※本ページ内の情報は2024年6月時点のものです。

映像制作を軸にしたコミュニケーション(※)設計をプランニングする株式会社真面目。代表取締役社長CEOの平川アズサ氏はモデルとして活躍したのち、映像ディレクターに転身、その後、同社を設立した。

2021年に長女を出産してからは、子育てと両立しながら経営者として奮闘している。そんな平川社長に起業までの経緯や、映像制作にかける思い、大切にしている考えなどをうかがった。

(※)インナーコミュニケーション:企業の組織力を高めるための社内コミュニケーションのこと

ディレクターとして独立後、映像制作会社を設立

ーーまずは事業概要を教えてください。

平川アズサ:
私たちは映像を軸にしたコミュニケーション設計をする、クリエイティブエージェンシーです。特に得意としているのが、インナーコミュニケーションに特化した映像制作です。

その企業がいかに世の中に貢献してきたのかを映像で伝え、仕事の重要性を再認識することで、モチベーションアップにつなげています。また、経営陣が目指す方向性を共有し、組織の結束力を高めるためのコンテンツ制作も手がけています。

ーー会社を設立した背景を教えていただけますか。

平川アズサ:
当初、モデルとして活動するなかで、「かわいい」でなく「かっこいい」と評価される仕事がしたいと思うようになったことがきっかけです。それから映像制作会社に入社し、編集技術を身につけ、映像ディレクターとして独立しました。

その後個人で活動を続ける中で、30歳のときに「自分の好きなことを社会貢献につなげられないか」と思い始めたのです。そこで会社経営をしている友人に相談したところ、起業をすすめられ、今の会社を設立しました。

ーー起業当時のエピソードを聞かせてください。

平川アズサ:
あるときJリーグチームのオーナーから、スタジアムの大型ビジョンで流すための映像を制作してほしいと依頼されたことがありました。

はじめての試みでしたが、他のチームの動画を参考に、見よう見まねで選手紹介をつくりました。開幕戦当日を迎え、制作した映像が会場のビジョンに流れたとたん、会場全体がどよめいたんですよ。その光景を目の当たりにしたときは、本当にうれしかったですね。

今や大手企業から映像を軸としたイベントプロデュースも任せてもらっています。

攻めの企画・提案力が強み

ーー貴社ならではの強みを教えてください。

平川アズサ:
クライアントに弊社を選んだ理由を尋ねたところ、「真面目さんだけが果敢に攻めにきていた」と企画力を褒めていただきました。こうした評価にもあるように、企画・提案力が最大の武器です。

プレゼンでは「企画を通して拡張現実をつくり出す」をテーマに、完成後の映像や空間がイメージできるように意識しています。また、社歴の浅い人にも経営者層の方にも同じ濃度で伝わるように意識しています。

これは、とあるコンテンツディレクターの「ビジュアルだけで伝わり、見た瞬間に面白いと思えるのが採用される企画書だ」という発言がもとになっています。なお、企画書はお客様へのラブレターだと思い、「私たちは貴社のこんなところが好きです」とストレートに伝えています。

起業した頃は右も左も分からず、とにかく攻め続けるしかありませんでしたが、今ではその姿勢が弊社の強みになっていると実感しています。

ーー仕事をするうえで意識していることはありますか。

平川アズサ:
会社のミッションに「この1本で誰かの人生を変えていく。」と掲げているように、人々の感情に訴えかけるコンテンツや体験を提供していきたいと思っています。

ある実業家の方に「前職のキックオフイベントで真面目さんが制作した映像に涙し、自分もがんばろうと思いました」と言われたことがあったんです。このように何年も記憶に残るようなコンテンツを提供し、それが誰かの人生を変えるきっかけになれば幸せです。

ーー経営者としてどのようなことを大切にしていますか。

平川アズサ:
プロとして一番大切なことは「続けること」です。長く続けなければ見えない世界があるので、無闇に新しいことに手を出すのではなく、今あるものに目を向け、常に高みを目指しています。

社内外で絆を深めて強い基盤をつくる

ーー社風や文化について聞かせてください。

平川アズサ:
どんな仕事や作業でも「とにかく陽気に取り組む」という文化が根付いていますね。従業員の評価項目にも「陽気」が含まれています。これは私自身が明るく笑顔で人と接することで、相手も楽しい気持ちになれると思っているからです。

このカルチャーを社内に浸透させ、自分たちが関わった方々を楽しい気分にさせる組織を目指します。

ーー採用ではどのような点に着目されていますか。

平川アズサ:
数回に分けて面接を実施し、さらにランチ面談を行うなど、候補者をさまざまな角度から見て判断しています。なお弊社では、クライアントの定例会議のファシリテーター(※)を入社3、4年目の社員が務めるなど、若手社員が即戦力として活躍しています。今後も新卒採用に力を入れ、会社の看板を背負ってくれる人を増やしていきたいと思っています。

(※)ファシリテーター:会議の場で参加者に発言を促したり話の流れをまとめたりする役割を担う人のこと

ーー今後の経営方針や展望を教えていただけますか。

平川アズサ:
社内・社外を含め、強い絆でつながった人たちを増やし、強い会社にしていきたいと思っています。売上は社会からの期待値だと思っているので、昨年の期待を超えられるように、日々努力しています。

提案できるバリエーションも増えたため、より多くの企業課題を解決できるように支援していきます。世の中には課題を抱えている企業がたくさんあるので、これからの出会いにわくわくしています。

ーー最後に平川社長の夢を教えてください。

平川アズサ:
個人的な夢ですが、娘に「ママの背中はかっこいい」と言い続けてもらうことです。彼女には美しくたくましい女性になってほしいと思っています。そのために、私自身が背中を追い続けられる存在でありたいです。

編集後記

「かっこいい」と尊敬される女性になりたいと、モデルという被写体からクリエーターという発信者の道に進んだ平川社長。学歴も社会経験もないところから一般企業に就職し、経営者としての道を切り拓いた平川社長は、まさにかっこいい女性そのものだ。株式会社真面目は、これからも人生を変えるようなコンテンツをつくり続け、多くの人々に感動や勇気をもたらすことだろう。

平川アズサ/1982年生まれ。岩手県出身。高校卒業後、23歳までモデルとして活躍。25歳で自主製作映画を制作したことを機に、映像ディレクターになるために26歳で映像制作会社に入社。その後独立し、2013年に株式会社真面目を立ち上げ、代表取締役社長CEOに就任。