しくお聞かせください。

大熊英樹:
1つ目は土木事業です。大規模な公共事業などの土木工事において、その一部である地盤改良工事を弊社で受注させていただいております。

2つ目はインテリア事業。創業当初から土木事業以外でも収益の柱がほしかったことと、海外に関わる事業がしたかったことから始めたものです。「海外リゾートの雰囲気を日常的に感じてほしい」という思いから、海外で製造した家具を輸入・販売するインテリア事業部「KAJA(カジャ)」を発足させました。

また、インテリアだけでなく住まい全体をコーディネートしたいという思いから、2008年に建築事業部「KAJA DESIGN(カジャデザイン)」を立ち上げ、注文住宅、およびリノベーションの設計・施工という3つ目の柱もできました。

ーー今は建築事業も収益の大きな割合を占めるほど成長したそうですが、その中で大切にされていることはありますか?

大熊英樹:
弊社が提供する住宅の個性をお客様に認めてもらうことが重要であると考えています。私たちのコンセプトは「日常生活で海外リゾートをお客さまに感じていただくこと」ですから、そのためには社員も本物のリゾートを知らなければなりません。

社員には全員、海外研修に参加する機会を設けて、実際にリゾートを訪れることで、現地の建物の雰囲気や照明などを見たり、感じたりして、学んでもらっています。そこが弊社の大きな強みだと考えていますね。

そうして得た海外での知見を建築の中に取り入れているので、豪邸という要素に加え、海外リゾートを感じられるデザインや雰囲気が実現できていると思っています。

お客さまと一緒に、実際にリゾート地に行くこともあります。行動をともにすることで、その方の好みや価値観を知ることができるからです。先程の「人を大切にする」という話にもつながりますが、旅を通じて親密になれるので、「この人のために頑張りたい」という気持ちも高まり、より良い家づくりにつながっていると考えています。

本当に良いものだけをお客さまに提供したい

ーー貴社は「限られた棟数を受注する」とお聞きしましたが、その理由を教えてください。

大熊英樹:
受注件数を増やせば売上は増えるかもしれませんが、質が下がる可能性もある。そうなるとお客さまの満足度も下がり、クレームを受けることにもなりかねないので、お互いにマイナスです。お客様にご満足いただける建築を提供しながら、自分たちも今の人員体制で利益を確保できる最適なラインを見極めた結果です。

ーー今後、どのようなことを大切にしたいと考えていますか?

大熊英樹:
海外研修を今後も大切にしていきたいと考えています。社員が本物のリゾートを知っていれば、お客さまにも本物の良さが伝わって自然と受注、紹介にもつながります。建築費用が1棟1億円を超えるケースもありますが、自然にファンが増えているのは、やはり本物を提供しているからだと思っています。

今はネットで簡単に情報が得られますが、実際にリゾートの現地に行って、見たり、感じたりするのが、一番大切なことだと思います。そのために、社員全員に海外に行ってほしいと考えています。

編集後記

大熊工業が徹底してこだわっているのはリゾートの現地で本物を見て・感じて・学ぶこと。海外での体験や知見がお客さまの満足につながり、「人を大切にする」という大熊社長の信念にもつながっていると感じた。厳しい状況が続く建築業界で、今後どのように躍進していくのか、注目したい。

大熊英樹/1962年千葉県生まれ。土木事業会社に勤務後独立し、1996年、株式会社大熊工業を設立。地盤改良工事、家具・インテリア雑貨の輸入販売、注文住宅/リノベーションの設計、施工に携わる。現在、「家が、理想のリゾートになる。」をコンセプトとした富裕層向け住宅を手がけている。