※本ページ内の情報は2024年7月時点のものです。

日本は「ものづくり大国」と呼ばれるほど製造業が盛んな国だ。製造業に携わる人口は多く、日本の産業基盤を支える重要な役割を担っている。

では、日本の製造業を活性化できたら、日本全体が今より元気になるのではないだろうか。そんな考えから製造業をサポートする「Skillnote(スキルノート)」事業を起こしたのが、株式会社Skillnoteの代表取締役である山川隆史氏だ。

Skillnoteは今や大企業も導入する一大サービスに成長した。一体どのように事業が生み出され、今後どう展開していくのか。Skillnoteのこれまでとこれからを山川社長にうかがった。

製造業の現場から得た学びを活かして事業を立ち上げ

ーー社長の経歴をお聞かせください。

山川隆史:
私は大学に在学中から、いずれは起業したいと思っていました。ただ、いきなり事業を立ち上げるのは難しいので、大学卒業後は化学メーカーに就職。現場感を養ったり現場の中から事業化できそうな社会課題を見つけたりと、ビジネスの基礎固めを行いました。

化学メーカーでは、工場で2年間経験を積んだのちに、電子材料の技術営業の道へと進みました。技術者とやりとりすることが多く、そういった方と仕事をすることを楽しいと思う中で、日本と海外の「人」の違いを顕著に感じました。「企業の根幹は人である」と感じ始め、次第に人材育成に興味を持つようになったのです。

これらの経験を通して、人材育成事業の分野で起業し、製造業の人材育成支援に取り組みました。その中で、人材育成を継続的に行い、効果を発揮するためにはシステムによるサポートが必要と考え、現在のSkillnoteの構想に至りました。その後、株式会社Skillnoteを立ち上げました。

ーーSkillnote事業を始めたきっかけは何ですか?

山川隆史:
Skillnoteという発想が生まれたのは、研修サービスを提供していた電機メーカーの技術幹部の方の発言がきっかけです。

彼が語ったのは「単発の研修ももちろんだが、組織におけるスキルへのニーズと現状を把握し、理想とのギャップを埋めることが大事だ」ということでした。

私も体系的な教育を重要視していたので非常に腹落ちしました。それと同時に、このイメージを可視化できないかと考えるようになり、Skillnoteの開発に取り組むようになったのです。

現場目線にこだわったからこそ実現できた「本当に求められるサービス」

ーー貴社の事業内容を教えてください。

山川隆史:
組織のスキルを見える化するサービス、「Skillnote(スキルノート)」の運営です。

Skillnoteの特徴は、スキルの見える化だけでなく、育成計画の立案から進捗管理、記録、分析まであらゆる機能を搭載している点にあります。これにより人材育成に対するリソースの最適化が可能になり、組織が抱える課題への対応や新事業立ち上げの円滑化などが期待できます。

また、製造業に特化している点も大きな特徴です。徹底的な現場目線でつくられているので、各技術者のスキルや現場が抱える課題、理想とのギャップなどを詳細に管理できます。

私自身が製造業の現場出身なので、この点は特にこだわってつくっています。自分の経験を最大限活用したのはもちろん、実際に現場でサービスを使ってもらって意見を募り、度重なるアップデートを行っています。

ーー早期から大手企業との契約を獲得していましたが、秘訣は何でしょうか?

山川隆史:
まさに現場が欲しがるような機能が詰まっているからだと思います。Skillnoteは徹底した現場目線でつくっているので、製造現場とのギャップが少ないのでしょう。

また、大手企業が求める「品質」が担保されている点も大きいと思います。そこにスタートアップ企業ならではの「スピード感」が組み合わさった結果、大手企業からも認められるサービスとして成り立ったと考えています。

誠実さや成長意欲のある人材とともにさらなる高みを目指す

ーー今後注力したいテーマを教えてください。

山川隆史:
海外を見据えた新規開拓に取り組みたいと考えています。弊社が目指す目標は、日本発のサービスで世界ナンバーワンを獲得することです。この目標を達成するためにも海外に積極的に進出していきたいと思います。

また、大手顧客を対象とした取引深耕にも取り組んでいきます。大手企業は部署ごとに指揮系統が分かれていることが多いため、一つの部署を入口として組織内でニーズの深掘りができるでしょう。

ーー人材に求める条件や期待することは何ですか?

山川隆史:
採用で重視している点は、会社のバリューに合った人材であることです。まず「誠実であること」が大前提で、さらに成長意欲が高くチャレンジ精神のある「フロントランナー」意識を持っているとありがたいです。

詳細については採用HPや公式noteをご覧いただければと思いますが、具体的な職種としては、セールスやエンジニア職、事業開発ポジションなど全職種積極的に募集しています。

Skillnoteが大手企業に受け入れられたように、仕事においても品質とスピード感の両立が大切だと思います。弊社で一緒に、顧客の期待を超える人材へと成長しましょう。

製造業が「日本を元気にする」可能性を信じて

ーー最後に一言メッセージをお願いします。

山川隆史:
私はSkillnoteを通じて2つのことを叶えたいと思っています。

1つは「製造業に携わる人が生き生きと働ける世界」です。日本の労働人口のうち、製造業に携わる方は15%以上を占めます。この15%を元気にできれば、製造業だけでなく日本全体へと元気が伝わり、ひいては社会を良くすることにもつながるでしょう。

もう1つは「日本発のサービスで世界ナンバーワン」になることです。このような目標は指標としては分かりやすいのですが、本気で目指す人は少ないでしょう。しかし、私はこの壮大な目標に本気で取り組んでいます。

自分の力を発揮するには、本気で取り組める環境や仲間が必要です。自分の本気を試したい方は、ぜひ弊社の一員に加わってください。

編集後記

Skillnoteは山川社長が「製造現場」と「システム開発」という、まったく異なる畑を掛け合わせたからこそ生まれたサービスだ。新たな畑の開拓には多大な労力を伴うが、山川社長の「製造業のために」という思いの強さは、そのギャップを乗り越え日本全国へと広がり、今や世界へ羽ばたこうとしている。

ここまで到達できたのは、山川社長があらゆる場面で全力を尽くしてきた成果の結晶だろう。飾りのない全力の思いは伝播し、広がっていくものだ。山川社長が製造業の元気の発信源になる日は近い。

山川隆史/早稲田大学理工学部卒業。信越化学工業株式会社に入社し、電子材料事業本部にて新規技術のビジネス開発や開発品の市場開拓などに従事。10年間にわたり、アジア・欧米の企業との半導体用材料に関するプロジェクトに多数参画。2006年に製造業の人材育成を支援する会社を創業。2016年に株式会社Skillnoteを設立し、現在に至る。