※本ページ内の情報は2025年2月時点のものです。

ベンチャーに特化して総合支援を行う、株式会社ウィルゲート。日本に生まれた新たな芽を育てるには、同社のような存在が欠かせない。ウィルゲートをここまで成長させた、代表取締役の小島梨揮氏に、学生起業から現在までの経歴、ウィルゲートの強み、同社が目指す姿などについて話をうかがった。

高校時代に友人と物販で起業。その後、可能性を求めてインターネットビジネスの世界へ

ーー小島社長の経歴をお聞かせください。

小島梨揮:
私は岡山県の出身で、中学までは地元の学校に通っていました。そのまま岡山県の高校に進学する予定だったのですが、東京の高校に興味が湧いたことで進路を変え、上京して慶應義塾高校に入学する道を選びました。

高校での生活は、私の人生に転機をもたらしました。特に、生徒たちの親の中に、ビジネスを成功させた人が多かったことが強い刺激となり、漠然と「私も頑張れば何かできるのでは」と考え始めます。そして、当時急成長を遂げた楽天グループやライブドアに影響を受け、在学中から友人と個人事業を始めることにしたのです。

まずは海外ブランド品を輸入販売するネットショップ事業を始めました。コツコツと成長を目指していましたが、マーケティングを進める際に騙された経験もあり、我々がその業界を変えるべくマーケティング支援事業に変更しました。そして、2006年に株式会社ウィルゲートを設立し、今に至ります。

ーーウィルゲートの社長に就任してから特に苦労したことは何ですか?

小島梨揮:
事業を拡大するにあたって、社員の増員と組織体制のバランスを取るのに苦労しました。

これは、会社を設立して間もない2007年頃の出来事です。当時、事業が軌道に乗り始めたタイミングで、経験豊富な人材の採用を強化していたのですが、人材の増員に耐えうる組織体制や、会社の文化といった基盤が整っていなかったのです。

経験は豊富な方々だったものの事業や組織の方向性のすり合わせができておらず、組織はバラバラとなり、2007年からの急激な経営の悪化に陥りました。業績は低迷し、一時はかなり厳しい状況にまで追い込まれました。そのような状況下で多くの方が去ってしまう中、残ってくれた社員たちと改めて会社の方向性のすり合わせをし、なんとか再出発を果たします。

その後は、黒字転換に成功。この経験を教訓として「人と組織を大切にし、強い文化を築くことが成長のカギである」という意識をもって、事業に取り組むようになりました。

経験と実績を活かし、ベンチャーに特化した総合支援を行う

ーー貴社の事業内容と強みを教えてください。

小島梨揮:
弊社では、会社規模・事業フェーズを問わず、新たなビジネスや取り組みに『will』を持って挑戦する企業をベンチャーと定義し、「ベンチャーの可能性を広げ、あらゆる挑戦を支援する」をビジョンに掲げています。事業内容は、コンテンツマーケティングを中心に、セールス支援、人材支援、M&A支援を通じて、顧客獲得・人材獲得・事業成長といった総合支援を行っています。

特にM&A支援に関しては、若い企業やITベンチャーを中心にした事業拡大や事業譲渡の支援に注力しており、「ベンチャーの成長支援に強い企業」というポジションを確立すべく拡大を進めています。

さらに、人材支援では、マーケティングやセールス分野を得意とするプロの業務委託人材のマッチングを得意としていることから、コンテンツマーケティングやセールス支援、M&A支援と合わせて提案することで、会社の成長を広く長く支援することが可能です。

強みは、ベンチャーの成長に必要な支援を、弊社だけで総合的に提供できることです。これは、多くの成長企業の支援に取り組む中で獲得してきた経験と実績、ベンチャーの経営層とのネットワークがあるからこそ実現できることです。

チャレンジ精神を大切に、ベンチャー支援のリーディングカンパニーを目指す

ーー採用にあたって、求める人材像を教えてください。

小島梨揮:
弊社が求める人材は、社会や人への貢献意欲を持ったうえで、自ら成長していく「主体性」や「チャレンジ精神」を発揮できる人です。これは、仕事をポジティブに進めるために欠かせない要素です。

それに加えて、他の社員と連携できる「協調性」も大切です。弊社では、複数の部署が補完し合って事業を進めていくので、横の連携や協力によるシナジーが強く求められます。

ちなみに、採用の区分ごとに求める条件としては、新卒や第2新卒では、会社の文化を大切にしながら成長する「ポテンシャル」を、中途採用では、「専門性」や会社の文化を理解して組織の成長を促進できる「柔軟性」を重視しているところです。

ーー今後、会社をどのように成長させていきたいとお考えですか?

小島梨揮:
短期的な目標は今後3年を目処に、ベンチャー支援の総合的な強化や支援領域を拡大することです。具体的には、現在のコンテンツマーケティングやM&A支援などに加えて、SNSマーケティングやクリエイティブ領域の支援、充実したセールスプロフェッショナルの提供などを予定しています。

長期的な目標は、日本のベンチャー支援市場におけるリーディングカンパニーというポジションを確立し、スタートアップの成長支援をワンストップで実現できる存在になることです。特に、M&Aの売り手と買い手の双方が事業を拡大し、成功を実現できる支援体制を構築することが重要になります。

これらの目標の根本にあるのは、クライアント企業の競争力を高めるという考えです。弊社の支援を受けたベンチャーの中から、1社でも多く、世界で活躍できる企業を生み出すことが、弊社の使命なのです。

編集後記

ベンチャーという小規模な組織が成長するには、全体を下支えしてくれる、縁の下の力持ちのような存在が頼りになる。ウィルゲートが行っているのは、まさにそういった支援だ。ベンチャーに特化している点も強みの一つといえるだろう。

これからのウィルゲートの活躍が、日本のベンチャーシーンにどのような変革をもたらすのか注目したい。小島社長の描く未来図には、多くの企業の「will」を実現する力が込められている。

小島梨揮/1986年、岡山県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。小学校からの幼なじみであり、ウィルゲート専務取締役の吉岡氏とともに18歳でインターネットビジネスを開始し、2006年に株式会社ウィルゲートを設立。設立後間もなく、倒産危機に陥り、1億円の負債を背負うがそれを乗り越えて同社を業界トップクラスの企業へと導く。現在はベンチャーをメインターゲットとした成長支援サービスに注力し、“一人ひとりの「will(意思)」の実現”を目指す。