スタートアップ企業の成長を加速させる戦略的マーケティングのスペシャリスト集団、株式会社Lifunext。同社は、クライアントの課題に寄り添い、戦略立案から実行までをワンストップで支援する。事業コンサルティング経験者による深い洞察と、急成長市場における豊富な実績を強みとして、創業から7年、従業員数約40名にして、すでに数々の成功事例を生み出している同社。コンサルティング業界において、どのようにして頭角を現し、急成長を遂げたのか。その秘訣と、今後の展望について代表取締役社長の田村一将氏にお話をうかがった。
大学生から社会人へーーキャリアの転換点となった経験
ーー大学時代はどのように過ごしていましたか?
田村一将:
友達と麻雀したり、クラブにいったりして、とても大学生活を楽しんでいましたね。当時は起業や社長になりたいという考えはあまりなく、周りにそういう人が何人かいたので、「起業という選択肢もあるのか」くらいの認識でした。お金を稼ぎたいという気持ちは結構大きかったのですが、自分で何かを始めようという考えはほとんどありませんでしたね。
ーー社会人になってからのキャリアについて聞かせてください。
田村一将:
2010年に新卒で株式会社セプテーニという広告代理店に入社しました。最初の2年間は営業に、その後2年半ほどは戦略企画や事業の立ち上げに携わりました。当時を振り返ると、とにかくがむしゃらに働いていたなと思います。
ある時、非常に難しい案件を担当することになったのですが、その経験が私の人生のターニングポイントでした。お客さまから「あなたの会社はここが弱い」「ここは属人的だ」といった厳しいフィードバックをいただいて、多くの気づきを得ることができたのです。
それまでは昇給や昇格、アワードをとることなどを目標にした自分本位の考え方でしたが、次第に会社のミッションを果たすことに焦点を当てるようになりました。お客さまからいただいたフィードバックをもとに、社内体制を改善したいと自ら手を挙げて「戦略企画チーム」を発足。仕事への向き合い方が大きく変わったことで、周りからの評価も上がり、人生が豊かになりましたね。
戦略コンサルティングとマーケティング実行力が強み
ーー貴社の事業内容について詳しく教えてください。
田村一将:
私たちは、主にスタートアップ企業を対象としたマーケティング支援を行っています。社内には戦略コンサルティングのチームがあり、それに紐づくように広告やSEO、制作チームを備えています。これにより、マーケティング戦略の策定から、実際の広告制作、さらにはデジタルマーケティングの実行まで、包括的なサポートを可能としています。
また、場合によっては出資や役員派遣など、より深いレベルの経営支援を行うこともありますね。たとえば、ある企業に出資して、私自身も役員として参画するという具合です。資金や人材を投入して、ワンチームでマーケティングを推進する。その結果、企業が大きく業績を伸ばすことに貢献できています。
ーー貴社の強みはどんなところでしょうか。
田村一将:
私たちの最大の強みは、数々のスタートアップ企業とともに成長してきた経験です。私たちが支援するクライアントには、1年で5倍、6倍と成長するケースもあります。当然やるべきことも多くありますが、そこを一緒に乗り越えることで、私たちも成長できるのです。お客さまとともに歩み成長することが、ニーズを深く理解し、適切なソリューションを提供するために欠かせないと考えています。
成長を重視する企業文化と未来への展望
ーー貴社の企業文化について教えてください。
田村一将:
私たちはフラットな組織構造を採用しています。一人ひとりが一定の権限を持ってお客さまと向き合う。その結果として、お客さまにとって居心地の良い環境をつくり出し、より深い信頼関係を築くことができています。
また、風通しの良さや、一人ひとりが自立できる環境も大切にしていますね。ただし、組織が成長するにつれて、この文化をどのように維持するかが課題になってくるでしょう。ビジネスの合理性を追求するあまりに、人間味を失ってはいけません。現在、弊社は40名ほどの規模ですが、今後人員が増えても、現在の文化を維持しつつ発展を目指す方針です。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
田村一将:
3年後には、社員数を現在の2倍程度に増やしたいと思っています。これまでは主に第二新卒を中心とした採用を行ってきましたが、2025卒から新卒採用を開始しているので、いろいろな方とお会いできるのが楽しみです。事業面では、現在のマーケティング支援からさらに発展させ、スタートアップ企業における課題を全般的に解決できる会社になることが目標ですね。
最後に、私が特に大切にしているのは、社員の成長です。会社が本気で社員の成長を考え支援することで、結果として会社の成長にもつながると信じ、こだわりを持って全力で取り組んでいます。たとえ社員が将来的に、弊社を辞めることがあっても、「Lifunextに入社して良かった」「キャリアを上げられた」と、弊社で働いたことに価値を感じてもらえたら嬉しいですね。
編集後記
田村社長が語る「成長」への情熱に、思わず引き込まれた。支援を通じて、自社も、社員も、クライアントも、三位一体で成長していく様子が目に浮かぶようだった。特に印象的だったのは、社員の成長に対する強い思いだ。「会社を辞めるときにキャリアを上げられたと感じてほしい」という言葉に、経営者としての深い愛情を感じた。
田村一将/1988年、神奈川県生まれ。2010年、株式会社セプテーニ入社。営業、SEMコンサルタントを経験したのち、戦略立案チームを発足。プロジェクトのデータ活用、アドテク活用を促進し、SearchAds360のアジアNo.1取り扱い代理店まで成長させた。その後、AdRoll株式会社の日本オフィス立ち上げに参画、代理店マネージャーとして、世界一の営業成績を記録。2017年、株式会社Lifunextを設立。