※本ページ内の情報は2024年7月時点のものです。

唯一無二のモノづくりで、モノを生み出すすべての企業のイノベーションを支えるMONOVATE株式会社。1957年に日東金属工業株式会社としてスタートし、68年目を迎える今年、社名変更とともに新たな一歩を踏み出した。今回は、代表取締役の大山正記氏から、社名変更に込めた思い、今後の展望やモノづくりの魅力まで、幅広くうかがった。

革新的なモノづくりへの挑戦と新社名に込めた思い

ーーはじめに、大山社長の経歴と貴社の事業内容を教えてください。

大山正記:
大学卒業後、金融機関・流通業を経て2001年に入社しました。22年間にわたり生産管理・営業管理・マーケティングなど幅広く経験したのち、2023年度より代表取締役社長に就任しました。

弊社はステンレス容器や建材装飾のメーカーでしたが、それに加え、お客様のニーズに合わせた製品を製造し、付加価値をつけるようになっていきました。今では「容器メーカー」という枠に収まらず、「お客様のモノづくりを、弊社のモノづくりで解決する」という思いのもと、液体、粉体、スラリー(液体状の混合物)を扱う場所や企業はすべて弊社のお客様と捉えています。

ーー貴社の製品開発、技術開発について聞かせてください。

大山正記:
日々さまざまなニーズに応える中で、少しずつ製品開発・技術開発の種を見つけています。お客様のモノづくりと弊社のモノづくりを組み合わせて、何か新しいものが作れないかと考えています。大それた発明品をつくるのではなく、皆様の日々のちょっとしたお困りごとを解決するような製品・技術を開発していきたいです。

ーー2024年4月に社名変更されていますが、新社名に込められた思いを教えてください。

大山正記:
新社名の「MONOVATE(モノベート)」は、「モノづくり」と「イノベート」を掛け合わせた造語で、「お客様の唯一無二の製品を、弊社の唯一無二の製品と提案で支え、革新したい」という思いが込められています。「モノづくり開発企業」をパーパスとし、それを体現するために「Creativity=工夫」「Challenge=挑戦」「Communication=チームワーク」をバリューに掲げています。

震災復興からのDX推進、グローバル展開への挑戦

ーー貴社の強みや、大切にしていることは何ですか?

大山正記:
一番の強みは「社員」です。現在は埼玉県八潮市と茨城県つくば市に工場がありますが、以前は福島県双葉町にもありました。東日本大震災で稼働できなくなり、つくば市に新工場を設立した経緯があります。稼働体制が整うまで非常に苦労したと同時に、やはり「ヒト」が大事だと痛感しました。

大切にしていることは「真摯に向き合う」ことです。お客様の要望やお困りごとは幅広く複雑なので、解決策を提案するのに非常に苦労します。ニーズに応えるのは当然のことで、いかに真摯にお客様と向き合い、課題解決に取り組むかが大切だと思っています。

ーーDXに関してはどのような取り組みを行っていますか。

大山正記:
5年ほど前から本格的に取り組み、営業活動や採用活動のほか、社内のコミュニケーションにも積極的にデジタルツールを取り入れています。大変ありがたいことに、中小企業庁の「2023年度はばたく中小企業・小規模事業者300社」にDX分野で選定していただきました。DX推進により、社員一人ひとりが自由に発信しやすく、勤続年数や年齢に関係なく挑戦しやすい環境になってきていると感じています。

ーー今後の展開について、どのように考えていますか。

大山正記:
ECサイトの拡充を強化していきます。ECサイト上での売上自体は少ないのですが、そこを入口にして、弊社の強みである「唯一無二」を国内外に伝えていければと思っています。特に、海外から見た日本は「職人」のイメージが強いと思うので、そこを伝えられたらいいですね。また、最近では海外出身者も入社してくれているので、今後も多様な人材を積極的に採用していきたいと考えています。

好奇心と工夫を重視するモノづくり

ーー貴社ではどのような社員が活躍していますか?

大山正記:
何事にも好奇心を持って取り組み、解決・改善のために工夫できる人です。中小企業の製造業は、基本的に加工メインの企業が多い中、弊社はメーカーとしてモノづくりをして、マーケティングや販促、営業活動まで一貫して行っています。細かい作業が得意な人もいれば、分析が得意な人、先陣を切って営業に向かう人もいますが、すべてに共通して大事なのは、やはり好奇心と工夫ですね。

ーー最後に、大山社長が考える「モノづくり」の魅力について聞かせてください。

大山正記:
多種多様なニーズに対して、試行錯誤を繰り返して解決に導く達成感や、新たな発見や変化を身近に感じられる喜びが「モノづくり」の魅力だと思います。デジタル領域で世界と互角に渡り合うことは難しいかもしれませんが、日本の技術は、世界で通用すると確信しています。少しでも多くの方が「モノづくり」に興味を持ち、私たちと一緒に「唯一無二の製品を世界に発信していきたい」と感じてもらえたらとても嬉しいです。

編集後記

1957年の創業以来、あらゆるニーズに真摯に向き合い続け、ステンレス分野での地位を確固たるものにしたMONOVATE株式会社。日本が誇る「モノづくり」の力を世界に発信すべく、海外展開への取り組みを強化している。新たな一歩を踏み出す同社の躍進に今後も注目していきたい。

大山正記/1973年東京都生まれ、早稲田大学卒業。金融機関・流通業を経験した後に、2001年にMONOVATE株式会社(旧:日東金属工業株式会社)に入社。2023年に代表取締役社長に就任。