※本ページ内の情報は2024年6月時点のものです。

プロパティデータバンク株式会社は、不動産に関するあらゆる業務をトータルにサポートする企業だ。不動産に関する情報や業務をクラウドでデジタル化する「@プロパティ」を提供しており、累計ユーザー数は800社以上で、不動産管理クラウド業界においてシェアNo.1の実績を持っている。

ここまで多くの人から求められるサービスに成長させられたのはなぜなのか。代表取締役社長の武野貞久氏に、今まで取り組んできたことや事業内容、強みなどについて聞いた。

他社が真似できない唯一無二の不動産管理サービスを提供

ーー貴社はどのような事業に取り組んでいますか?

武野貞久:
不動産に関する、さまざまな業務の効率化を目指す支援に、創業時から取り組んでいます。

弊社は、清水建設の社内ベンチャー第一号として生まれた企業です。創業者は現会長の板谷です。清水建設は建物をつくりますが、建てた後の管理の部分には取り組んでいなかったので、建物の竣工後の管理に注目して、不動産管理のシステムをビジネス化しました。

弊社は創業当時から「パブリッククラウド」を提供し続けています。設立当初の2000年はインターネットが普及し始め、アメリカではREIT(不動産投資信託)が注目され始めた頃で、不動産業界にも新たな管理手法が必要だと感じていました。

それまでの紙ベースや勘に頼った管理から脱却し、会計や経営の観点から不動産を管理する必要性を感じ、そのようなシステムを作ったのです。

ーー貴社の事業の強みはどのような点にありますか?

武野貞久:
1つ目は、弊社のようなサービスを持っている競合他社がいないことです。私たちにしかできない価値の高いサービスを提供していると感じています。また、新規参入しようとしても、すでに弊社に情報やノウハウが集中しているので、今からでは難しいでしょうね。

2つ目は、コンサルティング力です。システム会社のコンサルティングは、お客様の要件を聞き、それを実現させることにフォーカスしています。しかし弊社はお客様の御用聞きになるのではなく、必要な提案を行い、システム導入をサポートします。業界のことに精通しているので、他社には真似できないようなコンサルティングを実現しています。

チャレンジすることの大切さを学んだ清水建設時代

ーー前職の清水建設では、どのような業務を担当していましたか?

武野貞久:
学生時代はロボットに関する勉強をしていたので、工作ロボット関係の仕事がしたいと思っていましたが、企画や現場仕事、コンサルティングなど、2年に1回のペースで様々な部署を経験することになりました。

複数の部署で多くの人たちと仕事をする経験を積むことができ、とても運が良かったと思っています。

ーー当時、働く中で、どのような考え方を大切にしていましたか?

武野貞久:
チャレンジすることを大切にしていました。ある建設現場に配属されたとき、前任の方が担当していた計測器の確認作業を引き継ぎました。この仕事は半日かかるような仕事だと言われていたのですが、私は工事状況によってルートが毎日変わることを見越して前日のうちに最短ルートを計算し、確認を行いました。

その結果、わずか30分で終わらせることに成功したのです。どんな作業でもチャレンジすれば予想以上の成果を出すことができると実感できました。この「チャレンジすることで結果を変えることができる」という考え方は、弊社の社員にも伝えています。

ビジョン実現の人員強化と、時代の需要に合わせた会社の成長を

ーー今後はどのようなことに注力していきたいですか?

武野貞久:
「知識の集約により顧客の業務に革命を、顧客の資産に価値向上を」という、創業以来、掲げているビジョンを実現していきたいと思っています。そのためには一緒に働いてくれる仲間が必要です。弊社のビジョンの実現をともに目指したいという熱意を持つ方に入社してもらえるよう、人員強化に力を入れていきたいですね。

また、世の中に必要なサービスというのは時代とともにすぐに変わっていきます。よって、近い未来ではなく5年後、10年後を見据える。そして、世の中が変わっていく中で会社をどうしていくのか、何が提供できるのかといった視点を持って、事業に取り組んでいきたいと思っています。

不動産事業を支える不動産DXプラットフォームにしたい

ーー最後に読者に向けてPRしたいことがあればお願いいたします。

武野貞久:
日本の不動産では老朽化した建物は壊してつくりなおすというスクラップ&ビルドの考え方が主流ですが、海外では建物を100年保たせるのが当たり前となっています。日本でも建物のライフサイクルのデータを元に物件を売買し、建物を長く活かし続ける動きになっていくことが予想されていますが、私たちは弊社のサービスである@プロパティを、そんな不動産の流通のためのプラットフォームにできると思っています。

実現には時間がかかるかもしれませんが、同じビジョンを持つ仲間とともに、弊社にしかできないサービスを提供し続けます。

編集後記

取材時、武野社長は「日本では近年、効率性の高いスマートな業務を行うことが良いとされているが、その中で私たちは愚直にお客様と向き合って提案を行ってきた」と語った。

一見、非効率なやり方かもしれないが、それが真のお客様の課題解決につながってきたからこそ、これまで世の中から必要とされてきたのだと感じた。「シェアNo.1の不動産管理クラウド」という実績に留まることなく、武野社長のチャレンジはこれからも続いていくだろう。

武野貞久/1966年東京都生まれ。大学卒業後、1992年清水建設株式会社に入社。企画や営業、建設現場などでさまざまな経験を積んだのち、2003年にプロパティデータバンク株式会社に入社。クラウド事業本部長、副社長などを経て、2022年、代表取締役社長に就任。