※本ページ内の情報は2025年1月時点のものです。

「横浜の高級注文住宅メーカー」として広く知られるジェイホームズ株式会社。同社は2005年創業の比較的新しい住宅メーカーだが、施工技術が高いことで知られ、美しさと機能性と住心地を兼ね備えた家づくりで高い評価を受けている。今回は創業者であり、代表取締役の牧野伸一氏に、創業に至った経緯やジェイホームズの強み、今後の展望などを聞いた。

所属部署の解散を転機と捉えて再起。部下や発注先と協力して住宅メーカーから独立

ーー牧野社長の経歴をお聞かせください。

牧野伸一:
私は一貫して住宅メーカーでキャリアを積んできました。大学卒業後、最初に入社したのは株式会社木下工務店です。木下工務店では約22年間働き、現場監督からスタートし、建築部長として社内の中核事業を率いる立場になりました。

次に入社した太平住宅株式会社では、木下工務店時代の部下と合流して事業の発展に尽力しました。しかし、業績悪化により約2年後に倒産したことから、野村ホーム株式会社に入社しました。社内で1番利益を上げている部署を任されましたが、約2年後に会社が解散することになりました。

私はこれを新たな道を歩む機会と考え、住宅メーカーを創業することを決意しました。そして、以前からつながりがあった優秀な大工さんたちと協力して、設立したのがジェイホームズです。

ーー牧野社長が経営において大切にしていることは何ですか?

牧野伸一:
何よりも「良い家」をつくることを最優先にすることです。お客様からの評価はもちろん、建築家を始めとしたプロからも高く評価されることを念頭に、品質と美しさに徹底的にこだわり抜いています。

特に、他社が敬遠するような細かい仕様にも対応するようにしています。当然、施工の難易度は上がりますが、弊社だけのポジションが確立できるうえに、高単価な案件を受注できるようになります。おかげで弊社では、一般的な住宅メーカーの2倍以上の高額な物件が主流になっています。

施主のこだわりに徹底的に向き合った、品質第一の家づくり

ーー貴社の事業内容と強みを教えてください。

牧野伸一:
デザイン性の高い美しさと住心地(快適さ)を実現した高級注文住宅を提供しています。弊社の家づくりのコンセプトは「美しさと快適さを探究すること」です。美しさを探求するためには、組織のリソースをつぎ込むことを惜しみません。営業不在、社員全員が技術者という施工に特化した組織体制で業務に当たっているほか、代表である私自身が、すべてのお客様を直接担当させていただく仕組みをとっています。

弊社の強みは、細かな要望にも応える提案力と、それを実現する技術力です。施主様との打ち合わせでは私と建築家で徹底的なヒアリングを行い、一人ひとりのライフスタイルに細やかに対応する提案を行います。そして、その提案をもとに、美しさと機能性、快適さを両立した、こだわりの住空間を実現していくのです。

「高い技術力」という武器を活かして、成長を続けるために必要なこととは

ーー今後、貴社の成長のために必要だと考えていることをお聞かせください。

牧野伸一:
特に注力すべきと考えているのが、住宅を建てたお客様へのアフターケアへのさらなる充実や集客体制の強化、事業領域の拡大などです。

まず、お客様へのアフターケアの充実では、子会社の「ジェイテック」を活用してアフターメンテナンスを充実させ、長期的な顧客満足度の向上や、お客様との関係構築を進めていきます。ここを地道に取り組むことで、ご紹介やリピーターの獲得へとつながるでしょう。

次に、集客体制の強化で考えているのは、SNSやホームページを活用したオンライン集客と、ショールームやモデルハウスといったリアルな体験型マーケティングの併用です。弊社の確かな品質を多くの方に知っていただくために、多方面でお客様との接点を増やしていきます。

そして、事業領域の拡大では、木造住宅以外の建物への対応を進めていく予定です。現在は木造住宅に特化していますが、将来的な住宅需要の縮小を見据え、幅広い案件に対応できるように技術と体制を整えていきます。

ーー今後、人材育成をどのように進めていく予定ですか?

牧野伸一:
次世代のリーダーを中心として、弊社のマインドを受け継ぐ人材の育成が急務だと感じています。私が現在67歳と高齢になってきたこともあり、会社の引き継ぎは大きな課題です。すでに役員に登用した社員もいますが、引き続き新たな世代の人材を見つけるために、採用活動を強化を進めていきます。

人材育成で重視しているのは、お客様や建築家と信頼関係を築く「誠実さ」の体現です。住宅という人生最大級の買い物に満足いただけるように「お客様が思い描く理想の未来を実現する」という理念にとことん向き合える人材を育て上げます。

編集後記

ジェイホームズの家づくりは「家づくりを通じて顧客の生活を支える」という、サービスの本質にこだわり抜いたものだと感じた。これを実現するに足る高い技術力は、同社の大きな財産であり、業界における存在感を際立たせる要因になっている。今後、事業領域の拡大が進めば、より多くの人がジェイホームズの品質に気づくことだろう。

牧野伸一/1957年静岡県掛川市生まれ。1980年日本大学卒業。1980年株式会社木下工務店入社。横浜支店長を経て建築部長を勤める。2000年太平住宅株式会社入社。2003年野村ホーム株式会社入社。2005年にジェイホームズ株式会社を設立し、代表取締役に就任する。