※本ページ内の情報は2025年2月時点のものです。

インフルエンサープラットフォーム「LemonSquare」を運営するC Channel株式会社。縦長動画メディアから美容領域に強いインフルエンサー事業にシフトするなど時代の流れに合わせた、さまざまな展開を仕掛けている会社だ。今回、代表取締役社長の森川亮氏に、同社の強みや今後の展望などを聞いた。

インフルエンサーマーケティングで日本を活気づけたいと起業

ーー森川社長の経歴と創業の経緯を教えてください。

森川亮:
新卒でエンジニアとしてテレビ局に入り、選挙の出口調査を予測・解析するシステム開発や、インターネットおよび衛星放送の新規事業立ち上げに携わりました。

これからはネットワークコンテンツと端末がつながる時代になると考えソニーに転職。動画配信を行うブロードバンド事業のジョイントベンチャーの立ち上げに携わり、その後、ハンゲームジャパン株式会社(現LINEヤフー株式会社)に転職しました。

ハンゲームジャパンに転職したのは、当時韓国が最もブロードバンドが進化していてオンラインゲームが流行しており、ブロードバンドのキラーコンテンツは動画よりもゲームだと感じたことが理由です。

会社は順調に成長して社長に就任し、検索事業のNAVERの立ち上げやライブドアをグループ入りするなど様々なことに取り組みました。その後東日本大震災が起こったことがきっかけでLINEが生まれ更に大きく成長しました。

しかし、50歳を前にして海外で仕事をする中でバブル全盛の頃世界中どこにいっても日本ブランドの看板があったのが韓国や中国のブランドにかわりつつあることに危機感を覚え、「残りの人生は日本を元気にする仕事がしたい」と思うようになり、弊社を立ち上げたというわけです。

ーーインフルエンサーマーケティング事業を選んだ理由は何ですか。

森川亮:
プライバシーポリシーの問題でターゲットを特定する広告モデルが難しくなったり、そもそもZ世代中心に広告を見なくなるという動きの中、推し文化やYouTuberの活躍など個人が活躍する時代が来ると確信しインフルエンサー事業への集中を決めました。

当初はライブコマース事業にも興味がありましたが、平均年齢が高い日本では、ライブコマースなどの新しいものに抵抗がある人も少なくありません。インフルエンサーが商品を売るアフィリエイト領域であれば国内に大きなマーケットがあるので、まずはこの市場に参入しようと考えました。

専門領域に特化することで他社と差別化

ーー事業内容と貴社の強みについて教えてください。

森川亮:
インフルエンサーが良いと思った商品やサービスを紹介するマーケティング事業がメインですが、その他、インフルエンサーとコラボレーションして商品を開発するP2C事業も手掛けています。

弊社の強みとしては、まず美容に特化しているため、社員が最新の美容情報やトレンドについて深い理解があります。ブランドが新商品を出した時、その商品がどのように売れているのかをSNSやインフルエンサーのデータを元に分析しています。

そしてそのロジックを整理したり説明をしたりすることで、広告代理店やコンサルティング会社のような役割も果たしています。また、一般的にインフルエンサーマーケティングの会社はキャスティング会社のように単にインフルエンサーを紹介する場合が多いのですが、弊社ではデータを活用してインフルエンサーの分析結果を元にブランドにマッチしたインフルエンサーをデータを活用して紹介することが出来ることも強みです。

特に美容のインフルエンサーに特化し彼らのSNSアカウントとプラットフォーム「LemonSquare」がつなげデータを集め解析することが可能です。今後はAIを活用し、より効率的なインフルエンサーマーケティングを提案していきます。

インフルエンサーの数を増やすための仕組みづくりが重要

ーー今後の注力テーマを聞かせてください。

森川亮:
最も重要なことは、私たちと一緒に仕事をするインフルエンサーの数とその実績データを増やすことです。各分野に精通する専門家のようなインフルエンサーが増えれば増えるほど企業とのマッチングもしやすくなります。弊社としても、インフルエンサーがしっかり収益を上げる仕組みをここ数年でつくっていきたいと思っています。

また、インフルエンサーを増やすと同時に、弊社を活用してくださる企業も増やさなければいけません。最近はSMB(スモールトゥミディアムビジネス)と呼ばれる中小企業の顧客を増やそうとしているところです。中小企業はインフルエンサーを起用しようと思っても、コストがかかり効果が見えにくいと投資しない傾向があります。

そこで、弊社は最近、月たったの5万円でネットショップの売り上げを伸ばせる「Lemon Urerun(レモン・ウレルン)」というサービスを始めました。このサービスはインフルエンサーの投稿素材をネットショップやランディングページ、広告で活用出来るもので売上が400%伸びた事例もあります。

また、「LemonUruuu(レモンウルー)」というインフルエンサーアフィリエイトサービスでは成果に応じた報酬を支払うためリスクがないサービスになっています。その他、弊社は中国とインドネシアにも拠点があり、海外展開のサポートもしています。

編集後記

森川社長は、同社の求める人材像について「この市場に夢や情熱を持てる人。市場は常に変化するので、変化してもキャッチアップしたいと思える人も良いですね」と語った。インフルエンサー市場が拡大する昨今、C Channelのさらなる成長と活躍に注目だ。

森川亮/1989年、筑波大学卒業。日本テレビ放送網株式会社に入社。1999年、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程を修了しMBAを取得。その後ソニー株式会社に入社。2003年、ハンゲームジャパン株式会社(後にNHN Japan株式会社、現LINEヤフー株式会社)に入社。2007年、代表取締役社長に就任。2015年3月に退任し、同年4月に、C Channel株式会社の代表取締役社長に就任。2020年5月、東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場。