ビジネスにおいて戦略が重要性を増すなか、コンサルティング・ファームの存在感はますます高まっている。
後発でありながら業界で存在感を発揮するライズ・コンサルティング・グループは、どのようなポジショニング戦略をとっているのか、北村社長に話を聞いた。
「35歳までに経営者になる」という目標からキャリアを逆算し、見事に達成
ーー北村社長の経歴を教えてください。
北村俊樹:
学生時代から「35歳までに起業したい」と考えており、その目標を達成するためにキャリアを逆算して計画していました。
ロンドン大学を卒業後、まずはITコンサルティングファームのフューチャーアーキテクト株式会社に入社し、約4年間金融事業部に勤務して、ITコンサルティングビジネスの基礎を学びました。
その後、株式会社野村総合研究所のコンサルタント部門に転職し、金融機関や官公庁向けのプロジェクトに携わりました。そして30歳を過ぎ、35歳までの残り時間をどう使うべきか考えていたときに、株式会社ライズ・コンサルティング・グループと出会います。
そこでベンチャー企業ならではの成長力と個人の裁量次第でキャリアを上昇させられる環境があることを知り、ここで経営経験を積む決意を固めました。2016年にシニアマネージャーとして入社し、翌年にはパートナーに就任。そして2020年3月には次期社長就任の打診をいただき、2021年に社長に就任して今に至ります。
入社から1年でパートナー昇格は異例のスピードですが、入社直後はとにかく自主的に動き、提案機会があれば飛びつくように手を挙げました。もちろんしんどい場面もありましたが、評価につながることは全部やる勢いでやりましたね。ただ、通常考えられないスピード昇格なので、他の社員への影響を考慮して、バランスを取りながらの昇格となりました。
また、社長に就任するときは、すでにIPOへ向けた流れがあったので、社員へのIPO説明や社員との融和などがミッションとして顕在化していました。社長のバトンタッチと並行して、IPOをオンスケジュールでこなしつつ、売上の計画以上の達成やコーポレート部門の体制強化などにも取り組むという、走りながらのバトンタッチでした。
大きな目標を達成するには、何より地盤固めが大切
ーー社長に就任して最初に取り組んだことは何ですか?
北村俊樹:
IPOを実現するための組織づくりです。当時、3年以内にIPOを実現するという計画があり、そのための第一段階として社員との徹底的な対話に取り組みました。
組織は一致団結してこそ本来の力を発揮すると考え、まずは社員たちの意見を汲みとることにしました。一人ひとりと丁寧に対話し、社員たちの声を組織に反映できる環境をつくり上げたのです。
個人の気持ちは正解がない分野なので、正直手探りで進めていた部分が多かったですね。しかし、目標が明確だったので、着実に歩みを進められました。
後発の会社ながら、質と対応領域では大手に引けをとらないジェネラリスト集団
ーー貴社の事業内容を教えてください。
北村俊樹:
主に大企業向けの総合コンサルティング事業を行っています。総合コンサルティング企業というのは、新規事業や事業の戦略といった「ストラテジー」と、業務改革やサービス設計などの「オペレーション」、そしてシステム構築の「IT」という3つの領域を兼ね備えたコンサルタント企業のことです。
弊社は総合コンサルティング企業としては後発ですが、さまざまな実績や経験を有するメンバーが揃っているので、人材の質では他社に引けをとりません。また、対応領域の幅広さにも自信があり、広い視野で顧客の課題を解決へと導くことができます。
優秀なメンバーたちを核に、バリュープライスと幅広い対応領域で業界に切り込む
ーー貴社独自の強みは何ですか?
北村俊樹:
質の高いサービスを安価で提供できる高稼働率モデルを持っていることです。
大手に負けない質と対応領域の広さは、顧客との関係を確固たるものにできる強みであると自負しております。加えて、高い稼働率からバリュープライスを実現することができ、顧客獲得につなげています。
大手の稼働率は6、7割程度といわれている中、弊社の稼働率は9割程度(24年2月期)と、大手と比べて高稼働であり、コンサルタント1人あたりの売上に貢献する時間が多い状況です。
これからのコンサルティングはチームプレーが前提の時代になる
ーー今後、特に注力したいテーマをお聞かせください。
北村俊樹:
常駐先における顧客深耕や、すでに接点のあるリード(見込み客)に対する新規開拓などです。そのために、さまざまな会社や個人との連携強化に取り組む必要があると考えています。
社会やビジネスの構造が複雑化するなかで、企業が抱える課題も複雑化が進んでいます。この状況に弊社が単独で立ち向かうのは難しく、あらゆる会社や個人とのチームプレーが必要になってきます。
弊社が担うべきは、その中核となってスムーズにチームを構築することです。顧客のために誰と何をすべきなのか、これからのコンサルタント業界には、発想力とスピード感、さらに周囲を巻き込む力も求められるのです。
業務の中で確実に成長できる環境がある
ーーこの記事の読者に対してメッセージをお願いします。
北村俊樹:
弊社では「Well-being(ウェルビーイング)」の考え方を大切にしていて、社員一人ひとりが多様な経験の中で成長していくことを目指しています。社内には成長の機会がたくさんあるので、成長意欲が高い方にとっては最高の環境だと思います。
業務は「ワンプール制(コンサルタントが全員、同じ部門に配属されるシステム)」という、幅広いプロジェクトへのアサインが可能な制度をとっているので、自分のキャリアを広げるチャンスになりますし、キャリアプランを描く場としても最適でしょう。
教育面ではOJT(職場内訓練)とOff-JT(職場外研修)を軸にしています。マネージャーやシニアマネージャーの多くが現場にいる環境は、常駐型の大きなメリットといえるでしょう。
また、自分の考えをアウトプットできる風通しの良さも自慢です。弊社には個としての成長機会と切磋琢磨できる環境の両方があります。自己の成長と顧客の成功をWin-Winの関係でつなげて進歩していきたい方は、ぜひ仲間としてご参画ください。
編集後記
9割程度という驚くべき稼働率で、コンサルティング業界に新たな風を吹き込む北村社長。シンプルかつ難易度が高いこの構図は、ビジネスの世界を全力で泳いできた北村社長だからこそ描けたものだ。
これからの時代、ビジネスに求められることはさらに複雑化するだろう。しかし、その傍らにライズ・コンサルティング・グループのような頼れる存在があれば、私たちは安心して歩みを進められるはずだ。
北村俊樹/1983年、岐阜県生まれ。ロンドン大学を卒業後、フューチャーアーキテクト株式会社、株式会社野村総合研究所を経て、株式会社ライズ・コンサルティング・グループに参画。2021年3月、代表取締役社CEOに就任。